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ヤマハ、実売2.5万円のホームシアターヘッドフォン「YH-L500A」。ホール音響再現技術「サウンドフィールド」

YH-L500A

ヤマハは、ワイヤレス接続可能なホームシアターヘッドフォンの新モデル「YH-L500A」を4月24日に発売する。価格はオープンで、市場予想価格は25,000円前後。

YH-L500A。ハウジングは平らにできる

スマートフォンやタブレットなどで、映画、動画などを視聴する際に、より臨場感のある再生が可能なホームシアターヘッドフォン。既発売の「YH-L700A」(オープン/実売66,000円前後)の下位モデルで、YH-L700Aユーザーから反響の大きな機能などを厳選して搭載。さらに、ヘッドトラッキング機能を省くなどして、大幅に手の届きやすい価格を実現しているのが特徴。

既発売の「YH-L700A」

最大の特徴は、ヤマハが30年以上かけて培ってきたホール音響の再現技術を用いた「サウンドフィールドモード」を搭載している事。これは、2chのソースを5ch相当に拡張。それを頭部伝達関数を用いた処理を加えて、2chに戻してヘッドフォンで再生する事で、映画や音楽など、ソースを問わず、臨場感のある再生を可能にしている。実際の残響データをもとに、空気音響を作成するクオリティの高さが注目ポイントとなる。

た「サウンドフィールドモード」を搭載

上位機のYH-L700Aは、6軸のヘッドトラッキング機能も搭載しており、2chのソースを5chに拡張するだけでなく、首を左右などに動かした時に、それに合わせてサウンドが変化するように8ch分のパン用音源を生成。それを頭部伝達関数を用いて再び2chに落とし込み、YH-L700Aの2chドライバーで再生している。

それに対して、YH-L500Aはヘッドトラッキング機能とハイト方向の再現を省いている。そのため、機能名もYH-L700Aは「3Dサウンドフィールド」だが、YH-L500Aは「サウンドフィールドモード」となっている。

また、サウンドフィールドモードのモード数にも違いがある。YH-L700Aは7モードを搭載しているが、YH-L500Aはユーザーの利用頻度なども考慮し、そこから厳選した2モードを搭載。具体的には「CINEMA MODE」と「MUSIC MODE」を用意する。

CINEMAは、明瞭なセリフ、迫力のある効果音、奥行きのあるBGMをしっかり描き分けながら、スクリーンから音が出ているかのような定位感を実現するというモード。低域もブーストされる。

CINEMAのイメージ

MUSICは、ミュージカル映画や音楽ライブ映像、オーケストラ映像を会場にいるかのようなサウンドで楽しめるモード。音楽性を担保しながら、開放感のある広い音場と、リアルな残響感を表現。ボーカルをはじめ、楽器や観客の声などの要素をしっかり描き分ける事も追求されている。こちらのモードでも低域を強調し、ライブの空気感、音圧を演出する。

なお、これらのサウンドフィールドモードはOFFにして、通常のヘッドフォンとして使うこともできる。

さらに、ユニットの動きを安定させるため、外周に補強接着剤を塗布する工夫も行ない、空間表現能力や、分離感を高めている。

BluetoothのコーデックはSBC/AAC/aptX Adaptiveに対応。マイクも搭載し、通話のみLC3に対応する。Bluetooth接続に加え、付属のケーブルを使い、ステレオミニでの有線接続も可能。Bluetoothはマルチポイント接続対応で、デバイスのシームレスな切り替えを実現。低遅延のゲーミングモードも備えている。

ヤマハならではの機能として、リスニングケアも搭載。小音量でもコンテンツの魅力を味わえるモードとなる。アプリは「Headphone Control」に対応。イコライザーや、ユーザーの好みのサウンドにカスタマイズする事も可能(サウンドフィールドモードOFF時)。

ステレオミニでの有線接続も可能
操作ボタン部分

進化した装着性

YH-L500A

シンプルで、形状としては四角いながらも柔らかさを感じさせる筐体デザインを採用。装着性も進化させており、長時間の装着でも負担が少ないように、265gと、YH-L700Aの330gと比べて大幅な軽量化を実現。

イヤーパッドの形状も改良し、耳のまわりに、全体的に均一の圧力がかかる形状を追求。長時間使用時のストレスを軽減している。また、ハウジングをわずかに傾斜させる事で、装着性をさらに高めた。ハンガーの角度調整や、ハッドバンドの厚み、幅なども改良されている。