パナソニック、第4四半期にテレビでわずかな黒字見込む

-年間2,100万台の出荷にむけては順調に進捗


パナソニックの上野山実常務取締役

 パナソニックは、2010年度第3四半期の連結決算を発表した。9カ月間累計(2010年4月~12月)の連結売上高は27%増の6兆6,534億円、営業利益は104%増の2,643億円、税引前純利益は316%増の2,273億円、当期純利益は146億円の赤字から、1,147億円に黒字転換した。

 三洋電機を除いたパナソニックグループとしての連結売上高では、前年同期比5%増の5兆4,572億円、営業利益は1,340億円増の2,639億円、税引前利益は1,990億円増の2,536億円、当期純利益は1,415億円増の1,269億円となった。

 パナソニックの上野山実常務取締役は、「連結売上高では、2桁成長を続ける新興国が牽引し、好調を継続。材料合理化などの影響もあり、営業利益は対前年比2倍に、当期純利益も大幅に改善した。さらに、全セグメントで増収増益を達成しており、BtoB、BtoCともに好調である」と総括した。


第3四半期(累計)連結決算概要
第3四半期(累計)連結決算概要内訳
第3四半期(3カ月)連結決算概要

第3四半期(累計)地域別販売概況
牽引する新興国
 地域別では、国内が22%増の3兆3,901億円、米州が25%増の8,414億円、欧州が15%増の6,711億円、アジアが34%増の8,323億円となった。売上げ構成比では日本が51%となった。新興国(BRICs、MINTS+B)では、21%増となっており、インドでは48%増、ベトナムでは44%増、ナイジェリアでは39%増などとなった。

 第3四半期のみの連結売上高は、21%増の2兆2,855億円、営業利益は6%減の953億円、税引前利益は2%増の827億円、当期純利益では24%増の400億円とした。


商品別売上高分析

 セグメント別では、デジタルAVCネットワークが前年並みの2兆5,854億円、営業利益が91%増の1,012億円。携帯電話やデジタルカメラの販売が減少したが、Blu-rayレコーダや薄型テレビの販売増が貢献。国内で薄型テレビの販売が約3割増加したほか、固定費削減や合理化努力によって増益となった。

 薄型テレビの9カ月累計の販売台数は前年同期比32%増の1,603万台。そのうち、プラズマテレビは17%増の633万台、液晶テレビは44%増の970万台となった。

 「年間目標の2,100万台に対しては、このペースでいけば達成できる」としたものの、「第3四半期(10~12月)は赤字となっており、価格低下と為替が影響している。パネル調達価格も、4~6月は32型で200ドル、7~9月で170ドル、10~12月には157ドルと下落している」とした。

 だがその一方で、「2011年の新たな製品から、モジュールの海外生産へと完全移行できること、アジアの部材を多く取り入れることが可能になり、原価改善が大幅に進んでいる。また、10~12月には生産台数以上に販売台数が増えており、12月末時点での在庫が減っている。そのため第4四半期には生産台数が増加し、販売台数が減る。製販稼働益というものがあり、生産が増加すると利益が増える。これで100億円程度の利益が改善する」とし、「第4四半期単独でのわずかな黒字になる」と、テレビ事業の黒字化に意欲をみせた。ただし、通期では赤字になる見通しだ。


第3四半期(累計)営業利益分析
主な増減要因
棚卸資産

デジタルAVCネットワーク
 テレビの第3四半期までの9カ月累計売上高は2%増の8,248億円、そのうちプラズマテレビが8%減の4,080億円、液晶テレビが17%増の3,601億円。デジタルカメラは9%減の1,505億円。、BD/DVDレコーダは1%増の1,131億円、そのうちBDレコーダおよびプレーヤーが13%増の949億円。ビデオムービーが2%減の476億円となった。

 同ドメインの主要会社では、AVC社の売上高が2%増の1兆3,596億円、営業損失が151億円改善したものの177億円の赤字。携帯電話を担当するパナソニックモバイルコミュニケーションズ(PMC)の売上高は15%減の1,959億円、営業利益は30億円減の71億円となった。「PMCは、急激なスマートフォンシフトで既存の携帯電話の販売が減少したことが影響した」という。


三洋電機

 アプライアンスの売上高は前年同期比8%増の9,742億円、営業利益は41%増の819億円。エアコンが国内のエコポイント制度の影響で好調だったほか、海外でも2桁増の伸張。冷蔵庫やコンプレッサーの売り上げも伸張した。エアコンの売上高は18%増の2,021億円、冷蔵庫は8%増の1,053億円。

 電工・パナホームは、売上高が8%増の1兆2,805億円、営業利益が149%増の540億円となった。デバイスの売上高が1%増の7,138億円、営業利益は28%増の291億円。三洋電機は、売上高が1兆2,230億円、営業利益が4億円。その他事業では、売上高が21%増の8,229億円、営業利益が326%増の352億円となった。

 その他事業に含まれるFA事業の売上高は102%増の1,349億円、営業利益は289億円増の195億円と黒字転換。営業利益率は一気に14.5%まで上昇した。「スマートフォンやタブレット端末の生産増加に伴い、電子部品実装装置の販売や、新興国向けの溶接機などが好調だった」という。


アプライアンス
電工・パナホーム
デバイス
そのほか
PED・FA事業

2010年度 年間連結業績見通し
セグメント別年間見通しの修正
 上野山常務取締役は、「リーマンショック以降、構造改革に取り組んできた成果が出ている。成長面での伸びだけではなく、原価低減活動などによる損益分岐点の引き下げが効果となっている。売り上げが伸びれば、利益もあがるという体制になっており、GT12の初年度としてみても、体質転換の成果が出ている」とした。

 2010年度の業績見通しについては、7月29日公表値からの修正はないが、セグメント別での計画を修正。デジタルAVCネットワークの売上高が10月29日の公表値に比べて、500億円減の3兆4,000億円、営業利益は50億円減の1,370億円。デバイスは売上高で200億円減の9,200億円、営業利益は60億円減の350億円としたが、FAが好調なその他事業で売上高を200億円増の1兆1,700億円に、営業利益を40億円増の440億円に修正。消去または全社で売上げで500億円、営業利益で30億円を吸収する。



(2011年 2月 2日)

[Reported by 大河原克行]