ソニーPCL、BDソフト製作用の新アプコン技術を開発

-「とらドラ!」BD-BOXでも使用。ジャギーなど低減


オリジナル映像(スクイーズ/16:9のワイド映像を左右圧縮して4:3映像として記録)

 ソニーピーシーエル(ソニーPCL)は、Blu-rayソフト作成用の新しいアップコンバート技術「Real Scaling for HD」を開発。同技術を使ったアップコンバートサービスをコンテンツホルダ向けに開始した。

 BDソフトでは近年、SD解像度で制作されたアニメを、HD解像度にアップコンバートしてBD化する作品が増えている。しかし、アップコンバートを行なうと、斜め線の部分に階段状のジャギーが出たり、黒いトレース線の横など、輝度差の激しいところに白い線状の信号が発生するオーバーシュート現象など発生。鮮鋭感に影響を与えるという課題がある。

 ソニーPCLでは、ソニーで原理開発された複数の高画質技術を組み合わせ、高画質アップコンバート技術「Real Scaling for HD」を開発。これには、ソニー製BDレコーダに搭載されている「新アニメ・CGリマスター技術」が含まれており、オーバーシュートの発生を抑制。新たなジャギー低減技術も導入され、オリジナル映像がスクィーズ素材であっても、違和感のないトレース線を再現するという。


ソニーPCLの新アップコンバートサービス
(C)竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス/「とらドラ!」製作委員会
左写真の枠線部拡大
(C)竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス/「とらドラ!」製作委員会
ソニーPCL従来のアップコンバートサービス
(C)竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス/「とらドラ!」製作委員会
左写真の枠線部拡大
(C)竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス/「とらドラ!」製作委員会

 こうした技術により、従来ソニーPCLが提供してきたアップコンバートサービスと比較し、「映像全体の鮮鋭感を向上させることを実現した」という。

 この技術は既に数作品のBDソフトで使用されているほか、キングレコードが今後発売を予定しているBD-BOX「とらドラ!」(発売元キングレコード/発売日未定)にも採用されるという。


(2011年 8月 8日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]