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デノン、DSD/Wi-Fi/4K対応で5万円台のAVアンプ「X1100W」、8万円の「X2100W」も

 デノンは、DSDも含めたハイレゾ楽曲のネットワーク再生や、無線LANを使ったポータブル機器とのダイレクト接続などに対応する7.2chのAVアンプ2機種を7月中旬に発売する。価格はエントリーモデルの「AVR-X1100W」が57,500円、スタンダードモデル「AVR-X2100W」が81,000円。

スタンダードモデル「AVR-X2100W」
エントリーモデルの「AVR-X1100W」

 2機種共通の特徴として、無線LAN機能を搭載。LANケーブルの取り回しを気にせず利用できる。2本のロッドアンテナを使ったダイバーシティアンテナを採用し、安定した通信ができるという。スマートフォンやタブレットとの連携機能も備えている。

 どちらもDLNA 1.5準拠のネットワークプレーヤー機能を搭載。新たに、DSDとAIFFファイルの再生に対応。AIFF/WAV/FLACは192kHz/24bitまで、Apple Losslessは96kHz/24bitまで、DSDは2.8MHzまでの再生に対応する。ギャップレス再生も可能。

 Bluetooth 2.1+EDRにも対応しており、対応機器と手軽に連携できる。プロファイルはA2DP/AVRCPに対応、コーデックはSBC/AACをサポート。AVアンプのリモコンで、ワイヤレス接続したBluetooth機器の制御(再生/一時停止、前曲にスキップ/次曲にスキップ、早戻し/早送り)が可能。マルチペアリングにも対応し、最大8台までの機器との連携情報を記憶できる。ゾーン2への出力にも対応する。

 AppleのAirPlayにも対応。同一ネットワーク内のiTunesやiOS機器から、ワイヤレスで音楽再生が可能。インターネットラジオの受信もサポートする。

 前面のUSB端子にUSBメモリなどを接続し、メモリ内のハイレゾ/DSDファイル再生が可能。iPod/iPhoneのデジタル接続も可能で、デジタル伝送・再生だけでなく、充電も行なえる。

 iOS/Android向けのアプリ「Denon Remote App」も用意。スマートフォンやタブレットからAVアンプを制御でき、メイン操作画面のショートカットキーは、最大8個までカスタマイズできる。

ディスクリート・パワーアンプを採用

 どちらのモデルも7.2chアンプで、パワーアンプはディスクリート構成。X2100Wは定格95W×7ch(8Ω)、最大185W(6Ω)、X1100Wは80W×7ch(8Ω)、最大175W(6Ω)。

 パワーアンプ出力段の保護回路構成を見直し、パワーとラジスタの温度変化をリアルタイムにモニタする回路を追加。電流リミッタ回路を排除する事で、ピーク電流を大幅に強化。余裕のあるダイナミックなサウンドが楽しめるという。

 また、X2100Wでは、パワーアンプ初段の差動増幅段に、特性の揃った2個のトランジスタを使用。微小信号の表現力や、低域の安定感を高めたとする。

 どちらのモデルも電源部のブロックコンデンサには、10,000μFのデノンカスタム品コンデンサを採用。高出力時も安定した動作で、重心が低く、力強いサウンドを実現するという。この強力な電源により、4Ωのスピーカーもドライブ可能。

 DACには192kHz/24bit対応のものを採用。チップ内部の構成やワイヤリングの見直しを行ない、高品質なシリコンウェハにより高音質化したというオペアンプも採用している。

その他

 HDMIは、X2100Wが8入力、2出力。X1100Wは6入力、1出力を搭載。どちらも4K/60p映像のパススルーに対応。4K/60p、4:4:4、24bit Pure Colorにも対応している。HDCP 2.2には対応していない。なお、X2100Wは全てのHDMI入力で4Kに対応しているが、X1100Wは6入力の内、2系統のみが4K対応となる。

 また、X2100Wはパススルーだけでなく、SD/HD映像を4K/30pへアップスケーリング出力する事も可能。

「AVR-X2100W」の背面
「AVR-X1100W」の背面

 どちらも日本語表示に対応したグラフィカルなユーザーインターフェイスを採用し、メニューの背景に映像を半透明で表示できる。X2100Wの方が、よりリッチなUIになっている。4K入力時は、メニューや情報を表示するのみで、メニューの背後に映像を透過表示する事はできない。

 視聴環境に合わせた音響特性の最適化を行なう「Audyssey MultEQ XT」も搭載。付属のマイクを使い、スピーカーの有無や特性、距離、部屋の音響特性などを測定し、自動的に補正する。セットアップマイクを取り付けるためのマイクスタンドも付属する。

 スピーカーターミナルはチャンネルごとに色分けされており、ケーブル差込口を真上に設置。スピーカーケーブルをわかりやすく、接続もしやすいという。初期設定を、テキストとグラフィックを使いガイダンスする「セットアップアシスタント」機能も搭載する。

 デコーダはドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオに対応。小さな音は明瞭に、急に出る大きな音は小さく抑え深夜の視聴などに使える「Audyssey Dynamic Volume」、小さな音量でも臨場感を損なわない「Audyssey Dynamic EQ」なども利用可能。AM/FMチューナも搭載している。

モデル名AVR-X2100WAVR-X1100W
定格出力95W(8Ω)80W×7(8Ω)
最大出力185W(6Ω)175W×7(6Ω)
周波数特性10Hz~100kHz10Hz~100kHz
HDMI端子8入力2出力6入力1出力
入力端子コンポジット×2
コンポーネント×1
アナログ音声×4
光デジタル×2
コンポジット×2
アナログ音声×2
光デジタル×2
出力端子映像モニター出力×1
サブウーファプリアウト×2
ヘッドフォン出力
映像モニター出力×1
サブウーファプリアウト×2
ヘッドフォン出力
消費電力
スタンバイ時
500W
0.5W
430W
0.5W
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
434×339×167mm434×339×151mm
重量9.7kg8.6kg

(山崎健太郎)