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ローランド、4K映像や92系統の音声切り替えに対応するスイッチャーを夏発売

 ローランドは9日、映像制作やイベントなどの映像演出などで利用するマルチフォーマット・ビデオ・スイッチャーの新モデルとして、4K映像の切り替えにも対応した「V-1200HD」を2015年夏に発売すると発表した。価格は未定。

奥がビデオ・スイッチャー「V-1200HD」、手前が別売の専用コントローラー「V-1200HDR」

 映像だけでなく、音声のスイッチングも可能。HD映像の入力に対応したSDI端子を10系統、Blu-rayデッキやPCの映像が入力できるHDMI端子を4系統搭載。出力は8系統で、6つのSDI端子と2つのHDMI端子に自由に割り当てて出力できる。2つの拡張スロットを使う事で、最大で16入力/14出力の構成にする事もできる。

 4K映像は、SDIの入出力を系統を1つにまとめる事で、4K/60p映像のスイッチングが可能。SDIの入出力拡張カード「XI-SDI」を装着すれば、最大で3入力/1出力の4Kスイッチング環境も構築できる。

 子画面や文字など最大6系統の映像を合成し、切り替えられる「ビデオ・スイッチャー」(4:2:2処理)と、PCの映像をにじみなく高画質に処理するという「ビデオ・プロセッサー」(4:4:4処理)も搭載。これを組み合わせた「映像処理のハイブリッド・エンジン」により、高精細かつ高画質なビデオ収録や映像送出ができるという。

ビデオ・スイッチャー「V-1200HD」

 別売の専用コントローラーには、2つのタッチパネル液晶ディスプレイを搭載。専用操作子とタッチ液晶パネルを駆使する事で、操作性が大幅に向上したとする。無料アプリの「V-1200HD RCS」を使い、最大4台のPCからV-1200HDをコントロールする事も可能。

 前述の拡張スロットには、用途に合わせてエクスパンション・カードの「XIカード」を搭載可能。新たにSDIやDVI-I、SFPといった映像の拡張に対応した「XI-SDI」、「XI-DVI」、「XI-SFP」の3モデルを用意。ローランドのデジタル音声伝送規格「REAC」や、Dante、MADI、WAVES SOUNDGRIDなどのデジタル音声規格の拡張に対応した、既に発表済みの「XI-REAC」、「XI-MADI」、「XI-DANTE」、「XI-WSG」もラインナップする。

 背面のSDI、HDMI、アナログ音声入力、拡張スロットへ装着した「XIシリーズ」を用いる事で、最大で92系統の音声の入力/出力操作も可能。内蔵の16チャンネルのミキサーにはディレイ・エフェクトも搭載。別途音声ミキサーを使わずに、高品位な音声処理ができるとする。

(山崎健太郎)