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シャープ、液晶ディスプレイ技術を用いた“窓用採光フィルム”。省エネに貢献
(2015/6/2 14:53)
シャープは2日、液晶ディスプレイの開発で培った光学制御技術を応用した「採光フィルム」を発表。オフィスの窓に設置する事で、窓から入る光を調整、照明用電力を削減でき、オフィスの省エネ化に貢献できるという。
通常、窓から外光を直接取り入れると、季節や天候、時間帯によっては眩しすぎるため、カーテンやブラインドで遮光する必要がある。また、室内が暗くなると蛍光灯やLED照明で明るくするため、照明用電力がオフィスの電力使用の大きな割合を占める事になる。
シャープが開発した「採光フィルム」は、太陽の年周運動・日周運動を考慮した高度な光学設計を用いたもので、フィルムの表面に微細加工を施すことで、片側に様々な角度から入って来る光を、反対側から一定の角度で出すことができる。
このフィルムを窓の上部に設置すると、季節や時間帯に応じて変化する入射角度に関わらず、太陽光を効率的に天井方向に取り込める。天井にあたった光は間接照明のように、室内の人に降り注ぐ。そのため、採光フィルムからの光が直接眼に入る事で感じる、不快なグレア(眩しさ感)を抑えながら、室内全体を明るくできるという。
シャープの検証では、年間でおよそ4割の照明用電力の削減が可能になるとする。
なお、この採光フィルムをサッシに納めた「自然採光システム」が、ヒューリックのヒューリック虎ノ門ビル(2015年6月2日竣工)に設置された。