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iFI-Audio、「nano iDSD」などのDSD音質改善ファーム

バニラ/ストロベリー/チョコチップの3種類で“DoP革命”

 iFI-Audioは、DAC「iFI nano iDSD」やコンポ「Retro Stereo 50」など同社のDSD 256(11.2MHz)対応製品向けに、新ファームウェア5.0を無償で提供開始。DoP再生時の課題を解消したというもので、今回の機能改善を「DSD DoP革命」としている。新ファームには、対応機種や機能が異なる「バニラ」、「ストロベリー」、「チョコチップ」という3つの“フレーバー”の名前を付けている。

nano iDSDなどのDSD再生機能を強化

【対応機種】


    ・ファームウェア5.0「バニラ」
    nano iDSD/micro iDSD/micro iDAC2/Retro Stereo 50
    ・ファームウェア5.0A「ストロベリー」
    nano iDSD/micro iDAC2
    ・ファームウェア5.0B「チョコチップ」
    micro iDSD
バニラ、ストロベリー、チョコチップという3つの“フレーバー”を用意

 DSDのDoP再生時は、PCMとの切り替え時に、一部の再生ソフトにおいてノイズが生じるという課題がある。そこでiFIは、この問題をファームウェアレベルで解決し、同社DSD対応機器の全てに搭載することを決定したという。従来のファームウェアではASIOでしか対応していなかったnano iDSDのDSD 11.2MHzを、新ファームではDoPでも対応。また、同社のポータブルDACでDoPによるDSD 11.2MHzに対応しているのはmicro iDSDのみだったが、5.0A「ストロベリー」により、nano iDSDも対応する点などが主な特徴。

 新ファームのうち、通常のVer.5.0「バニラ」は、DoP経由のDSDを最適化することで、クリック音がなく、ASIOによるネイティブDSD(従来はWindowsのみ対応していた)と同等の音質を実現するというもの。DoPの30%のデータ・オーバーヘッドを保持しながら、iFIのファームウェアのスペシャルコード最適化機能により、音質の改善を図っている。DACなどの各製品が対応するすべてのOSをサポートし、2015年9月以降に出荷されるiFI製品に搭載(iLink、iDACを除く)。なお、既知の問題として、nano iDSDとmicro iDAC2においてDSD 256(11.2MHzなど)はASIO経由でのみ利用可能。micro iDSDのみスリープモードにしたときには、スマートフォンの機種によっては電力を引き出すことがあるという。

従来のファームウェア(上)と、新ファームウェア(下)の違い

 ファームウェア5.0A「ストロベリー」は、nano iDSDとmicro iDAC2で、MAC OS X、iOS、Android、Linux上でDSD256が可能になるバージョン。DoP経由のDSD 256再生する場合のみ必要で、他の機能は通常のVer.5.0と同様。なお、システムオーディオ(Mac OS X、iOS、Android、Linux)使用時には、OSがサポートしていれば、オーディオのデフォルトが768kHzのアップサンプリングに設定される。nano iDSDとmicro iDAC2は、768kHzのPCMの「無音」信号を受け取ると、出力をミュートしてしまうため、デフォルトのサンプリングレートを手動で384kHzに設定し、出力可能にする必要がある。

 追加サブバージョン・ファームウェアの5.0B「チョコチップ」は、micro iDSDのみ対応。Android端末などで使用する際に、スリープモードを無効にする。スリープモードを無効にすることで、最近の世代のAndroidを使用したスマートフォン、タブレット、ファブレットからmicro iDSDが電力を引き出すのを防ぐという。また、micro iDSDがスリープモードに入るときに生じていたクリック音やポップ音も防ぐ。なお、USB入力使用中には光/同軸デジタル入力は使用できない。スリープモードにならないため、通常のVer.5.0と比べて実質的にバッテリー駆動時間が短くなる。

(中林暁)