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フルデジタルヘッドフォンアンプも搭載、デノンからUSB DAC/ネットワークプレーヤー
(2016/1/15 10:00)
ディーアンドエムホールディングスは、デノンブランドの新製品として、USB DACとネットワークプレーヤー機能を備え、フルデジタルアンプのDDFAを使ったヘッドフォンアンプも内蔵した「DNP-2500NE」を2月中旬に発売する。価格は20万円。カラーはプレミアムシルバー。
ネットワークプレーヤー、USB DAC、ヘッドフォンアンプ機能をまとめたデジタルプレーヤー。ハイレゾ時代に向けた新たなコンセプトを掲げる「2500NE」シリーズの1モデル。USB DAC搭載プリメイン「PMA-2500NE」、ディスクプレーヤー「DCD-2500NE」もラインナップ。他機種については別記事で紹介している。
また、デノン製品の音を監督するサウンドマネージャーに新たに就任した山内慎一氏が、初めてゼロから監修したシリーズともなる。いずれのモデルも福島県白河市にあるデノンの工場で生産されている。
USB DAC部にはアイソレート機能も搭載
USB DAC機能は、上位モデルの「SX11」シリーズなどで使われたものを採用。対応データはPCMが384kHz/32bitまで。DSDは11.2MHzまでサポート。DSDの伝送方式は、ASIO 2.0ドライバによるネイティブ再生と、DoP伝送での再生に対応。アシンクロナス伝送もサポートする。
PCから供給されるデータに混入するノイズを完全にカットするアイソレート機能も搭載。信号は高速なデジタルアイソレータで、さらにグラウンドもリレーによってPCとの電気的な結合を遮断。ノイズの無い音声信号のみがトランス結合のアイソレータを通して伝送される構成となっている。PC側電源からのノイズの回り込みを防ぐために、グランドも含め、トランス巻線を分離した専用の電源回路も搭載する。
USBメモリに保存したハイレゾ楽曲の再生にも対応。PCMは192kHz/24bit、DSDは5.6MHzまで対応。iPhone/iPodからのデジタル再生もでき、充電も可能。光デジタル入力×2、同軸デジタル入力×1も備えている。
DACをマスターとしてクロック供給を行ない、デジタル回路を正確に同期させる「DACマスター・クロック・デザイン」も導入。マスタークロックをDACの直近に配置する事で、ジッタの発生を抑え、忠実な再生ができるという。PCからデータを受け取るプロセッサや、後述する「Advanced AL32 Processing Plus」の処理を行なうFPGAなども、1つのクロックで動作させる。
クロックは44.1kHz系、48kHz系で個別に搭載。ジッタの発生を最小化している。クロック自体も、低位相雑音水晶発信器を使用。USB-B入力以外かの信号に対しては、ジッターリデューサー回路でジッタを低減している。
独自のデータ補完アルゴリズムを用いて、データをハイビット(32bit)/ハイサンプリング化して処理する「Advanced AL32 Processing Plus」も搭載。384kHz/32bitまで対応しており、PCMデータの失われた情報を復元し、再生できるという。
32~48kHzのデータには16倍、64~96kHzには8倍、128~192kHzには4倍のオーバーサンプリング処理を行なう。352.8/384kHzのデータも、2倍のオーバーサンプリングをかけて処理する(ライン出力のみ)。
アナログ出力回路やアナログ電源回路にも高品質なパーツを投入。新開発の、大容量3,300μFのオリジナルブロックコンデンサや、上位機のDCD-SX1やSX11にも搭載した高音質電解コンデンサなどを備えている。
ネットワークプレーヤー機能を搭載
ネットワーク機能として、EthernetとIEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能も装備。DLNA 1.5準拠のネットワークプレーヤー機能を備えており、PCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHzまでのデータが再生可能。フォーマットはMP3/WMA/AAC/WAV/FLAC/Apple Lossless/AIFF/DSDをサポートする。DSD/WAV/FLAC/AIFF/Apple Losslessのギャップレス再生も可能。
AirPlayにも対応し、iOS機器と手軽に連携可能。インターネットラジオの受信にも対応する。無線LANのセットアップでは、WPSやWAC、Wi-Fi Sharingも利用可能。
iOS機器やAndroid端末で利用できるアプリ「Denon Hi-Fi Remote」も無償提供しており、製品の電源ON/OFFや入力の切り替えなど、基本的な操作がスマホなどから行なえるほか、NASに保存した音楽ファイルの選択、ネットラジオの選局なども可能。音楽ファイル再生時には、キューを採用した再生システムが利用でき、ブラウズ画面で再生したいファイルをタップしていくと、再生キューが作成される。そのリストをプレイリストとして保存する事も可能。
ヘッドフォンアンプをフルデジタルアンプのDDFAで構成
デノンとクアルコムが共同開発し、PMA-50やDRA-100に採用したデジタルアンプ「DDFA」をヘッドフォンアンプ向けにチューンナップして搭載。入力されるファイル/ストリーミングのデジタルソースを、アナログ変換せずにデジタルのまま、「Advanced AL32 Processing Plus」の補完処理を経て、ボリューム調整、トーン処理、最終弾の電力増幅、負帰還処理まで行なう。これにより、鮮度が高く、原音に忠実な再生が可能という(PCMのみ)。
DCまで負帰還をかけることで、DCオフセットを抑え、低域の利得低下や、位相回転の原因となるカップリングコンデンサの無いアンプ構成を実現したという。これにより、可聴域下限までフラットに伸びた周波数特性を実現したとする。
DDFAのパフォーマンスを最大限に発揮させるため、ヘッドフォンアンプのみで9系統の安定化電源(リニア・レギュレーター)を搭載。直接負荷を駆動する出力段ブリッジ電源カ(±14.5V)は、アナログ専用トランスから専用電源基板を経て供給。さらなる低ノイズ、低歪を実現したという。
ヘッドフォンアンプの出力インピーダンスを切り替え、ダンピングファクターを4段階で調整する事も可能。「High」に設定すると「緊張感のある硬質な音」、「Low」では「ゆったりとした柔らかな音」になるという。3段階のゲイン切り替えも可能。定格出力は1.5W×2ch(32Ω)、80mW×2ch(600Ω)、対応ヘッドフォンは8~600Ω。
筐体内の回路全体は、「シンプル&ストレート化」を徹底。基板上のパターンレイアウトをゼロから見直し、最短経路を徹底。デジタル回路とアナログ回路の電源を、トランスから分離した2トランス構造を採用する事で、相互干渉とノイズの回り込みを排除している。
入力端子は、USB-A×1、USB-B×1、同軸デジタル×1、光デジタル×2。出力は、アナログアンバランス×1、標準ヘッドフォン×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1。
1.2mm厚のメインシャーシに、1.6mm厚スチールプレートを2枚追加した3層構造とすることで、剛性を高めている。脚部には無垢のBMC(Bulk Molding Compound)を採用。外形寸法は434×377×198mm(幅×奥行き×高さ)、重量は11.7kg。消費電力は35W。アルミ製のリモコンが付属する。