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フォステクス、セミオープン型リスニングヘッドフォンを“藍色”に染めた「T60RPmk2ai」
2025年9月19日 12:30
フォステクスは、リスニング用ヘッドフォン「T60RPmk2」をベースに、独自の全面駆動型平面振動板の第4世代RPドライバーと、徳島の阿波藍職人により染め上げたハードメイプルハウジングを組み合わせた、セミオープン型「T60RPmk2ai」を10月上旬に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は12万円前後。
熟練職人と共同開発した徳島の阿波藍でハードメイプルハウジングをひとつひとつ丁寧に染め上げ、木目が美しく現れる深い藍色に仕上げた。植物の藍のみで作られた「本藍」による染色は、ハードメイプルの硬質で比重が重く音に余計な色付けをしない特性を生かすことができ、しっかりとした深みのある低音域、濁りがなくクリアで伸びやかな高音域を実現するという。
江戸時代の浮世絵などで知られる藍のなかでも、徳島の阿波藍はその染め上げの美しさから古くより高級染め物にはなくてはならない染料として全国に知られている。
しかし、従来の方法では木材を染めることは難しいため、染料の濃度調整、発酵工程、土壌づくりから試行錯誤。天然のタデ藍のみで作られた「本藍」の染料を使い、手作業で日数を掛けて塗りと乾燥を繰り返し染め上げている。
上位機種と同じ、不純物を極限まで排除し伝送能力を高めた7N(99.99999%)グレードの高純度OFCケーブルを内部配線材に採用。左右のハウジングに装備した2極、3.5mmコネクタにより、リケーブルにも対応する。
標準でアンバランスケーブルが付属。高音質OFC導体を採用している。さらに、別売で4.4mmのバランスケーブル「ET-RP4.4BL2Y」も用意する。
オプション設定だった、東レのUltrasuedeイヤーパッドを標準で装備。蒸れにくく、柔らかな肌触りが特徴。滑らかかつ高品位な重低音域から高音域までの音質を提供するとともに、低反発のアラウンドイヤー型で装着感も優れるとのこと。
ドライバーは、RPテクノロジーの全面駆動型平面振動板ドライバーの第4世代。平面振動板の振動領域の拡大と均一化のため、振動板を挟み込むマグネットを増量しプリンテッドコイルのパターン形状を新設計。磁気回路の構成部品も一新して磁束分布を最適化することで、振動板の不要共振を抑え鋭いレスポンスでの音の立上がりと立下がりを実現している。
インピーダンスは28Ω、感度は96dB/mW。再生周波数帯域は10Hz~40kHz、ケーブルを含まない重量は約398g。