ニュース

ソナス・ファベール、Amatiの新たな頂点「Amati Supreme」。コルクなど最上位Supremeの技術投入

Amati Supreme

ノアは、ソナス・ファベールの新スピーカー「Amati Supreme」(アマティ・シュプリーム)を10月29日に発売する。仕上げはTerra Rossa、Sabbia Oroを用意。価格はペア1,485万円。

左からTerra Rossa(テラ・ロッサ)、Sabbia Oro(サッビア・オロ

1998年に初めて登場したフロア型スピーカー「Amati Homage」。Amatiの名は、ヴァイオリン製作の流派を確立した偉大な弦楽器製作者Andrea Amatiへの敬意を込めたもので、彼はソナス・ファベールの拠点ヴェネト州に隣接するロンバルディア州クレモナの出身。18世紀まで続く伝統の礎を築いた。

そんなAmatiシリーズの新たな頂点として開発されたのが「Amati Supreme」。“Supreme(至高)”の称号を冠し、「Amati」の可能性を極限まで高めたという。

Amati Supreme

4.5ウェイ、5スピーカーのバスレフ方式フロア型スピーカー。キャビネット側面は、上位モデルで採用されているプライウッド構造を継承。厚みの違うシート状の木材を木目の角度を交互に90度変えて7層に積層させ、プレス機で加圧しながら美しくも強靭さを兼ね備えた曲面を造形している。

天然木によるキャビネットに、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC加工アルミニウムプレートをキャビネットの上下に取り付け、挟み込む独自構造「エキソ・スケルトン・クランプ」も採用。キャビネットをダンピングさせ振動成分を抑制するとともに、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域の再生を実現する。

バスレフポートのダクトに適度なダンプをかけ、ポートのチューニングを施すことで低域をコントロールし再生レンジの拡大を図る “Stealth Ultraflex”機構を継承。

アルミニウム押し出し成形により作られた堅牢なリアポート構造は、歪の原因となるポートから排出される気流の乱れを波状のポート出口構造で最適化。ノイズを極限まで抑制している。

弩級フラッグシップ・Supremeのために開発をしたコルクを、Amati Supremeの中高域チェンバー内に使用。コルクは自然素材として自然な響きと吸音性を両立しながら、平行面を排した設計により今までにない有機的な形状を実現、定在波や不要共鳴を最適化に成功したという。

中高域ドライバー・ユニット部のチェンバーを密閉型とし、コルクを内部に配置する事で、ウーファーの駆動時の背圧の影響を受けず、中高域ユニットのポテンシャルを最大限に発揮。中高域の解像度の向上や音の繋がりがよりシームレスになる事で奏でる艶やかで至極自然なサウンドは、まさしくSonus faber が求めるサウンドポリシー“Natural Sound”を体現したとする。

高域用として、20mmスーパーツィーターと、38mmのツィーターを搭載。伝統のシルク・ソフトドーム型。独自技術のアローポイントDADは搭載していない。スーパーツィーターが2kHz~40kHzの帯域再生が可能なことや、スーパーツィーター及びツィーターの双方に、ウェーブガイドを備えることで、高域特性や分散が優れているため。

中域は、Supremaのために開発された165mm径の「Camelia Midrange」。円形の振動板より発生する共鳴、エッジ部による回折現象が音質へ悪影響を及ぼすことから、振動板の周りを合計5箇所カットし、エッジ部を凹型にする事で、今までにないナチュラルでホログラフィックなサウンドを奏でるミッドレンジになったという。

ドライバー部は、2つの超軽量CCAWボイスコイルが搭載されたデュアル・ボイスコイル構造。カスタムメイドのネオジム・ドライバーを採用する事で、瞬発力ある強力な駆動を実現している。

低域は、専用設計された220mmウーファー。2つの超軽量CCAWボイスコイルにより、超高速駆動を実現するための2つのエア・ギャップを備えたカスタムメイドのデュアル・ネオジム・ドライバーを配置。

新開発のセンターキャップは、剛性に優れたABS樹脂で構成。ボイスコイルの冷却を強化する新たなドライバー構造と、有限要素法に基づく解析に基づいた最適なパーツ選定により、振幅のスムースネスと可動域の大幅な改善を実現した。

クロスオーバー・ネットワークは、Stradivari G2にも採用されたInteractive Fusion Filteringに基づく設計を採用。パーツは厳選された物を使用し、Jantzen製インダクター、Clarity Capとのカスタムメイドパーツ、MUNDORF製高品位パーツなどを使っている。

背面には、MID-HIGHおよびMID-BASSを調整できる機能を搭載。設置環境やシステムに応じた最適なカスタマイズができるという。

クロスオーバー周波数は230Hz/300Hz/1,800Hz/5,600Hzで、周波数特性は28Hz~40kHz(ステルス・ウルトラフレックス含む)。出力音圧レベルは91dB SPL(2.83V/1m)、公称インピーダンスは4Ω。スピーカー端子はバイワイヤリング対応。外形寸法は、416×516×1,180mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は62kg。