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ソナス・ファベール、AidaIIの技術も投入した最新世代「Amati G5」

Amati G5

ノアは、ソナス・ファベールの新スピーカー「Amati G5」を7月6日に発売する。価格は594万円。3.5ウェイ、4スピーカー、バスレフ方式のフロア型。仕上げは、Wenge、Red、Graphiteから選択できる。

左からWenge、Red、Graphite

偉大な弦楽器製作者をオマージュしながら、これまでソナス・ファベールが培ってきた伝統と、本機のために開発された革新的な技術を惜しみなく投入したという最新世代スピーカー。全てが熟練職人による手作業にて製作され、「アイデンティティともいえるナチュラルで艶やかなサウンドは更なる進化を遂げた」という。

キャビネット側面は、上位モデルで採用されているプライウッド構造を継承。厚みの違うシート状の木材を木目の角度を交互に90度変えて8層に積層させ、プレス機で加圧しながら美しくも強靭さを兼ね備えた曲面を造形。側板の突板同士の接合部にはクリア・メイプルをダンピング素材として挟み込んでいる。

バスレフポートのダクトには適度なダンプをかけ、ポートのチューニングを施すことで低域をコントロールするStealth Ultraflex(ステルス・ウルトラフレックス)機構を継承。

アルミニウム押し出し成形により作られた堅牢なリアポート構造により、歪の原因となるポートから排出される気流の乱れを最適化。低域の再現性をより向上させた。

ポートは背面にある

天然木によるキャビネットの上下に、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC加工アルミニウムプレートを配置。挟み込む独自構造「エキソ・スケルトン・クランプ」を採用。キャビネットをダンピングさせ振動成分を抑制するとともに、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域域の再生を実現している。

トッププレート

床面からの振動伝播とキャビネット全体をデカップリングする手法として、“Z.V.T.”(ゼロ・ヴァイブレーション・トランスミッション)テクノロジーを踏襲。Amati G5では、スパイクの取り付け部にエラストマー樹脂を挟み込む“エラストマー・サスペンション構造”を持つブラケットシステムを採用している。

ラテン語で「イントネーション(調音)」を意味する最新テクノロジー「Intono」も搭載。ミッドレンジ、及びツイーターのチェンバーを密閉型とし、特殊な加工を施しながら厳選した吸音材の選定と配置をする事で、内部のインピーダンス・ピークを大幅に減少させ、ドライバーを効率的に駆動。チェンバーと吸音材の最適な配置により、クロスオーバー・ネットワークに使用するパーツをシンプルにする事が可能になり、中高域の余分な着色のない純度の高い再生を実現した。

高域には、28mm径アローポイントDAD搭載シルク・ソフトドーム・ツイーターを採用。ツイーター背面には、フラッグシップモデル「AidaII」にも採用された専用の木製チェンバーを搭載。ドライバー駆動時に発生する気流を制御し、レーザーエッチング加工による複雑な音響迷路を形成する内部構造により、透明でありながら力感のある、高純度な高域再生に寄与している。

中域には、セルロース・パルプ、カポック、ケナフなどの天然繊維を調合し自然乾燥させた独自振動板を使った150mm径ペーパーコーンを採用。強力なネオジム・マグネットが、銅クラッド・アルミニウム巻線(CCAW)で構成されたムービングコイルを高速かつ最短で正確な応答を実現。スパイダーには高耐久なBIMAX特殊素材を使用、バスケットは強靭なアルミニウム・ダイキャスト・フレームで、理想的なハイスピード駆動と高いコントロール性を兼ね備えたとする。

新たに開発されたユニット中央のフェーズプラグは、ユニットが駆動する事で発生する気流を最適化。乱れる事なくリスニングポイントへ一貫した波形パターンの伝搬を可能にしている。その結果、軸上と軸外の双方で、スムースな周波数応答が得られるとのこと。

低域用には、専用設計された220mmウーファーを搭載。2つの超軽量CCAWボイスコイルにより、超高速駆動を実現するために、2つのエア・ギャップを備えたカスタムメイドのデュアルネオジムドライバーを採用している。新開発のセンターキャップは、剛性に優れたABS樹脂。ボイスコイルの冷却を強化する新たなドライバー構造と、後述する「Finite Element Method(有限要素法)」に基づく解析に基づいた最適なパーツ選定により、振幅のスムースネスと可動域を大幅に改善させた。

クロスオーバー・ネットワークには、AidaIIにも採用されている「PARACROSS TOPOLOGY(パラクロス・トポロジー/位相幾何学)」と、新たに開発した「Interactive Fusion Filtering(インタラクティブ・フュージョン・フィルタリング)」に基づく設計を採用。

各ドライバー・ユニットの振幅/位相特性、空間/時間特性を最適化する一方、低周波数のインピーダンスを最適に制御して、アンプとのマッチングに配慮。高周波干渉を抑え、トランジェント特性を改善させることで、ポテンシャルを発揮させている。

周波数特性は28Hz~35kHz、出力音圧レベルは91dB/W/m、公称インピーダンスは4Ω。スピーカー端子はバイワイヤリング対応。外形寸法は416×516×1,180mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は56kg。