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U-NEXT、映像配信に“音楽サブスク”サービス追加へ。課金ユーザーは30年8月期630万人超目指す

宇野康秀社長CEO

U-NEXT HOLDINGSは14日、2026年8月期を初年度とする5カ年の中期経営計画「Road to 2030」を策定。その中で、映像配信のU-NEXTの付加価値を高める施策として、音楽サブスクリプションサービスを開発している事を明らかにした。16日に行なわれた説明会において、宇野康秀社長CEOは、「(現在の映像配信サービスに)追加で提供する。動画配信サービスに音楽配信までバンドルしているサービスは他にないので、また1つU-NEXTの差別化になっていくだろう」と説明。

さらに、U-NEXTの配信サービスにおいて、公営競技とスポーツベッティングへの参入も検討している事を説明。「公営競技(の配信)とスポーツベッティング、それそのものがビジネスになるし、そのユーザーはコンテンツへの密着度が非常に高く、解約しない優良なお客様を増やしていけるのではないか」と展望を語った。

中期経営計画「Road to 2030」では、戦略的重点テーマ として、「デジタル」と「リアル」の両軸による安定成長により、売上/利益ともに1.5倍以上を目指す事や、「安定化」から「財務規律を維持した拡大」へ財務戦略の転換。グループの将来を担う優秀人材の獲得・育成、既存事業とのシナジー領域で、グループの長期成長を牽引する新事業を創出する事などが掲げられている。

U-NEXTの課金ユーザーは、2025年8月期で494万人。年平均で25~30万人の純増を続ける事で、2030年8月期の計画最終年度で630万人超をターゲットとした。U-NEXTサービス全体の継続課金売上高のターゲットも1,450億円超としている。

宇野社長CEOは、前述の目標を「オーガニックなところの中でもこれくらいの成長はできるだろうと考えている」とした上で、これをさらに押し上げる成長期待や事業ポテンシャルとして、楽天モバイルとタッグを組んで10月からスタートさせた、データ無制限でU-NEXTの見放題が使える「Rakuten最強U-NEXT」を紹介。

具体的な数字は公表しなかったが、「とても順調な滑り出し」だという。U-NEXT MOBILEでも、11月1日から同じようなプランを展開予定。

書籍出版や共同制作プロジェクトを通じてオリジナルIPも強化しており、「ヒット作が少しずつ出てきており、それを独占配信するだけでなく、そのIPそのものがビジネスになっていく」と説明。競合プラットフォームと差別化として、引き続き注力していくという。

海外展開については、10月から国内外パートナーと共同し、厳選した日本ドラマの海外配信を開始。「日本国内のコンテンツをHBOを通じて展開しはじめたばかりだが、日本のコンテンツが世界的に評価されていく流れは今後も変わらないし、むしろ大きくなるだろう。その中で期待できるビジネスになる。また、日本の国内のコンテンツ調達力もより高まるだろう」と予測。

現時点で実現性は不透明も、自社プラットフォームによる海外展開も可能性に含めてマーケットを継続調査していくという。

なお、2025年8月期の連結決算も発表しており、連結売上高、および営業利益で9期連続の過去最高業績を達成。前年比でも売上高で19%増、営業利益で8%の増収増益を達成している。