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ライカの“その先”はスマホ? 展覧会「ライカの100年」18日から

東京・青山のスパイラルガーデンで開催される「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」

ライカカメラジャパンは10月17日、35mm判フィルムカメラ「ライカI」の誕生100周年を記念したプレスカンファレンスと、18日から開催する展覧会「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」の内覧会を開催した。また会場では100台限定モデルとなるフルサイズカメラ「ライカM11 100 Years of Leica "TOKYO JAPAN"」も発表された。

ライカM11 100 Years of Leica "TOKYO JAPAN"

「ライカM11 100 Years of Leica "TOKYO JAPAN"」

ライカストアで10月18日発売予定の日本国内限定100台の特別限定モデル。ライカM11をベースに、トップカバーにはクラシックな「Leica」の文字とともに「TOKYO JAPAN」の文字もあしらわれる。

ボディの仕上げは、クラシックなM型カメラのカラーリングから着想を得たという、光沢感のあるグロッシーなブラックペイント仕上げ。「使い込むほどに部分的に摩耗して材質が表情を覗かせ、一台一台異なるストーリーが感じられる独特の風合いが備わっていく」という。

シャッターボタンやメインスイッチなどの操作部はシルバークローム仕上げとなっているほか、シャッターボタン、メインスイッチ、ISO感度ダイヤル、シャッタースピードダイヤルには、精巧な網目模様のクロスローレット加工が施される。

そのほか「ライカI」誕生100周年記念を示す「100」のロゴが入ったブラッククローム仕上げのホットシューカバー、本体正面には「Leica」の赤いロゴの代わりにブラックのマイナスねじ、「001/100」から「100/100」までのシリアルナンバー、同梱の製品証明書など、特別限定モデルであることを印象づける要素が随所にちりばめられている。

ステファン・ダニエル上級副社長

プレスカンファレンスに登壇した写真・デザイン担当のステファン・ダニエル上級副社長は「TOKYO JAPANは、フラグシップレンジファインダーカメラの特別仕様となっている。1世紀に渡る革新と、日本の写真愛好家、写真家のクリエイティビティにオマージュを捧げたモデル」と表現した。

展覧会会場に置かれた「ライカM11 100 Years of Leica "TOKYO JAPAN"」

ライカの未来はスマホ?「ここに我々は未来を見ている」

アンドレアス・カウフマン氏

プレスカンファレンスには、ライカカメラ社主のアンドレアス・カウフマン氏のほか、ライカギャラリー・インターナショナル代表兼アートディレクターのカリン・レーン=カウフマン氏、マティアス・ハーシュCEOも来日・登壇した。

社主のカウフマン氏は、ライカ100年の記念イベントについて「ドイツ・ウェッツラーからスタートし、2025年1月のドバイ以降、シンガポールやマドリード、ニューヨークなど、さまざまな国でセレブレーションを開催してきて、いくつかの理由から最後の地に東京を選んだ」と語った。

「1925年、シュミット商会がライカIを日本で取り扱ってくれた。またその後もミノルタや富士フイルム、パナソニック、シャープなど、さまざまな日本企業と協業やパートナシップを結んできた」

「そういった歴史があってこその100年。長い協業の伝統を祝いたいと考えて、東京を最後の地に選んだ」

またカウフマン氏は「ふだん、今後の戦略や開発中の製品については答えない」と前置きしつつ、ジャケットのポケットからスマートフォンを取り出し、「ここ(スマホ)に我々は未来を見ている」と明かした。

「スマートフォンは誰もが持っているデバイスであり、エントリーカメラ、とても一般的なカメラと呼んでも差し支えないものになっている。そういったデバイスと携帯性、そしてクラウドの“デジタルトライアングル”を頭に置きながら、ライカの“その先”というものを考えている」

マティアス・ハーシュCEO

続けて登壇したハーシュCEOは「日本にはカメラに関係する企業が多く存在するが、そこでライカとして成功を収められていることを嬉しく思う」とコメントした。

「ライカを取り扱う店舗は、パートナーストアやストア内店舗なども含めて11店舗で、営業規模は90億円。年間の売上市場で言えば、ライカにとって世界3位~4位の座をドイツとつねに争っているのが日本です」

展覧会は入場無料・事前予約制。福山雅治と植田正治による写真展も

「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」

展覧会「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」は10月18日~26日までの間、東京・青山のスパイラルガーデン(スパイラル1F)で開催。ライカI誕生の礎になった試作機「ウル・ライカ」や、プロトタイプ「ライカ0型」をはじめとする歴史を、貴重な資料とともに紐解く。入場無料だが、事前予約制。

「ウル・ライカ」レプリカ
エリザベス女王のために製作された「ライカM6」プロトタイプ
ジョナサン・アイブとマーク・ニューソンが手掛けた「LEICA M for (RED)」

さらにエリザベス女王のために製作された「ライカM6」プロトタイプ、アップルで共に製品開発に携わったジョナサン・アイブとマーク・ニューソンが手がけ、世界に1台だけ製作された「LEICA M for (RED)」のほか、戦場でフォトグラファーの命を救ったカメラ、周年モデルの数々、歴代の銘品も一堂に集結。

アトリウムの展示

スパイラルガーデンのアトリウムには、ライカ100年の軌跡をひとつの“渦”で表現した空間が登場。自然光が差し込む昼間と夜で表情が変わり、夜にはライカギャラリー・インターナショナル代表兼アートディレクター、カリン・レーン=カウフマンのキュレーションによる100点の写真作品がプロジェクション映像として投写される。

「Visual Conversation」
(C)Hiroshi-Seo,-Shoji-Ueda-and-Masaharu-Fukuyama

また会場では、写真界の巨匠・植田正治と俳優・福山雅治による写真展「Visual Conversation」も実施されている。

ミノルタとの技術提携で誕生した「LEICA R3」
ライカズミクロンレンズを搭載した4Kミニプロジェクター「LEICA CINE PLAY 1」など日本未発売製品も展示
吉田カバンと吉田カバンがコラボレーションした「Leica × PORTER BACKPACK with CAMERA CASE & POUCH」