ヤマハ、7.1ch再生/HDオーディオ対応の“フルスペックYSP”

-実売16万円。HDMI4系統/REGZA連携。ラックセットも


YSP-4100

11月5日発売

標準価格:オープンプライス


 ヤマハ株式会社は、「デジタル・サウンド・プロジェクタ」のYSPシリーズ新モデル「YSP-4100」を11月5日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は158,000円前後の見込み。

 また、55型までの薄型テレビに対応するテレビラックと、YSP-4100をセットにしたモデル「YSP-LC4100」も同日に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は198,000円前後の見込み。

 さらに、YSP-4100のオプションとして、壁掛け用取付金具「SPM-K30」も11月5日に発売する。価格は5,250円。そのほか、iPod用トランスミッタ「YIT-W10」と、ワイヤレスサブウーファキット「SWK-W10」も発売。ともに価格はオープンプライスで、店頭予想価格はYIT-W10が13,000円前後、SWK-W10が14,000円前後の見込み。


■ YSP-4100

フロント

 薄型/横長の筐体に小型フルレンジユニットを多数搭載し、指向性の高い音をビーム状に放出することで、音を部屋の壁や天井などに反射させてサラウンド再生を行なう「デジタル・サラウンド・プロジェクタ」の新製品。2007年に発売された「YSP-4000」の後継モデルとなっている。本体カラーはブラック1色。6~30畳の室内に対応する。

 YSP-4000との主な違いとして、7.1chサラウンド再生(YSP-4000は5.1ch)に対応。また、ドルビー TrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオもサポートする。さらに、HDMI入力を2系統から4系統に増やすなど、「従来モデルの魅力を継承しつつ、徹底進化させた“フルスペックYSP”」と称している。約9cmの薄型筐体も特徴で、外形寸法が1,030×90×212mm(幅×奥行き×高さ)と、従来モデルと比べて約40%の薄型化を実現した。

 7.1chサラウンドに対応したビームモードを搭載。「5ビームプラス2」、「ステレオ+3ビームプラス2」、「3ビーム」の3モードを用意する。また、5.1chサラウンドの「5ビーム」、「ステレオ+3ビーム」、「3ビーム」も利用できる。付属マイクで、利用する部屋の音響特性を測定し、音響処理やビーム特性を最適化する「インテリビーム」も搭載する。

 ドルビーデジタル、DTS、AAC、ドルビープロロジックII、DTS Neo:6などに加え、新たに、ドルビー TrueHDやDTS-HD Master AudioのHDオーディオのデコードに対応。マルチチャンネル・リニアPCMもサポートする。

 HDMIリンク機能にも対応。東芝やパナソニック、シャープ、日立、三菱のAV機器をサポートする。詳細は同社の対応機器ページに掲載されている。また、16日に発表された東芝の新「REGZA」(ZX9000/Z9000/H9000/R9000シリーズ)と、日立「Wooo」の対象薄型テレビでは、EPGと連携した「おまかせサラウンド」機能が利用可能。

 「おまかせサラウンド」機能とは、EPGと同社独自の「シネマDSP」を連携させた機能で、番組のジャンルコードに合わせて、シネマDSPの設定を自動的に行なうというもの。例えば、ジャンルコードがスポーツの場合には、自動的にシネマDSPがスポーツモードに設定される。なお搭載されたシネマDSPは、「音楽」、「映画」、「エンターテイメント」の3モード/11プログラムを用意しており、「エンターテイメント」では新たに「ゲームモード」を追加した。

東芝REGZAと接続した場合の使用イメージ新REGZAで「おまかせサラウンド機能」が利用可能

 また、番組とCMの切替時などコンテンツ間の音量差を自動的に補正する「ユニボリューム機能」を新搭載。同社独自技術を採用し、BGMでセリフが聞こえにくくなる現象を防止したり、聴感特性を考慮した周波数補正を行なっている。そのほか、低音の増強に「Bass EXT」を搭載。携帯音楽プレーヤー接続時などに利用する音質補正機能「ミュージックエンハンサー」も備える。

「インテリビーム」用マイクと、特徴的な形状のリモコンも付属する

 ユニットは4cm径のビームスピーカーを40基と、11cm径のウーファを2基搭載。アンプ出力は2W×40ch、20W×2chの総合120W。映像入力はHDMI×4、コンポーネント×1、コンポジット×1、音声入力はアナログ×2(RCA)、光デジタル×2、同軸デジタル×1。映像出力はHDMI×1、コンポジット×1。サブウーファ用出力端子も備える。さらに、後述するiPodトランスミッタ「YIT-W10」用受信機や、ワイヤレスウーファキット「SWK-W10」用送信機を本体に内蔵する。

 FMチューナも内蔵。消費電力は55W。重量は10kg。リモコンなどが付属する。



■ ラックセットなどの別売オプション

 YSP-4100用の別売オプションも11月5日に発売。シアターラックシステム「YSP-LC4100」や、iPod用トランスミッタ「YIT-W10」、ワイヤレスサブウーファキット「SWK-W10」、またYSP-4100の壁掛け用取付金具「SPM-K30」をラインナップする。

  「YSP-LC4100」は、YSP-4100とAVラックをセットにしたAVシステム。55型までの薄型テレビに対応する。5mm厚の強化ガラスを使った天板に、ピアノフィニッシュを施した脚部を採用。ラック本体に電源タップを内蔵する。別売の「YTS-V1000」を使用することで、壁寄にも対応する。外形寸法は1,360×415×440mm(幅×奥行き×高さ)。

YSP-LC4100使用イメージYTS-V1000

 「YIT-W10」は、iPodの楽曲を非圧縮で無線伝送可能なトランスミッタ。YSP-4100に内蔵する受信機に向けて、接続したiPodの楽曲を伝送可能。伝送技術には2.4GHz帯を使った「AirWired(エアワイヤード)」を採用し、非圧縮で楽曲を送信できる。伝送距離は約20m。また、「ミュージックエンハンサー」も搭載。対応iPodは第5世代iPod、iPod nano/classic/touch、iPhone 3G/3GS。充電器とACアダプタが付属する。

 「SWK-W10」は、サブウーファ用のワイヤレスキット。市販のサブウーファと接続して、YSP-4100と連動した低音出力をワイヤレスで可能にするもの。YSPとの電源同期や音量同期ができ、遅延補正も可能。伝送技術には「AirWired」を採用する。底板にフック用穴を搭載し、壁掛けもできる。外形寸法210×120.5×53.5mm(幅×奥行き×高さ)。重量は800g。

YIT-W10SWK-W10

(2009年 9月 16日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]