シャープ、液晶パネルの廃ガラスを再利用する塗料

-LED防犯灯のアルミニウム部品に利用


12月7日発表


 シャープ株式会社は、液晶パネルの生産工程で排出される廃棄ガラスを利用した高機能性塗料を開発した。同社のLED防犯灯のアルミニウム部品に採用予定で、資源の有効活用に取り組んでいくという。

 液晶パネルの生産工程では、マザーガラスを画面サイズに切りだす際にガラス端材が発生し、廃棄ガラスとなる。このガラスは高強度や低膨張性、耐熱性などの優れた特性の一方で、軟化温度が高く、既存設備でガラス原料として再生することが困難だったという。

 そこで、シャープでは高温溶融を必要としないガラスの再利用に着目。ガラスを細かく粉砕した粉末を顔料と調合させ、新しい高機能性塗料を開発したという。この塗料では液晶ガラスの特性である高強度、耐摩耗性、耐熱性などが活かされているため、街路灯など、日光や雨風にさらされる部品の耐久性を高めることができるとしている。

 このため、LED防犯灯の塗装工程に使用すると、塗装の厚みを約40%削減可能で、塗装時間も2/3に短縮でき、資源やエネルギーの節約、生産の効率化が図れるという。今後はLED防犯灯だけではく、白物家電などへの採用など、用途拡大を図っていくという。

高機能性塗料の調製フロー

(2009年 12月 7日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]