日本デジタル家電、12ch同時録画に対応可能な新「ロクラク」
-複数台で効率録画。ダビング10使用のHDDバックアップも
株式会社日本デジタル家電は16日、外付けのUSB HDDに録画可能な地上デジタルチューナの新モデル「ハイビジョンロクラク Slim・NEO-G」を発表した。直販サイトでのプレミア販売を12月24日から開始し、価格は34,650円。
2010年の2月と3月に機能強化ファームの公開をそれぞれ予定しており、プレミア販売の購入者には無償で提供する。一般販売は2010年4月からを予定している。また、2009年10月に発売した「ハイビジョンロクラク Slim・NEO」(29,400円)のユーザーを対象に、5,000円でGシリーズの機能を追加するバージョンアップサービスも期間限定で実施。「現時点で、2009年内はアップデート受付を行なう予定」(日本デジタル家電)だという。
同社は10月に、USB HDDに録画可能な地上デジタルチューナ「ハイビジョンロクラク Slim・NEO」(29,400円)を発売しているが、「Slim・NEO-G」はその機能を全て継承しつつ、複数台用意する事で地デジの全チャンネル録画に対応できるようになったほか、ディスク共有機能、録画HDDのミラーリング機能などを追加した新モデルとなる。
ハードウェア的には「Slim・NEO」と同じで、ファームが高機能になったモデルとなる。外形寸法約52×194×134mm(幅×奥行き×高さ)、重量800g。地上デジタルチューナを1基備えており、別売の市販USB HDDを接続することで、デジタル放送の録画も可能。HDDを最大13台まで接続できる特徴も「Slim・NEO」と同じで、最大利用容量は1台あたり2TB、最大録画番組数はHDD 1台あたり200番組となる。
■ 協調同時録画とディスク共有機能
新機能の「協調同時録画」は、「Slim・NEO-G」と外付けHDDのセットを複数台用意し、全てをLAN接続することで、効率的に他チャンネルを録画できるようにする機能。1台の「Slim・NEO-G」から、他の空いている「Slim・NEO-G」に、「8chの10時からの番組を録画せよ」といった録画予約指令を出すことができる。
この機能は主従の関係が固定しているわけではなく、「Slim・NEO-G」のAから、BとCに対して予約指令を出すと同時に、BからAとCに、CからAとBにも指令を出す事ができる。つまり、家の中に複数台の「Slim・NEO-G」を設置した場合、全ての部屋のユーザーが、他の部屋の「Slim・NEO-G」に対して予約指令を出すことができる。
しかし、12月の発売の段階では、指令を出す「Slim・NEO-G」から、相手の「Slim・NEO-G」の録画予約状況が確認できず、予約したい時間に、既に別の予約が入っている場合は、エラーが戻ってくる仕様になっている。その場合は、他の「Slim・NEO-G」に予約指令を出す形になる。
これを解消するため、2月のファームアップで「家庭内同期型協調機能」が追加。手元の「Slim・NEO-G」から、他の「Slim・NEO-G」の予約状況がチェックできるようになり、効率的な録画ができるようになるという。同時録画チャンネル数は「Slim・NEO-G」とHDDのセットを増やすことで増加でき、最大12チャンネルまでサポートできる。ただし、全チャンネルを常時録画するような機能は無い。また、3月のアップデートではインターネット経由での予約録画機能の追加も検討しているという。
なお、録画番組をLAN経由で再生する機能は備えていないため、他の部屋にある「Slim・NEO-G」に接続したHDD内の番組を再生するためには、HDDのみを取り外し、自室のテレビに接続された「Slim・NEO-G」と繋げる必要がある。
また、通常のデジタル放送録画機器では、録画に使用したレコーダとHDDの組み合わせでしか再生はできないが、「Slim・NEO-G」では「ディスク共有機能」を装備。LAN経由で暗号鍵を交換することで、録画に使った「Slim・NEO-G」がLANに接続されていれば、どの「Slim・NEO-G」からでも、他の「Slim・NEO-G」で録画したHDDが再生できる。
■ ミラーディスク機能
録画HDDのバックアップ機能も強化。ダビング10を利用し、録画したHDDのコピーを最大9台作成する事ができる。電源OFFのスタンバイ時間を利用し、差分をとりながら自動的にバックアップする。
なお、プレミア販売開始時のファームでは、1台のバックアップのみ作成可能。前述の2月ファームアップの段階で、最大9台までのバックアップHDDが作成できるようになる。また、3月のファームアップでは、多対1のバックアップが可能になる。「Slim・NEO-G」は最大13台のHDDが接続できるが、例えば容量の少ない複数台のHDDの内容を、1台の大容量HDDにコピーできるようになる。
そのほかの機能は従来モデルとほぼ同じ。電子番組表(EPG)や字幕表示に対応し、EPGを使った録画予約が可能。通常のラテ欄デザインに加え、放送画面上にアルファブレディングで視聴中チャンネルの番組表を表示するロクラク形式での表示も可能となっている。
番組録画時に録画HDDを選択できるほか、アニメや映画、音楽、ドラマ、バラエティなどのジャンルごとに専用のHDDを作ったり、キーワードにより自動的に専用のHDDに録画するといった応用も行なえるという。
出力端子はHDMI×1、D4×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声×1(RCA)を装備。USB端子のほか、USBホスト端子も装備。100BASE-TX Ethernetも備えている。筺体はファンレス設計。電源はACアダプタで、消費電力は約8W、リモコンやB-CASカードが付属する。
(2009年 12月 16日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]