ソニー、フルHDのAVCHD対応の新「サイバーショット」説明会

-「ビデオカメラと食い合うものではない」。CMをHX5Vで撮影


左がHX5V、右がTX7

1月18日開催

 

 ソニーは18日、フルHDのAVCHD動画が撮影可能で、10倍手ブレ補正機能や裏面照射型CMOS、TransferJetへの対応などを盛り込んだ、デジタルカメラ「サイバーショット」新製品の発表会を開催。製品の特徴や、今後のプロモーション展開などを説明した。

 製品の詳細情報は既掲載の通りだが、ラインナップの内、「DSC-TX7」(2月5日発売/オープン/実売45,000円前後)と、「DSC-HX5V」(3月5日発売/オープン/実売45,000円前後)の上位2モデルが、フルHDのAVCHD動画撮影に対応。「DSC-HX5V」は光学10倍ズームで、同社ビデオカメラで採用されている、ワイド側で従来比約10倍の手ブレ補正角を実現した「アクティブモード」も搭載するなど、ビデオカメラとしても高い性能を持っている。

10倍ズームのHX5VDSC-TX7

ソニーマーケティング コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部の下野裕統括部長
 ソニーマーケティング コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部の下野裕統括部長は、新製品最大の特徴として、レンズ一体型デジタルスチルカメラとして、世界初の1,920×1,080ドット/60iのAVCHD動画撮影に対応した点をアピールする。

 下野統括部長によれば、国内のデジタルカメラ市場は、出荷台数ベースで2007年度をピークに減少傾向にあり、その要因は、デジタルカメラが既にある程度行き渡り、既に所有している人の買い替え、買い増しが購入者層の79%を占めるようになったためと分析。

 その上で、業界の再活性化には「現状の不満の解決と、新しい撮影の楽しみの提案による、買い換え需要の喚起が必要」と判断。「“フルHD動画撮影”を、2010年の大きな買い替え訴求のキーワードにしていきたい」と語る。


フルHD AVCHD撮影をアピール国内デジタルカメラ市場購入者の約8割が買い換え、買い増しであるため、新たな買い換え需要の喚起が必要になる

互いの市場を喰い合うのではなく、動画撮影機会の拡大を図るという
 しかし、デジタルカメラの動画撮影機能の強化は、同社も展開しているAVCHDビデオカメラと、市場を喰い合う可能性も含んでいる。

 下野統括部長は、ビデオカメラとデジタルカメラの住み分けについて、「ビデオカメラは子供の運動会や入園式の撮影などに使われ、高倍率ズームや長時間バッテリ、動画撮影補助機能の充実などが要望として多い。一方、デジタルカメラは“いつもは写真、時々動画”が使用イメージ。小型・軽量で携帯性が良く、フルHDを手軽に楽しむことを訴求したい。ビデオカメラと食い合うものではなく、動画撮影に触れるお客様の機会を増やすことで、マーケットそのものを拡大させていきたい」と語った。

 なお、TX7とHX5Vのプロモーション展開については、従来のサイバーショットと同様に、V6の岡田准一氏を起用。テレビCMを2月~3月に放送する予定だが、その中でもフルHD AVCHD動画撮影機能をメインに訴求。さらに、CM全編をHX5Vで撮影。店頭プロモーションビデオや店頭ポスターなどもHX5Vで撮影し、CMや店頭展示などで、画質のポテンシャルをアピールしていくという。


HX5Vの底部。メモリースティックとSD両対応のスロットを備えているHX5Vの背面TX7の底部
AVCHDのロゴマークTX7のレンズカバーを上げたところ「TX7」のカラーリングはダークブルー、シルバー、レッド
TX7とHX5Vに搭載されている1/2.4型、有効1,020万画素の裏面照射型CMOS「Exmor R」メイン基板同日に発表されたノートPC VAIOのTransferJet対応モデル
VAIOのキーボードの手前にTransferJetの受信モジュールを搭載。ここにカメラを置くと、カメラ内の静止画を転送できる従来のCCDモデルと裏面照射型CMOSの画質比較TransferJet対応のリーダ「TJS-1」を液晶フォトスタンドに接続したところ
TransferJetに対応した8GBのメモリースティックPRO-HG Duo「MS-JX8G」TX7と、周辺機器の「パーティーショット」を接続すると、任意のタイミングで撮影を行なう機能が使用できるようになる従来機種とHX5Vの液晶モニタ比較


(2010年 1月 18日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]