パナソニック、「フルHD 3D」VIERA/DIGAを4月発売

-2010年「3D産業革命を起こす」。TVの3D対応は+7万円


2月26日より順次発売

標準価格:オープンプライス


TH-P54VT2

 パナソニックは、世界で初めてフルハイビジョン3D映像に対応したプラズマテレビ「VIERA VT2シリーズ」2モデルや、Blu-ray 3Dディスクの再生に対応した「ブルーレイDIGA」を4月23日より発売する。

 3D対応VIERAとDIGA、さらに同梱のメガネやBlu-ray 3D規格対応のディスクを利用することで、フルHDの3D映像を楽しめる。フレームシーケンシャル方式でフルHDの3D映像を視聴可能にするのは、新VIERA/DIGAが世界初となる。

【プラズマVIERA】
品番サイズ方式/解像度3D対応発売日店頭予想価格
TH-P54VT254型プラズマ/
1,920×1,080ドット
4月23日53万円前後
TH-P50VT250型43万円前後
TH-P50V250型-3月5日36万円前後
TH-P46V246型30万円前後
TH-P42V242型26万円前後

【液晶VIERA】
品番サイズ方式/解像度3D対応発売日店頭予想価格
TH-L37G237型液晶
1,920×1,080ドット
-2月26日16万円前後
TH-L32G232型液晶
1,366×768ドット
11万円前後
TH-L37S237型液晶
1,920×1,080ドット
14万円前後

【ブルーレイDIGA】
品番HDD容量特徴HDMI出力発売日店頭予想価格
DMR-BWT30002TBBlu-ray 3D
2番組AVC録画
10倍長時間録画
スカパー! HD録画
24月23日30万円前後
DMR-BWT20001TB20万円前後
DMR-BWT1000750GB116万円前後

【Blu-rayプレーヤー】
品番特徴発売日店頭予想価格
DMP-BDT900HDMI×2
新リアルクロマプロセッサplus
お部屋ジャンプリンク
4月23日13万円前後

【ラック/ワイヤレスシアター】
品番特徴
(対応サイズ)
発売日店頭予想価格
SC-HTX700-Kラックシアター
(42~50型)
3月5日10万円前後
SC-HTX500-Kラックシアター
(37~42型)
9万円前後
SC-ZT2-Kワイヤレスシアター4月23日15万円前後
SC-ZT2-KSC-ZT2-K用
追加サラウンドスピーカー
10万円前後

 VIERAはVT2シリーズの54/50型2モデルがフルHD 3Dの表示に対応。同時発表のブルーレイDIGA「DMR-BWT3000/2000/1000」や、Blu-ray 3Dソフト、同梱の3Dメガネを組み合わせて、家庭内でのフルHD 3D体験を可能とする。また、コントラスト500万:1の新パネル3D対応「フル・ブラックパネル」の搭載による画質向上や、自動画質調整機能、ネットワーク機能「お部屋ジャンプリンク」の搭載などの機能向上も図られている。

 3Dには対応しないが、コントラスト500万:1を謳うVIERA V2シリーズも3月5日より発売。50/46/42型の3モデルをラインナップする。また、液晶VIERAのG2/S2シリーズの37/32型モデルが追加。2月26日より発売する。

 「ブルーレイDIGA」も上位機種を発表。HDD容量が2TBで、各種高画質/高音質回路を組み込んだ“プレミアムモデル”「DMR-BWT3000」のほか、HDD 1TBの「DMR-BWT2000」、HDD 750GBの「DMR-BWT1000」の3モデルをラインナップする。いずれもフルHD解像度で3Dを楽しめる「Blu-ray 3D(ブルーレイ3D)」ディスクの再生に世界で初めて対応する。

新ブルーレイDIGADMR-BWT3000DMP-BDT900

 さらに、スカパー! HD録画や、2系統のMPEG-4 AVC同時録画、10倍長時間録画などの録画機能の強化も実施。新リアルクロマプロセッサの採用などで、画質の強化も図っている。上位2モデルにはHDMIを2系統装備し、より高音質な音楽再生などにも利用可能とした。Blu-ray 3D対応で、HDMIを2系統装備したBlu-rayプレーヤー上位モデル「DMP-BDT900」も発売される。

新VIERA V2シリーズやG2の37型なども追加G2やS2もラインナップ強化


■ 「2010年は3D産業革命」。TVが7万、DIGAが2万のプラス9万で3D対応
 
デジタルAVCマーケティング本部 西口史郎本部長
 パナソニック デジタルAVCマーケティング本部の西口史郎本部長は、「パナソニックは、テレビの新しい波を予見して、テレビの新しいムーブメントを作りだしてきた。新次元のテレビライフをパナソニックが開いていく」と語り、プラズマで大画面をリード、レコーダにおいてもVHSからDVD、Blu-rayとデファクトスタンダードを作りだし、「録画機市場で最先端を切り開いてきた」と同社の映像事業の歴史をアピール。

 西口氏は、パナソニックの目指す最高のテレビの姿として、「その場にいなくても体験できるような臨場感、没入感を求めてきたが、その答えを見た。フルHDに代わる次のトレンドは映画を見れば一目瞭然だ」と語り、映画「アバター」が公開39日で、興行収入でタイタニックを超え、歴代トップになった事例を紹介。日本においても、300万人の鑑賞者のうち、約8割が3Dで見たというデータを説明し、“次のトレンド”が明確に3Dであることを説明した。

 映画産業においても3D対応が加速し、2009年にアメリカでは4,000スクリーンに、日本では360スクリーンになったことに言及。「2009年は映画の3D元年だった。コンテンツ、映画館、映像機器など3D産業は一気に加速し、3D映画は2009年の19作品から2010年は31作品以上となり、それらは2010年に家庭用ソフトにもなる。2010年は家庭の3D元年である」と説明。PHLにおける3D映像制作支援など同社の持つリソースを活かして、3Dの産業化を積極的に後押しする姿勢を明らかにした。

 

パナソニックがテレビに求めるのは臨場感アバターのヒットにより、3D産業化が加速2010年が家庭の3D元年に

 また、家庭内3Dを実現したブラックボックス技術として、プラズマについては、高発光効率化とネイティブコントラスト500万:1を実現したフル・ブラックパネルを「プラズマ大革命」と表現。さらに、新Uniphierで実現したMPEG-4 MVCデコーダや3Dマルチタップによる3D高画質化は「ブルーレイ大革命」と表現し、新VIERA/DIGAをアピール。これらにより、「その場に引き込まれるような没入感、フルHD 3Dでパナソニックは積年の夢を実現した。1960年の日本におけるカラー放送開始から、ちょうど50年。2010年、ついに家庭のリビングテレビで、3Dを楽しむ時代がやってきた」と語った。

 

3D対応とフル・ブラックパネルで「プラズマ大革命」新Uniphierで「ブルーレイ大革命」2010年をリビング3D元年に
 

 また、Blu-rayだけでなく、放送においてもBS11のサイドバイサイド放送や、スカパー! HDにおける3D放送の今夏開始予定、J:COMの3D VODサービスなど関連産業の広がりを紹介。西口氏は、「2000年代は“デジタル産業革命”と呼ばれていた。2010年代は“3D産業革命”の時代。それをパナソニックがリードしていく」と3Dにかける同社の意気込みをアピールした。

 なお、現在のところ、ソフトウェア会社からはBlu-ray 3Dタイトルを4月23日より前に発売する計画は明らかにされていない。そのため発売キャンペーンとして、「3Dのお試しソフト」を同梱予定で、映画アストロボーイや、グランドキャニオン(自然風景)、ファニーフレンズ(日常風景)など、11本/約20分のコンテンツを収録する。会場に設けられたデモルームでも、これらのタイトルや映画アバターなどを、54型の「TH-P50VT2」で視聴するデモも行なわれた。また、「新しいCMも製作中」とのことで、今後発売に向けてプロモーション施策も明らかにしていく予定。

 

放送の3D対応など、多くの業界を巻き込んで3D産業化へ約20分のおためしBlu-ray 3Dディスクを配布予定
 

 3D対応のための価格アップについて西口氏は、「テレビで7万円、BDで2万円であわせて9万円」とする。その狙いは「2010年代に“3D産業革命”を起こしたいという意気込みで、できるだけ安い設定で、3Dの世界を創造していきたい、と考えこの価格とした」という。3Dのビデオカメラの製品化についても、「こどもの成長記録なども3Dを撮って残せるように、なるべく早い時期にお届けし、さらに3Dの世界を広げていきたい」と語った。

 サイズ戦略については、「まずは大画面ということで、50/54型の2機種とした。今後は上下展開もしていきたいと考えている」と説明。液晶での3D対応については、「中小型が液晶になるが、コンテンツやメディアの広がりを受けて、後々の展開は考えている」とした。

 2D-3Dの変換機能については、「研究開発は進めている。ただし、今回は本物の3Dを体験いただきたいと考え、Blu-rayからのフルHD 3Dにこだわって製品化した。今後は増えるかもしれないが、まずは2眼のカメラで撮った本物の没入感ある3Dをまず体験してもらいたいという思いがある(パナソニック AVCネットワークス社 PDPテレビBU 上原宏敏BU長)」という。


(2010年 2月 9日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]