OVA「機動戦士ガンダムUC」特別上映がスタート

-初日舞台挨拶。ユニコーン座に栗山千明星誕生


2月20日プレミア上映開始

BD版第1巻のジャケット 初回版はスリーブ仕様
(c)創通・サンライズ
 3月12日からBlu-ray(BCXA-0223/5,040円)、DVD(BCBA-3772/3,990円)の一般発売が開始されるOVA「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」第1巻。その発売に先駆け、第1話「ユニコーンの日」を全国大都市の映画館で上映するプレミアレビューが2月20日よりスタートした。

 東京や名古屋、大阪、札幌、福岡で3月5日まで、千葉、六本木、埼玉で2月27日~3月12日まで、各2週間限定で実施されるもの。BD/DVD発売より一足先に作品の世界に触れられるほか、各劇場では鑑賞者を対象に、BD第1巻の先行販売も先着1万人限定で実施されている。なお、上映館の詳細は公式サイトに掲載されている。


BD版第1巻のジャケット
(c)創通・サンライズ
 また、同日からHD画質で本編の配信も開始。PlayStation Storeで実施している映像配信サービスにおいて、ダウンロードレンタル方式で提供されている

 そんなプレミアレビューの初日となる20日、東京・新宿ピカデリーにおいて舞台挨拶が行なわれ、古橋一浩監督、ストーリー担当の福井晴敏さん、音楽担当の澤野弘之さん、主人公バナージ役の声優・内山昂輝さん、ヒロイン・オードリー役の藤村歩さんが登壇。さらに、サプライズゲストとして主題歌を歌うCHiAKi KURiYAMA(栗山千明)さんも駆けつけた。

 作品の詳しい内容は既報の通り。「亡国のイージス」などで知られる作家の福井晴敏さんが手掛けた小説を原作としており、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」から3年後の世界を描く、ファン待望の「宇宙世紀」新章。 OVAは全6巻構成の予定だ。 



■ サプライズ続きの舞台挨拶

 舞台挨拶は上映後に行なわれ、大きな拍手と共に古橋監督、福井さん、澤野さん、声優の2人が登場した。

左からバナージ役の声優・内山昂輝さん、ヒロイン・オードリー役の藤村歩さん、古橋一浩監督、福井晴敏さん、音楽担当の澤野弘之さん
 19歳と若い内山さんは、世代的にあまりガンダムを知らずに育ったという。「バナージ役が決まったと言われても、まさか自分がガンダムに関わると思っていなかったので実感が沸かず、“どうしたものやら”という状態」だったという。しかし、「そこから色々と調べて、アムロやシャアが活躍した宇宙世紀の新作と知って“いよいよ大変な事になった”と、改めて緊張してきました」と心境を語る。

 「アフレコはとにかく無我夢中で、ガンダムの世界、ユニコーンの世界に入り込んでいた感じでした。今はもう、この作品に関われる事が、本当に心の底からうれしいです」と喜びを語った。


舞台挨拶は東京・新宿ピカデリーで行なわれた
多くのガンダムファンが詰めかけた
 藤村さんも「名前は知っていたけれど、内容とか詳しい話は知らなかった」という状態だったが、作品に参加する事になり、劇場版三部作を鑑賞。「最初は作品を演じるにあたってという意気込みで観ていたのですが、すぐに作品に引き込まれて、一視聴者になっていて、こんなに素晴らしい作品なんだと知りました」という。

 そんなガンダムシリーズの新作でヒロインを演じることについては、「凄いことなんだとわかっているのですが、どういう世界に巻き込まれていくんだろうという気持ち。今、この場に立っていることも戸惑っています」と、大きなプレッシャーを口にした。

 しかし、「今日も朝早くから(劇場に)行列ができていたと聞き、長い歴史があって、沢山の人に愛されているんだなと感じました。これからオードリーという役を魅力的にしていかなければならないなとヒシヒシと感じています。オードリーはバナージを引き付ける求心力、カリスマ性を持っている子だと思うので、そういうものが滲み出るように演じていけたらなと思います」と、力強く意気込みを語った。


主人公のバナージ
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ヒロインのオードリー
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2人の今後の展開にも注目だ
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謎多きモビルスーツ、ユニコーン
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MSリゼル
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MSクシャトリヤ
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 原作小説を手掛けた福井さんは、「(ガンダムは)本当に熱いファンがいるコンテンツなので、やる事に対するプレッシャーは当然ありました」と振り返る。

 しかし「最初に思いついてから5、6年たっていますが、(アニメ化も含めて)“やろう”と言ったのは俺だったりするので、これまで“これ売れまっせー”と甘言を弄して(笑)皆さんを誘導してきて、今日、こんなに沢山の皆さんに来ていただき、Blu-rayの出足も好調と聞いて、一安心しているところです」と笑顔を見せた。

 古橋監督は作品のテーマについて、「全編を通じて“父と子”というテーマを幾重にも重ねていきます。私も父親の世代になり、新人と仕事をする事も多くなる中で、ニュータイプを“親と子”になぞらえながら、血のつながりや、それ以外のキャラクターでも“父性”を描くことで、ニュータイプは“次世代に繋いでいくもの”というメッセージを感じて欲しいです。ニュータイプそのものは語りつくされていますが、そこにどうやって“生きていく実感”を付加するかが、今回の一番重要なポイントだと考えています」と語った。

監督に花束を渡す栗山千明さん
ユニコーン座の星にCHiAKi KURiYAMAと名付けらた
 そんな監督に花束を渡すために登場したのは、作品の主題歌「流星のナミダ」を歌い、女優としても活躍している栗山千明さん。アーティスト活動をする際の名義はCHiAKi KURiYAMAで、今回の「流星のナミダ」がデビュー曲になるという。

 CHiAKi KURiYAMAさんは、ヒロイン・オードリーをイメージしたというパープルを基調とした衣装で登場。デビュー曲がガンダムの主題歌になった事について、「小さい頃に兄とガンダム見て育ったので、思い出の作品にこういう形で関われるのはビックリ。その分、うれしさも倍増しています」と喜びを語った。シングル「流星のナミダ」は2月24日発売で、DVD付の初回限定盤と通常版に加え、ガンダムUC仕様のBOXやポスタージャケットが封入された「ガンダム盤」もラインナップしている。

 ステージでは監督から、花束のお返しとして、サプライズプレゼント。ユニコーン座(いっかくじゅう座)の星に”CHiAKi KURiYAMA”と名前をつけたという。NASAから宇宙研究プロジェクトの依頼も受けるオーストラリアのスプリングブルック天文台が行なう星の命名事業を利用したもので、天文台公認の星登録証明書が手渡された。

 思わぬプレゼントに栗山さんは「こんな事ができるんですね!!」と大喜び。すると、福井さんが星座の図を見ながら「まかりまちがって宇宙人がいた場合は、“栗山星人”と呼ぶことになりますよ」と指摘し、場内は笑いに包まれた。


「流星のナミダ」の初回限定盤ジャケットガンダム盤も用意されている今回CHiAKi KURiYAMAと名づけられた星の位置

劇場には、鑑賞後に先行販売のBlu-rayを購入する人で長い列ができていた
 福井さんは「(第1話に対する)今までの皆さんの反応を見せていただき、いちおう合格点を頂いたと思っています。あと5回、これをやると思っただけで眩暈を感じていますが、なんとか監督達と共にやっていきたいと思います」と意気込みを語り、「第2巻は秋頃にお届けできると思います。フル・フロンタルも出てきますよ」と気になる情報も付け加えた。

 最後に古橋監督は「映画として作ったものではないので心苦しい部分もあるが、こんなに大きなスクリーンで上映していただき、そしてお客さんにも集まっていただき、感謝の極みです。今後ともよろしくお願いします」と頭を下げ、大きな拍手を浴びた。



(2010年 2月 22日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]