ソニーと東芝、半導体製造設備譲渡で正式契約

-ソニーはCMOSイメージセンサーを強化へ


ソニーセミコンダクタ九州 長崎テクノロジーセンター

 ソニーと東芝、ソニーセミコンダクタ九州(SCK)は28日、2010年12月24日に両社間で締結した基本合意書に基づき、東芝からSCKへの半導体製造設備譲渡につき、正式契約を締結した。

 東芝からSCKに譲渡されるのは、東芝とソニー、SCEの合弁で設立した長崎セミコンダクターマニュファクチャリング(NSM)がSCK長崎テクノロジーセンター内で操業する半導体設備で、「Cell Broadband Engine」(Cell)などの半導体製造を行なっていた。譲渡金額は530億円で、4月1日付で譲渡が行なわれる予定。ソニーは、一部をデジタルカメラなどのCMOSセンサーの生産ラインに割り当てる予定だが、Cellの製造も継続され、東芝への供給も行なわれる。

 ソニーは、SCKの設備取得により、需要の旺盛なCMOSイメージセンサーの生産能力を増強し、事業拡大を図る。なお、今回の譲渡金額である530億円は、ソニーが2010年12月27日に発表したCMOSイメージセンサーに関する約1,000億円の投資に含まれる。

 東芝は、今回の製造設備譲渡によりシステムLSI事業のアセットライト化を図るとともに、大分工場に経営資源を集中し、生産性とコスト競争力を高める。



(2011年 2月 28日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]