YouTube、200万円支援などのクリエイター育成プログラム

-「YouTube NextUp」。国内で10組を選出


YouTube NextUpのページ

 YouTubeは、動画配信などのクリエイター支援プログラム「YouTube NextUp」を6月24日より開始した。

 このプログラムは、YouTubeにおける新しいクリエイター育成を目的としたもので、入賞者には200万円の支援金が贈られるほか、YouTubeのパートナーとして活躍する人気クリエイターによるトレーニングキャンプに参加でき、世界のクリエイターたちと交流することなども可能。

 動画の応募は6月24日より受付け、締め切りは7月18日。7月25日~8月8日にコミュニティによる一般投票を実施。数回の審査を経て、8月22日に10組の入賞者が発表される。クリエイターキャンプは9月に実施予定。

 なお、同様のプログラムは既にアメリカなど海外でも行なわれ、アメリカでは25組のクリエイターがキャンプに参加した。日本のプログラム独自の企画として、入賞者のうち2組は東日本復興支援企画に関連したサイトであるGoogle「未来へのキオク」とYouTube「東日本ビジネス支援サイト」に関連した募集から選出される。

支援金や各種プログラムを実施東日本大震災の支援プログラム関連からも人材を選出する予定アメリカでの実施内容


■ 寿司店勤務から、メイクアップアーティストになる夢を実現

ミシェル・ファンさん

 発表会には、YouTubeのトップ女性クリエイターとして、1,400万人のチャンネル登録数を持つメイクアップアーティスト、ミシェル・ファンさんがゲストとして登場。

 これまでファンさんは、メイクに関するチュートリアル動画などをアップロードし、再生数の合計は4億回以上を誇る。特に、レディ・ガガの人気曲「Poker Face」をイメージしたメイクの紹介動画は人気で、2,870万回以上再生された。2010年2月には、コスメブランドLancome(ランコム)よりスポンサーシップのオファーを受け、同社初の「オンラインスポークスパーソン」に就任。一人の“YouTuber”から、メイクアップアーティストになる夢を実現した。

 メイクアップアーティストとなる前は、寿司店のウエイトレスをしていたというファンさん。「YouTubeは、秘めた才能を持った人に絶好のプラットフォーム。失うものは無い、と思い切ってこのプログラムに飛び込んで、すべてを賭けてここまできた。その気持ちは変わっていない。今思えば大正解の決断だった。無料でお寿司が食べられなくなったことは残念だけれど」と冗談を交えつつ自身の成功を振り返る。

ミシェル・ファンさんのYouTube配信ページ動画配信を通じて、メイクアップアーティストへの夢を実現した

 ファンさんは、YouTubeで動画をアップロードするだけでなく、FacebookやTwitterも活用して、他のユーザーも巻き込む形で展開。YouTubeをハブとして、様々なプラットフォームを利用しているという。

 YouTube コンテンツオペレーションズ&オンラインクリエイター事業部長のトム・ピケット氏は「彼女がここまで視聴者数が多いのは、メイクアップ技術の素晴らしさだけではないと思う。視聴者を巻き込んだ形で、彼女の性格が表れているのも大きな魅力では。こうした“人となり”が、動画を配信しながら表せることも重要な側面だと思う」と述べた。

YouTubeのトム・ピケット氏YouTubeの近況についても紹介。開始から6年間で、全世界の視聴者数は4億5,000万人に達し、ブランドとしての価値も高まったという


(2011年 6月 24日)

[AV Watch編集部 中林暁]