プレイバック2025
年末年始は「友人と映画鑑賞!からの打ち上げ!!」がおすすめですゾ by樋口真嗣
2025年12月30日 10:00
長生きをしていると呑みに行きたくなる街というのと時々出逢いまして、またそういう街に限って再開発の大波にさらされてお気に入りのお店も最大の魅力である古い街並みごと根こそぎスクラップアンドビルドされて没個性なつまらん街になり変わるわけですよ。
そんなさすらいの酔っ払い人生、別れもあれば新たな出会いもあるワケで、それまで滅多に使うことのない路線の一度たりとも降りたことのない街で最高の個人店と出会ったりするワケですよ。
そういう店を足がかりに二軒目いくならどこがいい? とか聞いて行った店がまた控えめに言って最高で見知らぬ町がどんどん馴染みの街になっていくワケです。勝手な思い込みですが。
そんな街で知り合って仲良くなった酔っ払いの家に数名集まって、プライベート上映会をやろうってことになりました(もちろん著作権を侵害しないカタチで!)。どうせやるならプロジェクターとかサウンドバーとか充実させようとエスカレートします。
あくまでも内内のクローズドな部屋呑みの延長上ですが、どこまでブーストできるかという実験にもなります。
演目はありがたくも拙作『新幹線大爆破』。
持ち込み機材は事務所ではやったことのないミニマムな組み合わせ。
恒久的なセットアップではなく、突発的なイベントでどこまでハイスペックに持っていけるか? そんな実験でもあります。
半分飲食しつつのパーティみたいなもんですから配線やらなんやらにつまずいて大惨事、も避けなければなりません。
極力シンプルに、でも可能な限りドカンといきたい!
そんな要望を叶えるセットアップはApple TV 4Kで最高スペックの配信受信体制を整えて4KプロジェクターとサウンドバーにHDMIケーブルで分配となりますが、どちらもここ数年で恐竜的進化を遂げています。
用意したサウンドバーは、ゼンハイザーの「AMBEO Soundbar MAX」!
ゼンハイザーといえば撮影現場で録音部から送られてくる録音データを傍受してセリフを確認するためのモニタリングヘッドフォン「HD25」シリーズを監督始めてから20年以上ずっと使ってます。現場では欠かせないアイテムの一つです。
そんなゼンハイザーが世に問う究極のサウンドバー。本気すぎます。
内蔵された13個のスピーカーによってスーパーウーファーなしの1台で5.1.4chを最大出力500ワットで鳴らします。その分本体も恐竜並みの横幅126センチの重量18.5キロ。すげえ音を鳴らしますがホイホイ持ち運ぶには覚悟が要りますな。
そしてドルビービジョン対応の4KプロジェクターはREGZAの「V7R MAX」。
その先進的な設計思想と群を抜いた高画質で、かつて10年以上我が事務所の主力モニターに君臨していたREGZAも東芝から離れ、今では中国のハイセンスグループ傘下。
開発に携わった中村修二博士が後にノーベル物理学賞を取った日亜化学工業製のRGB3色レーザー光源で投写されるイメージは6畳間で最大120インチ、8畳なら最大150インチまで引っ張れて、ジンバル式の架台で映像のゆがみやピント合わせも自動でやってくれるので部屋から部屋へ持ち歩いても設置のストレスはナッシング。
そして日曜の昼下がり、数名でこっそりと集まって非公式ウォッチパーティを開催しました。
会場へ早めに行って椅子を並べて機材をセッティングしているとなんだか文化祭の前日のような高揚感に包まれます。
プロジェクターはスイッチオンで自動的に距離や歪みを補正してくれるんだけど、もう少し良くなるんじゃないかって悪い虫が疼いてマニュアルで歪みや色調を追い込みます。たとえ自己満足だったとしてもこういう偏屈者にも対応しているのが変わらずREGZAらしくて良いですねえ。
サウンドバーもリモコン長押しでキャリブレーションを取ってセットアップとあっけないぐらい簡単です。
そしてそこから放たれる音は流石業界最大級のサイズ感由来の太っとい音圧です。これでも充分だけどもっと低い音が欲しくなるのも人情。調べてみたらそんな低音狂の皆さんのために別売りのスーパーウーファーAMBEO SubはBluetooth接続で最大四台まで増設可能です。沼ですな。
で、上映したワケですが結論から言うと、すっげー楽しかったですよ、もう!
当然のことですが1人で見るより友人と見る方が盛り上がりますし、やはり映画は映写して観るもんだし、映画が終わった時そこにいるのが全員知り合い、そのまま打ち上げという名の宴会という流れっていうのがちょっと良かったので、大掃除が終わった後のおウチや友人の家に押しかけて機材持ち込んで……これからの年末年始におすすめです。




