beyerdynamic、新オープンヘッドフォン「T 90」

-デザイン/音を変更できる「CUSTOM」。ティアック新製品


beyerdynamic T 90

 AV機器専門店フジヤエービックが主催する「春のヘッドホン祭 2012」が5月12日に開催された。会場は東京 青山の「スタジアムプレイス青山」。

 各社が新製品を発表したほか、多数の最新モデルが視聴できることもあり、多くのヘッドフォンファンが来場した。ここでは、beyerdynamicの新オープン型ヘッドフォン「T 90」や、セルフカスタマイズヘッドフォン「CUSTOM STYLE」などを初披露したティアックの展示をレポートする。



■ beyerdynamicのオープン最上位機「T 90」

beyerdynamic T 90

 beyerdynamic製品として、オープン型の「T 90」を発表した。国内での発売は今秋を予定しており、価格は5~6万円前後の見込み。

 同社のT1などと同様に、ドライバ部に1テスラ(=10,000ガウス)を越える強力な磁束密度を生み出すテスラテクノロジーを用いた、小型トランスデューサーを採用。シンプルな構造とともに、オープン型ならではの高解像度かつ広がりあるサウンドを提供するとしている。

 再生周波数帯域は5Hz~40kHz、出力音圧レベルは最大102dB 1mW/500Hz(125dB 200mW/500Hz)で、能率の良さが特徴。歪率は0.05%以下。インピーダンスは250Ω。側圧は2.8N。ケーブルは両出しで、ケーブル長は3m。本体重量は350g。キャリングケースやステレオ標準変換プラグが付属する。

 beyerdynamicの製品は、海外では密閉型「DT770」の人気が高いが、日本においてはオープン型の「DT990」が人気という。そのため、オープン型でテスラドライバー搭載の「T90」に期待しているという。


T 90
テスラドライバーの構造スペックテスラハイエンドヘッドフォンラインナップ

■ 着せ替え可能でオープン/密閉切り替えできる「CUSTOM STYLE」

beyerdynamic CUSTOM STYLE

 beyerdynamicのユニークな提案が、ハウジング部のデザインやヘッドバンドのカラーを変更したり、オープン型/セミオープン型/密閉型を切り替えられる「CUSTOM STYLE」。今秋発売予定で、価格は2万円前後。

 「世界初のセルフ・カスタマイズ・ヘッドフォン」を謳い、ヘッドバンドやハウジング部のカラーやパネルを変更できる。同社の770PROドライバをベースに、新設計したドライバを採用。インピーダンスは16Ωで、ポータブルオーディオやスマートフォンでも容易にドライブできるとする。


CUSTOM STYLEパネル部を変更できる世界初のセルフ・カスタマイズ・ヘッドフォン

 また、音質を変更(カスタマイズ)できることも特徴。ハウジング背面のつまみを操作することで、開放型、セミオープン、密閉型と切り替えられる。オープン型にすれば低音は最も豊かになるが音漏れも発生、密閉型にすれば音漏れは少なくなるが、低域は少なくなる。使用シーンに合わせて、好みの音質が楽しめる点を訴求していくという。

ハウジング部のつまみで、音質を変更できる。フルオープン時にはもっとも低音がよく出るが、音漏れも発生するセミオープンは2段階
密閉型では低音は薄くなる音質変更時の操作イメージ音質変化について

 また、約10年前から海外で発売しているbeyerdynamicの密閉型モニターヘッドフォン「DT 100」を今秋に日本発売予定。価格は2万円以下の見込み。アビーロード・スタジオなど欧州のスタジオで多く利用されており、日本でも家庭向けとプロフェッショナル向けの双方で販売していく予定。

DT 100ビートルズ「Sgt Peppers Lonely Hearts Club Band」ジャケットのリンゴ・スターコスプレでDT100を装着

■ PCオーディオ「Reference 501シリーズ」

Reference 501シリーズ

 ティアックは小型オーディオシステム「Referenceシリーズ」の上位展開として、「Reference 501シリーズ」を参考出展。USB DAC「UD-501」、ヘッドフォンアンプ「HA-501」、CDプレーヤー「PD-501HR」、プリメインアンプ「AU-501」の展開を予定している。秋に発売予定で、価格は未定だが、各10万円以下程度の見込み。

 搭載するデバイスや仕様などはまだ未確定とのことだが、PCオーディオを強化するシリーズとして展開予定。カラーもシルバーとブラックの2色を計画。型番も変更となる可能性があるという。


ヘッドフォンアンプ「HA-501」(上)、USB DAC「UD-501」(下)CDプレーヤー「PD-501HR」(上)、プリメインアンプ「AU-501」(下)

■ KOSSはPORTA PROのiPhone対応版など

Porta Pro KTCリモコンを追加

 KOSSブランドの新製品は、オープン型「Porta Pro」のiPhone対応版「Porta Pro KTC」など4製品を参考展示した。いずれも6~7月の発売を予定している。

 「Porta Pro KTC」は、従来のPorta ProにiPhone対応のマイク付きリモコンを追加したモデル。価格は8,000円前後の見込み。再生周波数帯域は15Hz~20kHz、感度は101dB/SPL、インピーダンスは60Ω。ケーブル長は1.2m。

 「PRODJ200」は、既発売のPRODJ100にiPhone用リモコンを追加。価格は約13,000円前後。密閉型のDJ用ヘッドフォンで、周波数特性は10Hz~25kHz、感度は99dB/SPL、インピーダンスは36Ω。

 カナル型イヤフォンの新モデルとして、「KEB30」と「RUK20」も発表。KEB30は3色、RUK20は4色のカラーバリエーションを用意し、価格はKEB30が3,000円前後、RUK20が2,000円前後の見込み。

PRODJ200KEB30RUK20

(2012年 5月 12日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]