パナソニック、新開発パネルの液晶VIERA最上位「WT5」

-55/47型。バックライト光漏れ低減。3チューナ搭載


55型と47型をラインナップ。リモコン部分は拡大。下のリモコンが「ビエラ タッチパッド リモコン」

 パナソニックは、液晶テレビ・VIERAシリーズのハイエンドモデルとして、WT5シリーズ2機種を6月下旬に発売する。価格はどちらもオープンプライス。店頭予想価格は、55型「TH-L55WT5」が47万円前後、47型「TH-L47WT5」が35万円前後。


液晶分子の新制御技術も投入し、バックライトの光漏れを抑えた

 どちらも、新開発の4倍速駆動対応IPSαパネルを採用。解像度は1,920×1,080ドット。液晶分子の新制御技術も投入し、バックライトの光漏れを抑え、「従来よりも、さらに引き締まった黒を表現することが可能になった」という。また、位相差板も搭載したパネルを使うことで、広い視野角を実現したとしている。

 さらに、導光板を使った「8相バックライトエリア制御」も採用。4倍速駆動と合わせ、フルHD動画解像スピード800pps(画素/秒)を実現。残像感を抑えた鮮明な表示ができるという。


画面の上ラインから下ラインへ映像データをスキャンする時間を、3D表示時に3倍高速化

 3D表示にも対応。画面の上ラインから下ラインへ映像データをスキャンする時間を、3D表示時に3倍高速化(約1.4msec/DT3シリーズの2Dモード時比較)する事で、クリアな3D表示を行なうという新開発の「新APD駆動技術」も採用。液晶が応答完了するまでの時間を早め、3Dメガネの開放時間を長くすることで、二重像が少なくクリアで、明るい3D表示を可能にするという。

 2D映像の3D変換機能も備え、奥行き感は強・中・弱から選択可能。Blu-ray 3Dソフト再生時に奥行きを調整する「3D奥行きコントローラー」や、24コマ/秒で撮影・収録された3D映画ソフトを再生時、自動的に中間フレームを生成する「3Dシネマスムーサー」、サイドバイサイドやトップアンドボトムの3D映像を自動で判別して3D表示する「3D方式自動認識機能」も備えている。

 3Dメガネは別売で、既発売の「TY-ER3D4シリーズ」を使用。フルHD 3Dグラス・イニシアチブ規格に準拠した、Bluetoothを使ったアクティブシャッター方式を採用。充電式で、電池残量をVIERAの画面上に表示させる事もできる。

 1フィールドごとに検出した映像シーンの特徴に応じてLEDバックライト光量を制御する「コントラストAI機能」も搭載。前述のLEDバックライトエリア駆動と組み合わせ、ダイナミックコントラストは500万:1相当になっている。

 他にも、各シーンの映像情報をもとに、色、階調、周波数補正処理を行なうことで、色あたりを抑えながら、クリアで色調豊かな映像を表示するという「カラースムーサー」、ネット上にあるフレームレートが低いコンテンツをなめらかに表示するという「ネットコンテンツスムース機能」も利用可能。HDMIから入力するデジタルカメラやビデオカメラの静止画/動画を、あざやかで深みのある色合いで表示する自動調整機能も備えている(「プロ写真」オン時有効)。レコーダのDIGAと接続した場合は、しっとりとした画質へ自動調整。DIGAからEPGなどを表示する場合は、輪郭や色調を補正することにより文字などを見やすく表示する。


 



■スマートフォンとの連携も

 チューナは地上/BS/110度CSデジタルを各3系統搭載し、別売のUSB HDDへの録画に対応。録画番組のシーンの切り替わりを自動的に検出し、自動的にチャプタを作成する「オートチャプター」にも対応。録画した番組は、DLNA/DTCP-IPを使ったネットワークダビングに対応したブルーレイDIGAなどにダビングできる。録画時は「標準モード」 と「長時間モード」が選択可能。

 番組表はG-GUIDEで、3/5/7/9/11/15/19チャンネルの表示が選択可能な「ワイドインテリジェント番組表」。1カ月先までの注目番組を写真付きでチェックできる「注目番組」機能や、ジャンル検索機能、音声読み上げ機能などを装備。裏番組の一覧表示機能やPinP表示機能も備えている。

 特徴は各機器との連携。同社のブルーレイDIGAなどの対応製品との無線LAN連携が強化されており、リモコンに「ディーガ操作」ボタンも新設。今まで以上にDIGAとの連携を想定している。

 Ethernetのほか、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANを搭載。無線ルータが無い環境でも、対応のDIGAに無線接続できる。DLNA/DTCP-IPサーバー機能の「お部屋ジャンプリンクサーバー(DLNAサーバー)」機能も搭載し、VIERAで受信したデジタル放送やUSB HDDに録画した番組、SDカードやUSBメモリに保存した写真やビデオ映像を無線LAN経由で、お部屋ジャンプリンク対応のテレビやレコーダ、スマートフォンなどに転送し、家中のいろいろな場所で楽しめる。

 対応クライアントは、お部屋ジャンプリンク対応「VIERA」など。スマートフォンはパナソニック製のDTCP-IP対応端末で、ドコモのP-02D、P-04D、P-05D、ソフトバンクの101P、102Pが5月29日現在対応している。クライアント側がVIERAの'12年モデルの場合、お部屋ジャンプリンク再生時でもチャプタスキップやレジューム再生もできる。

 スマートフォン向けのアプリとして「ビエラリモート 2.0」を無償提供。Androidスマートフォン版とiOS版が用意される。ビエラリモート 2.0は、携帯電話やスマートフォン内の写真や動画をVIERAに直接出力できるほか、リモコン機能などを備えたアプリとなる。

 スマートフォンでは、JPEGのほか、MPO形式の3D写真もVIERAで視聴できる。動画はMP4に対応。また、Android版のビエラリモート 2.0では、AACとWAVの音楽ファイルも無線LAN経由でVIERAに出力し、VIERAのスピーカーで音楽を楽しめる。スマートフォンで見ているWebページをVIERAに転送して表示する事も可能。

 ネットワークサービスの「ビエラ・コネクト」にも対応。民放キー局5社が中心となって展開しているVODサービス「もっとTV」にも対応。好きなアプリを探し、機能拡張ができる「ビエラ・コネクト」にも対応。生活情報やゲームなど、様々なアプリが用意されており、スマートフォンをゲームアプリのコントローラーとして使うこともできる。

 リモコンはカラーユニバーサルデザイン。簡単操作を可能にする「ビエラ タッチパッド リモコン」も同梱。タッチパッドを備えたリモコンで、Webコンテンツ視聴時などに、カーソル操作をリモコンのタッチパッドから行なえる。

 



■音声面など、その他

 スピーカーは2.1ch。8連のユニットと7.5cmウーファで構成している。最大出力は総合18Wで2機種共通。「バーチャル3DサラウンドシステムIII」を搭載。高音域の再現性を高めることで、広いエリアに向け、広がりのあるバーチャルサラウンドを左右2chのスピーカーだけで再現するという。さらに、スピーカーをテレビの下に設置していても、大を画面中央から聴こえているように感じさせる「音像アップ」技術も採用している。、

 入出力端子は2機種共通。HDMI入力は4系統。設定した時刻になると電源をオフする前に徐々に画面輝度と音量を落としていく「新オフタイマー」、電力減モードを、「小」、「中」、「大」から選択する「エコ視聴」機能も備えており、例えばradiko.jpアプリでラジオを聞く場合は、画面を消して音声だけを楽しむ、といった使い方も可能。

 本体はフレーム幅約9.8mm、奥行き約27mmのスリムデザインを採用。スタイリッシュな三日月型ペデスタルも採用。素材には、質感にこだわったヘアライン仕上げのメタル素材を使っている。

品番TH-L55WT5TH-L47WT5
サイズ55型47型
解像度1,920×1,080ドット
消費電力
(待機時消費電力)
134W
(約0.1W)
113W
(約0.1W)
年間消費電力量115kWh/年102kWh/年
スピーカー8連スピーカーユニット×2
7.5cm径ウーファ×1
音声最大出力総合18W
入力端子HDMI×4、D4×1(音声はビデオ入力1と兼用)、
コンポジット×2、アナログ音声×2
出力端子光デジタル音声×1、
アナログ音声×1(ビデオ入力2と兼用)
ヘッドフォン×1/td>
その他の端子Ethernet、USB×3
外形寸法
(スタンド含む
幅×奥行き×高さ)
123.6×33.5×80.4cm106.6×33.5×70.8cm
重量
(スタンド含む)
約19.5kg約15.5kg

(2012年 5月 29日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]