東芝、84型など4K TVを'13年春発売。クラウド+4Kで革新

「REGZA Z7は最高のエンターテインメントマシン」


 東芝は27日、REGZA新モデル「Z7/J7シリーズ」の発表会を開催。その中で84型など4K/3,840×2,160ドットの液晶テレビ3モデルを2013年春に発売することを明らかにした。

 4Kテレビは、2013年春に84型と、60型台、50型台の3モデルを展開。クラウドサービス「TimeOn」との連携機能を装備し、グローバル市場に投入。国内モデルではいずれもタイムシフトマシンを搭載する。第2世代4Kテレビとして積極展開し、価格は未定だが、「第2世代として高画質など価値にふさわしい価格にしたい」とした。


84型4Kテレビ55型の「55XS5」4Kテレビを3モデル展開
第二世代4Kテレビの開発コンセプト

 第2世代4Kテレビでは、新開発の映像エンジン「レグザエンジンCEVO 4K」を搭載。4K超解像処理に加え、4K微細テクスチャー復元によるや精細度の向上、4K輝き復元による“輝き”感の向上などにより、4K映像の美しさを際立たせるとする。

 これにより、4K REGZAに入力したフルHD映像をより4Kに高精細にアップコンバートし、「映画をより高画質に楽しめる」とする。また、2013年にはパソコンのdynabookも4K出力に対応予定で、4Kのゲームや写真、Webブラウズなどで大画面の魅力を楽しめるとする。

 Z7シリーズ相当のタイムシフトマシン機能やクラウドサービス「TimeOn」との連携機能、ざんまいプレイなども搭載予定。東芝 執行役専務 デジタルプロダクツ&サービス社の深串方彦社長は、「4Kは重要戦略の一つ」とし、3モデルの投入やレグザエンジンCEVOの概要、dynabookとの連携などを紹介。クラウドサービスとともに4Kを推進する方針を示した。

レグザエンジンCEVOを開発精細感や輝きも復元dynabookも4K出力対応に
レグザエンジンCEVO 4KでダークナイトのBDをアップコンバート。左が4K、右がフルHD(REGZA A2)
55Z7

 新REGZA「REGZA Z7/J7」シリーズは、クラウドサービス「TimeOn」と連携。タイムシフトマシン対応の「Zシリーズ」3モデル、「J7シリーズ」4モデルを10月下旬より順次発売する。

 上位シリーズのZ7は42/47/55型の3モデルをラインナップ。6番組地デジ同時録画のタイムシフトマシンをネットワーク連携により進化。番組内の“見たいシーン”だけを検索して、再生できる「みどころシーン再生」など、多くの機能を追加した。録画番組からおすすめを紹介する「ざんまいプレイ」も搭載。「スリムミニマルデザインを極限まで追求した」というデザインも特徴で、ヤコブ・イェンセンがデザインを監修している。Zシリーズの詳細は別記事で紹介している。

 J7は32/40/50/65型の4モデルをラインナップ。タイムシフトマシンは備えていないが、クラウド連携による「みどころシーン再生」やタブレット連携機能などを搭載する。Jシリーズの詳細は別記事で紹介している。

55Z7シリーズZ7/J7シリーズ7モデル
型番サイズ特徴店頭予想価格
55Z755型タイムシフトマシン(HDD別)
USB HDD録画
おまかせ録画(後日対応)
ざんまいプレイ
みどころシーン再生
37万円前後
47Z747型27万円前後
42Z742型18万円前後
65J765型USB HDD録画
おまかせ録画(後日対応)
ざんまいプレイ
みどころシーン再生
37万円前後
50J750型23万円前後
40J740型11万円前後
32J732型75,000円前後

■ Z7は最高のエンターテインメントマシン。アプリが並ぶのがスマートTV?

東芝デジタルプロダクツ&サービス社 深串方彦社長

 東芝 執行役専務 デジタルプロダクツ&サービス社の深串方彦社長は、「クラウドサービスと連携し、全く新たなテレビの楽しみ方を提案する。最高のエンターテインメントマシン」と切り出し、REGZA Z7/J7シリーズを紹介。

 クラウドサービス「TimeOn」については、「スマートフォンのアプリ画面を表示するといった“スマートテレビ”ではない。“テレビの番組をとことん楽しむ”を原点に、新しいアプローチを行なうもの」とし、お気に入りの番組やシーンを簡単にいつでも楽しめる点を訴求。「好みの番組をいつでも楽しめ、自分では気づかなかった面白い番組を発見できる、クラウドサービスが進化することで、テレビも進化する。テレビをもっと楽しめるサービスがTimeOn」とそのコンセプトを説明した。

 好みの番組をリストアップしたり、ざんまいプレイで「他にもこんな番組」を紹介したり、見たいシーンだけを楽しめる「みどころシーン再生」といった機能をビデオで紹介。レグザエンジンCEVOによる高画質なども訴求している。


クラウドサービスTimeOnで差別化TimeOnの主要機能
IT技術活用でテレビに新しい価値PCも4K出力対応

 今後のレグザの進化については、「便利」と「高画質」の両輪で付加価値最大化に取り組むとしており、クラウドサービスと4Kの2つの軸を強化。4Kの高画質とともに、クラウドなどIT技術の活用による新しいテレビに取り組み、「テレビ体験を革新する力強い製品を創りだしていく」と宣言した。

 テレビ事業の収益の見通しについては、「世界の景気などを見ると厳しい環境。年度末までに黒字化という目標だが、なんとか達成したい」とした。ただし、世界市場におけるテレビ出荷台数目標の1,600万台については、「おそらく下回る。1~2割下回る可能性がある。ただ、年末商戦には期待しているので、しっかり取り組んでいく」と説明。4Kの普及時期については、「すでに4K時代は来た。映画は4Kで撮影されており、カメラも4Kになっている。それらを4Kで、最高の画質で見たいという欲求がある。他社の動きもあるが、来年ぐらいには盛り上がるだろう」と語った。


(2012年 9月 27日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]