ニュース

オーテク、空気室を強化したSOLID BASS「CKS77X」

アルミ採用で8,925円。5,040円の「CKS55X」も

左が「ATH-CKS77X」のホワイト、右が「ATH-CKS55X」のブラック

 オーディオテクニカは、低音再生にこだわったSOLID BASSシリーズのカナル型(耳栓型)新モデルとして、「ATH-CKS77X」と「ATH-CKS55X」の2機種を4月18日に発売する。価格は「ATH-CKS77X」が8,925円、「ATH-CKS55X」が5,040円。

 カラーは「ATH-CKS77X」がブラック(BK)、ブラックレッド(BRD)、ホワイト(WH)の3色を用意。「ATH-CKS55X」はブラック(BK)、ブラックレッド(BRD)、ブラックゴールド(BGD)、ホワイト(WH)の4色。

 また、「CKS55X」には、iPod/iPhone/iPad専用モデルとして、マイクとリモコンを備えた「ATH-CKS55Xi」を用意。5月16日発売で、価格は6,300円。カラーバリエーションは通常モデルと同じ。さらに、スマートフォン向けにマイクリモコンを備えた「ATH-CKS55XiS」も同日発売。価格は5,670円。カラーはブラック(BK)とホワイト(WH)のみとなる。

ATH-CKS77Xのカラーバリエーション。ブラックモデル
ブラックレッド
ホワイト
「ATH-CKS55X」のブラック
ブラックレッド
ブラックゴールド
ホワイト

 2機種に共通する特長として、エクストラチャンバーメカニズムを採用。従来モデルのATH-CKS77/CKS55と同様に、ハウジングに空気室を追加する事で、重低音再生を可能にする技術だが、新モデルではそれを進化。従来はハウジングの上部に壁を作り、そこに蓋をするようにして空気室を構成していたが、新モデルではコップのように最初から部屋として形作られたパーツを、ハウジングの上部に結合するような機構になっている。この、密度を高めた大きな音響容積により、「奥行きとキレのある重低音を再生する」としている。

 上位モデルのCKS77Xでは、結合する空気室の素材に、無垢のアルミニウムを切削したものを採用。不要振動を抑制する事で、クリアな音を実現したという。

「ATH-CKS77X」の空気室にはアルミニウムを使用
左は従来モデルのCKS77。空気室の形状が異なるのがわかる

 ユニットは2機種とも、12.5mm径のダイナミック型を採用。CKS77Xでは、精密なプレス加工を行なう事で、マグネットの磁束密度を向上させた専用設計のドライバを使っている。

CKS77X。複雑な筐体形状をしているのがわかる
付属のイヤーピースは、外側と内側のカラーが異なる

 2機種とも、ノズルに取り付けるイヤーピースの位置を、2つから選べる「2ポジションポスト」に対応する。

CKS55X
空気室部分の形状が77Xと異なる
イヤーピースは2色で構成

 再生周波数帯域は、CKS77Xが5Hz~25kHz、CKS55Xが5Hz~24kHz。インピーダンスは16Ω、最大入力は100nWで共通。出力音圧レベルは77Xが106dB/mW、55Xが105dB/mW。ケーブルはY型で、長さは1.2n。着脱はできない。ケーブルを除いた重量は77Xが約7g、55Xが約6g。

 イヤーピースはXS、S、M、Lを同梱。キャリングポーチも同梱する。なお、イヤーピースは630円で単品販売もされる。

マイクリモコン付きモデル

 「CKS55X」にのみ、マイク付きリモコンを備えたモデルを用意。iPod/iPhone/iPad専用モデル「ATH-CKS55Xi」と、スマートフォン向けの「ATH-CKS55XiS」を用意する。「ATH-CKS55Xi」のリモコンは3ボタン式で、音楽・動画の再生/一時停止/曲送り/曲戻し/音量調整などが可能。コンデンサーマイクを備えている。

 「ATH-CKS55XiS」のリモコンはボタン1つで、着信応答/終話、音楽・動画の再生/一時停止操作が可能。ケーブルはどちらのモデルも1.2mのY型。

ATH-CKS55Xiのホワイトモデル
ATH-CKS55XiSのホワイトモデル

音を聴いてみる

試聴の様子

 短時間ではあるが試聴したので、印象をお伝えしたい。 再生にはiBasso Audioのハイレゾプレーヤー「HDP-R10」を使用している。

 まず、従来モデルのCKS77と、新モデルCKS77Xを比べてみると、すぐに低域がパワーアップした事がわかる。バランスとしてより低音寄りにシフトし、SOLID BASSらしい重低音重視のサウンドに進化。また、単純に低音の量が増えたわけではなく、沈み込みもより深くなり、低重心なドッシリとした音作りになった。

 また、低域の“深み”が増している事がわかる。硬く沈み込む音の背後に、その響きが広がる様子が確認でき、立体的な低音描写が可能になった。新しいエクストラチャンバーメカニズムの効果だろう。パワフルなだけでなく、低音の表情もよくわかるようになった。同時に、中高域のクリアさもある程度維持されており、あまりナローだとは感じない。低音のパワフルさ、表情の豊かさを重視するニーズにマッチしそうだ。

 CKS55Xも77Xと同様に、前モデルのCKS55と比べると、低音の響きが豊かになり、立体的な音場が楽しめるようになった。上位モデルのCKS77Xと比べると、低音の張り出しは若干抑えられており、それゆえバランスはニュートラルに近づき、ソースを選ばない優等生な一面も覗かせる。中高域の抜けも良く、クリアさも兼ね備えている。価格や型番的には下位モデルにあたるが、強めの低域が欲しいけれど、汎用性も欲しいというニーズには、CKS55Xの方がマッチするだろう。

(山崎健太郎)