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マランツ、新HDAM回路採用プリメイン「PM-14S1」

独自フォノイコライザも搭載。約25万円

ステレオプリメインアンプ「PM-14S1」

 マランツは、ステレオプリメインアンプ「PM-14S1」を10月中旬に発売する。価格は252,000円。カラーはゴールド。

 プリアンプ部に、HDAM-SA2モジュールを使った、CD専用の入力バッファと、その他のライン入力用バッファを搭載。バッファアンプにより、入力信号を低インピーダンス化する事で、左右チャンネル間や、各入力ソース間の相互干渉を低減。ハイスルーレートなHDAM-SA2、HDAM-SA3を各回路に使うことで、ハイスピードでチャンネルセパレーションに優れた電流帰還型プリアンプを実現したという。

PM-14S1

 また、PM-14S1では、音質チューニングのために、ボリュームアンプ初段のHDAM-SA3の素子として、低歪でSN比に優れた、フェアチャイルド・セミコンダクターのトランジスタを採用している。マランツ音質担当マネージャーの澤田龍一氏によれば、「ディスクリート回路を使っている我々には、パーツの供給が少なくなる事で、HDAMが作れなくなるのではないかという危機感があった。そこで、様々なサプライヤーを検討し、フェアチャイルドのトランジスタを採用する事にした。マランツでも約40年前のアンプに同社のパーツを使っていたが、日本製パーツとも異なる、良い音が得られる」という。

ディスプレイは液晶
HDAM-SA3にフェアチャイルド・セミコンダクターのトランジスタを採用

 MICRO ANALOGSYSTEMSのボリュームコントロールIC「MAS6116」と、HDAM-SA2、HDAM-SA3を使った、ハイスピードな電流帰還型アンプ回路で構成された、デジタル制御の可変ゲインアンプによって、ボリュームを調整する「リニアコントロール・ボリューム」を搭載。アナログボリュームで問題とされる連動誤差を抑え、空間表現力を向上させたという。

 また、F.C.B.S.(Floating Control Bus System)により、最大4台までのPM-14S1のボリュームを連動させる事もでき、複数台のアンプを使ったバイアンプドライブやマルチチャンネルシステムの構築にも対応できる。

 独自のコンスタント・カレント・フィードバック・フォノイコライザも搭載。オープン・ループ時の周波数特性をRIAAカーブとし、CR型のRIAAネットワークを介して帰還をかけることで、負荷帰還を一定にするのが特徴で、低域から高域までキャラクターが変化しないという。

 定格出力は90W×2ch(8Ω)、140W×2ch(4Ω)。出力帯域幅は5Hz~40kHz。パワー部には、上位モデルのPM-11S3と同様に、高い安定度を持つV/Iサーボ方式の電流帰還型パワーアンプを採用。入力回路とDCサーボ回路には、HDAM-SA3を使用。オペアンプを排除したフルディスクリート構成により、ハイスピード化を徹底。位相補償回路のコンデンサには、純銅箔とPPS樹脂を使った高音質フィルムコンデンサ「ブルースターキャップ」を使用。回路方式やパーツクオリティに加え、基板のレイアウト、信号ラインの最短化と平行配置、アースラインにまでこだわった設計になっているという。

純銅箔とPPS樹脂を使った高音質フィルムコンデンサ「ブルースターキャップ」
内部

 電源トランスには1.5mm厚のアルミケースと、ケース内に配したコアリングによる二重シールド構造の大型トロイダルトランスを搭載。巻線には、クラス初となる、11S3と同様のOFCを使っている。ブロックコンデンサには、ニチコン製の専用品を使い、3分割巻構造とした。ブリッジダイオードの容量は従来品の2倍となる20Aに強化。電源インピーダンスを下げ、瞬発力を向上させている。

背面
銅を使った、オリジナルのスピーカー端子「SPKT-100」

 コア部の素材に銅を使った、オリジナルのスピーカー端子「SPKT-100」を使用。コア部には金メッキを施し、経年劣化による音質低下を防いでいる。スピーカー出力は2系統あり、バイワイヤリングやスピーカー切り替えに対応する。CDとPhonoの入力端子には、真鍮削りだしのピンジャックを使用。ディスプレイにはノイズの少ない液晶を使っている。

 入力端子は、アナログアンバランス×5、Phono×1、パワーアンプダイレクト×1。出力は、レックアウト×2、プリアウト×1、ヘッドフォン×1。リモート端子なども備えている。消費電力は220W、待機時消費電力は0.2W。外形寸法は440×457×123mm(幅×奥行き×高さ)、重量は18.5kg。リモコンを同梱する。

(山崎健太郎)