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シャープのテレビ用14型TFT液晶がIEEEマイルストーンに認定

 シャープが1988年に発売した「テレビ用14インチTFT液晶ディスプレイ」が、歴史的な業績を残した製品に与えられる「IEEEマイルストーン」に認定された。10日には、IEEEのハワード・ミッケル次期会長らが来日し、贈呈式が行なわれた。

IEEEのハワード・ミッケル次期会長(左)とシャープ高橋興三社長
テレビ用14インチTFT液晶ディスプレイ

 IEEEマイルストーンは、電気・技術者団体のIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers. Inc)が、地域社会や産業発展に貢献した技術革新を称えるために創設した表彰制度。開発から25年以上経過した製品がその対象となる。シャープの受賞は、2005年の「電卓の先駆的開発」、2010年の「太陽電池の商業化および産業化」に続き3件目で、同一の個人/団体が3件の認定を受けるのはシャープが国内初となる。

 今回認定された「テレビ用14インチTFT液晶ディスプレイ」は、3インチクラスが主流だった1988年に、ブラウン管テレビに匹敵する画面サイズとフルカラーの高画質表示を実現できることを実証。これを契機に、各企業がTFT液晶の技術開発と生産設備への投資を加速させ、1990年代前半には薄型で低消費電力のTFT液晶を採用したカラーノートパソコンの需要が飛躍的に拡大。TFT液晶産業の黎明期を迎えた。その後、パソコン用モニター、液晶テレビ、スマートフォンなど、TFT液晶を採用した製品が次々と創出され、液晶産業は半導体に次ぐ規模のエレクトロニクス産業に発展した。

 贈呈式では、IEEEのハワード・ミッケル次期会長が、「この開発が全てを変えた。社会の利益を追い求めて技術の進歩に勤しんだ多くの技術者たちの努力の賜物であり、長年にわたる技術革新の積み重ねによるもの」とコメント。

 また、シャープ高橋興三社長は、「名誉あるIEEE マイルストーンの認定を頂き、光栄。テレビ用14インチTFT液晶ディスプレイはディスプレイの歴史を変え、液晶産業の発展の礎となる、正にマイルストーンの名に相応しい技術開発。2005年の電卓、2010年の太陽電池と、今回で3件目の認定を頂いた。これは、創業者早川徳次の『人に真似されるものをつくれ』というチャレンジ精神を受け継いで事業を展開してきたことを評価頂いたものと考えている。これからも、お客様一人ひとりに“good life”を提供できるようイノベーションを生み出し、人のため、社会のために貢献できる会社であり続けたい」と述べた。

ホテルグランヴィア大阪で贈呈式を開催

(臼田勤哉)