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初のAndroid TV「Nexus Player」が2月下旬発売。12,800円。各社TVやHuluも

 Googleは29日、Androidを使ったテレビ向けプラットフォーム「Android TV」の説明会を開催。その中で、Android TVを搭載した初の端末「Nexus Player」を2月下旬から日本で発売すると発表した。価格は12,800円で、Google Playのほか、Y! Mobileショップなどのワイモバイル取扱い店舗で購入できる。

Android TVを搭載した初の端末「Nexus Player」

 テレビとHDMI接続して利用できる、Android TV採用の端末。スマートフォンやタブレットのAndroid OSと同様に、アプリ形式で「ビデオマーケット」や、「Hulu」、「ホットペーパービューティー」、「料理サプリ」など、様々なアプリをユーザーが追加できる。VODの映画などが楽しめるほか、生活情報を得たり、ゲームアプリをテレビ画面で楽しむ事も可能。

円形で手のひらサイズ。HDMIでテレビと接続する

 なお、価格は未定だが、Android TV向けのゲームコントローラーも発売予定。Bluetoothでワイヤレス接続するタイプで、ホーム画面に戻るための専用ボタンも搭載する。

Android TV向けのゲームコントローラーも発売予定
ゲームコントローラー
Nexus Playerとのサイズ比較
Nexus Playerのパッケージ

 「Nexus Playerは、1.8GHzのクアッドコア Atomプロセッサを搭載。メモリは1GB、ストレージメモリは8GB。ImaginationのPowerVR Series 6グラフィックスエンジンを搭載。HDMI出力、USB端子を用意し、IEEE 802.11acの無線LANとBluetoothにも対応。筐体は直径120mm、高さ20mmの円形になっている。重量は235g。ACアダプタで動作する。操作は付属のリモコンやスマホなどが利用できる。

 Android TVはAndroidをベースとしたテレビ向けのプラットフォームで、開発者向けにTV APIやTV SDK、UXフレームワークなどが提供されている。ユーザーインターフェイスもAndroidスマートフォンなどとの親和性が高いものを採用しているほか、音声操作にも対応。リモコンに搭載したマイクに向かって話す事で、検索や文字入力が行なえる。

Nexus Playerの付属リモコン。マイクも備えている

 Googleのアカウントを使ってログイン。ホーム画面には、ユーザーにオススメのGoogle Play配信動画、YouTube、アプリのコンテンツなどが表示され、例えばVODでドラマの1話を見ると、その作品の2話目がオススメコンテンツとして表示されるといった事も可能。検索したキーワードにマッチするYouTube動画を表示するだけでなく、関連するHuluの動画を紹介するといった、アプリを横断した機能も備えている。

Nexus PlayerのAndroid TVホーム画面。オススメのアプリやコンテンツが上部に表示される
音声認識機能で「妄想グルメ」と入力すると、YouTubeの動画が表示されるだけでなく、Huluの配信動画から、料理関係のコンテンツをピックアップする

 アプリはGoogle Playからダウンロードできるが、スマートフォン/タブレット向けに、タッチパネル操作を前提として開発されたアプリはAndroid TVでは利用できないため、Android TVでの利用も想定したアプリがダウンロードできるようになるという。

YouTubeの動画を全画面表示したところ
Google Playの映像配信アプリでコンテンツを選んでいるところ
Google Playから他の映像配信サービスのアプリをダウンロードし、利用する事もできる

 説明会では、Huluが新たに開発中という、Android TV対応の日本向け「Hulu」アプリも紹介。テレビで操作しやすいユーザーインターフェイスを採用し、新着、人気、ジャンル、地域などで動画をソートする機能も搭載。テーマに合わせて作品を紹介する特集トレイも備えている。配信動画は720p。Android TVのホーム画面に、Huluに追加された新作コンテンツの情報を表示したり、ホーム画面から作品を検索する事も可能。アプリから新規会員登録も行なえる。

Huluが新たに開発中の、Android TV対応の日本向け「Hulu」アプリ
「Hulu」アプリの利用イメージ
映画「テッド」はHuluにて配信中 (C) 2012 Universal Studios. All Rights Reserved.

 ゲームでは、FINAL FANTASY IIIや、ソウルキャリバーなどがAndroid TV対応アプリとしてデモされた。

発売予定のコントローラーを使い、FINAL FANTASY IIIをプレイしているところ
ソウルキャリバーなどもプレイできる

 Google Castにも対応しており、AndroidやiOS搭載のスマートフォンなどから、コンテンツをNexus Playerを介してテレビに表示する事も可能。

 なお、Nexus Playerの出力解像度はフルHDで、4K出力は現時点ではできない。「テレビの進化に沿って、機能を強化していけるよう検討はしていく」とのこと。

 今回発表されたNexus PlayerはSTBタイプの端末だが、テレビへの内蔵を予定しているメーカーもある。ソニービジュアルプロダクツ(SVP)は、2015年に発売する新製品においてAndroid TVの全面採用。シャープやPhilipsも、Android TV採用テレビの発売をアナウンスしている。

Nexus Playerを使ったAndroid TVのデモ

Android TVでは、テレビ放送がアプリの1つのように扱える

 Google Play アジア太平洋地域統括副社長のクリス・ヤーガ氏は、「スマホやタブレットで皆さんに利用していただいているように、Android TVについても様々なパートナーと組んで、テレビ向けの様々なデバイスの開発が進むことを期待している」と語り、Nexus PlayerのようなSTB型、Android TVを内蔵したスマートテレビ、他の機器からコンテンツなどをストリーミング受信して表示するタイプといった、様々なタイプの製品に広がっていく可能性を説明した。

Android TVのロゴマーク
Google Play アジア太平洋地域統括副社長のクリス・ヤーガ氏
様々なデバイスに広がる可能性があるという

 また、ソニーとシャープ、Philipsが、Android TV内蔵のスマートテレビ開発を表明している事に触れ、「今後も採用メーカーが増加していくと期待している」と展望を語った。

 なお、こうしたAndroid TV内蔵テレビの開発にあたっては、各メーカーがインターフェイスなどの作り込みを行ない、差別化する事が予想される。しかし、ヤーガ氏は、Android TVのインターフェイスは、テレビで使いやすいように開発された優れたもので、「ヘビーなカスタマイズはいらないだろうと考えている」と語り、各メーカーで細部が異なっていても、大幅にUIが変わる可能性は少ない事を示唆。メーカーによるUIカスタマイズの自由度については、「我々が策定した、カスタマイズに関するガイドラインは存在する」と語った。

 Nexus Playerには地上デジタルチューナなど、放送波を受信するチューナは搭載されていないが、Android TV採用のスマートテレビでは、「テレビも1つのアプリのように扱えるというイメージ」だという。

 また、放送とインターネットを連携させた機能については、「色々なOEMメーカーさんがまさに検討している段階。例えば検索結果の表示で、ネット上のコンテンツと、テレビのコンテンツを両方表示するといった事は可能だが、そうした機能をどのような形で提供するかは、これから検討したい」とした。

 Android TV自体のバージョンアップについては、「Android TVは、Android 5.0のフレームワークを利用したプラットフォームであり、AndroidとAndroid TVが完全にシンク(同期)してバージョンアップしていくかどうかは決まっていないが、フレームワークとしては同じものを使っているので、機能的には同様に強化されていく」と説明。ただし、Android TVを採用した各社のテレビが、それに合わせて継続的にアップデートしていくかについては、「その点についてはモバイル機器と同じ」とし、各テレビメーカーに委ねられているとした。

(山崎健太郎)