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オンキヨー、桐素材スピーカーとヘッドフォンを開発。和楽器の響きを再現
(2016/2/5 12:16)
オンキヨーは、桐素材と彫り構造を応用したスピーカーシステムとヘッドフォンを開発した。2016年下半期から同社ブランドでの販売や、OEM生産などの展開を予定している。
「和楽器の心地良い響き」に着目して、その音響技術を、スピーカーやヘッドフォンに応用。琵琶や箏で使用される“桐”素材を採用するほか、音の響きを良くするために楽器本体に施される“彫り”構造を、スピーカーボックスやヘッドフォンカバーで採用する。振動板にはセルロースナノファイバー(CNF)を採用し、自然で豊かな響きを実現するという。
スピーカーでは、スピーカーボックスの材料に桐を採用。木材の中でも軽量かつ音響変換効率に優れているため、心地よい響きを実現できるとする。さらに、側板に「網状鱗彫り」加工を施すことで、特に低音の響きが豊かになる。また、ボックス内部の反射コントロールのため、吸音材に中広域吸音特性に優れたシルクを採用する。
ユニットは、木材を原料とする繊維素材をナノレベルに細かくし、鉄の1/5の質量で5倍の強度を実現したCNFをウーファ振動板に採用。桐のスピーカーボックスの響きを活かすために、和紙の原料となる楮(こうぞ)を加え、音質を調整している。
ヘッドフォンも、ヘッドフォンカバーに桐を採用。内部には、綾杉彫り加工を採用し、美しい響きを実現するという。また、ドライバーはヘッドフォンでは初の100%CNF振動板を採用し、情報量の向上やヌケの良い高域再生に対応する。
オンキヨーは、2016年の創業70周年を迎え、和の文化や価値観、美意識を認識し、「和を追求したスピーカーとヘッドフォンを作りたいと考えた」と開発理由を説明している。