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奥行き37mmでエリア駆動のX9300D、ハイレゾ強化のX9350Dなど、ソニー4K BRAVIA

 ソニーは、4K液晶テレビBRAVIAの新モデルとして、ハイレゾ再生も可能な「X9350D」、エッジ型ながらエリアコントロールができる「Slim Backlight Drive」を搭載した「X9300D」、「X8500D」の3シリーズを5月21日に発売する。サイズはいずれも65型と55型。価格はオープンプライス。店頭予想価格はX9350Dの65型が54万円前後、55型が39万円前後、X9300Dの65型が49万円前後、55型が34万円前後、X8500Dの65型が40万円前後、55型が31万円前後。

左が「X9350D」、右が「X9300D」

3機種共通の特徴と違い

 2016年モデルのラインナップは、「X9400C」75型がハイエンドモデルとして引き続き販売。その下に新モデル「X9350D」、「X9300D」、「X8500D」の各シリーズで65型と55型がラインナップ。それよりも小さなモデルとして、既存のX8500Cの49型、43型、X8000Cの49型は併売となる。

 新機種は、いずれのモデルも3,840×2,160ドットのパネルを採用した4Kテレビ。スカパー! プレミアムサービスで放送されている4K放送が受信できるチューナを1基搭載するほか、地上/BS/110度CSデジタルのダブルチューナも内蔵している。

 また、全モデルでHDR信号に対応。「ひかりTV」の4K HDRコンテンツと、Netflixの4K HDRコンテンツへの対応も予定している。

 超解像エンジンに「4K X-Reality PRO」を搭載。画像処理エンジンは、精細感、色彩、コントラストを大幅に向上させるという「X1」。倍速駆動パネルで、「モーションフロー XR240」を採用している。豊かな色彩を再現する広色域技術「トリルミナスディスプレイ」も採用。X9300Dは「つややかな光の輝きを再現する」という高コントラスト技術「X-tended Dynamic Range PRO」を、X9350Dは「X-tended Dynamic Range」を搭載する。

X9300D
X9350D

 3シリーズの主な違いはバックライトにある。X9350Dはエッジ型の部分駆動に対応し、ハイレゾ再生にも対応した本格的なスピーカーを画面の両脇に搭載。X9300Dは奥行き約37mmの薄型デザインでエッジ型の部分駆動に対応するが、そこに新開発の「Slim Backlight Drive」を投入している。X8500DはLEDバックライトだが部分駆動には非対応。

 また、X9350Dシリーズのみ、オプティコントラストパネルを採用。X9350DとX9300Dは3D表示に対応しているが、X8500Dは非対応となる。

「Slim Backlight Drive」でエッジ型でもエリア駆動「X9300D」

 X9300Dは、約37mmの薄型筐体と、高画質を両立したのが特徴。画質面では新たに開発された「Slim Backlight Drive」を搭載している。これはエッジ型ながら、直下型のように、部分的な明るさのコントロールを可能にしたもの。

X9300D

 画面の横にLEDのバックライトを搭載し、導光板を使って画面を光らせているのは従来のエッジ型と同じだが、Slim Backlight Driveは導光板の構造を工夫。1枚の導光板があるのではなく、2段の階段のように、導光板が前後にズレながら互い違いに配置されている。

 この導光板に、横から光を当てると、特定の導光板エリアで光が屈折して前面に向かって光が出るが、その隣にある導光板エリアは階段のように後ろ側に向かってズレているので光が届かない。これにより、横方向のラインが短冊状に全て光るのではなく、特定のエリアだけを光らせる事が可能になっている。なお、エリアは導光板の分割数となるが、具体的な数や導光板の形状は明らかにされていない。この技術では、液晶の開閉率やスピードも重要になるという。

 このSlim Backlight Driveにより、約3.6cmの薄型筐体でありながら、エリア駆動を用いたコントラストの豊かな高画質表示を実現した。

使用イメージ
約3.6cmの薄型筐体

 さらに薄型筐体をスタイリッシュに設置するため、壁掛けにも対応。新しい壁掛け金具も発売される。また、背面のケーブル部分は1つにまとめ、バックパネルで覆い隠す事もできる。さらに、筐体側面にスリットを入れ、そこに金色を追加。その部分が目立つ事で、実際の製品よりも薄型に見せるデザイン上の工夫も施されている。

X9300Dを壁掛けしたところ
新たな壁掛け用金具も発売される
背面のケーブル類は、まとめて、カバーで見えないようにできる

ハイレゾサウンドに磨きをかけたX9350D

 X9350Dシリーズは、サイドスピーカーを搭載したモデル。従来モデルのX9300Cからスピーカーユニットが進化。磁性流体スピーカーを使ってるのは同じだが、新モデルではユニットの振動板の素材をカーボンファイバーに変更した。

両脇にスピーカーを搭載したX9350D
左が従来モデルX9300Cのユニット、右がX9350Dのユニット。振動板の素材をカーボンファイバーに変更した

 これにより、再生音の明瞭度や音圧がアップ。低域の分解能も向上。中低域の膨らみはX9300Cよりもスッキリとしたサウンドになっている。ツイータに変更はないが、チューニングは変えているという。

 さらに、X9350DにはS-Force Proフロントサラウンド機能や、デジタルアンプのS-Master HXも採用している。

横から見たところ
筐体にはハイレゾマークが入っている

録画にも対応。リモコンは1つにまとめられた

 別売の外付けHDDを接続する事で録画も可能。ダブルチューナモデルであるため、裏番組の録画も可能。

X8500Dシリーズ

 OSにはAndroid TVを搭載。従来モデルから大きな機能アップは無いが、リモコンを刷新。従来は2つのリモコンを同梱していたが、新モデルでは赤外線リモコンにAndroid TVで音声検索を行なうためのマイクボタンを搭載。さらに、中央のNetflixボタンの横に「Google Playムービー&TV」ボタンも新設。このリモコン1つに統合された。

Android TVを搭載
2つだったリモコンは1つに統合。赤外線リモコンにAndroid TVで音声検索を行なうためのマイクボタンを搭載した

 Android TVでは放送、ネット動画、録画番組も、任意のコンテンツにダイレクトにアクセス可能。例えばゴルフの放送を見ながら気になる選手がいた場合、音声検索で「A選手のスーパーショット」と検索、YouTubeなどにアップロードされている選手の動画や、既に録画されている番組から適合するものが一覧として提示され、その中から見たいものを選択できる。

みどころピックアップ機能も利用可能

 8500Dも含めた画質面での向上として、2Kコンテンツを4Kにアップスケーリング表示する際の画質を改善。背景の青空などの部分で、従来はジラジラとノイズが動くような描写があったが、それを抑えて安定した高画質表示を実現。ネット配信の動画などにも適用できる。

 また、8500Dも含め、新機種は、スカパー! プレミアムサービスで放送されている4K放送が受信できるチューナを1基搭載する。

 ネットを介した4K配信サービスにも対応。配信サービスは、Netflix、YouTube、ひかりTV 4K、アクトビラ4K、Huluなどをサポート。前述の通り、ひかりTVとNetflixの4K HDRコンテンツにも対応する(Netflixは予定)。

 さらに、Abema TVへの対応も予定されている。主な動画配信や音楽配信系アプリ/サービスの一覧は記事の最後に記載する。

その他のスペック

 入力端子は全モデル、HDMI×4、コンポーネント×1、コンポジット×2を搭載。9350DのHDMI入力のみ、MHLに対応している。出力は光デジタル音声×1、ヘッドフォン(サブウーファ出力/アナログ出力兼用)×1。USB端子やEthernetも備えているほか、IEEE 802.11ac/n/a/g/bの無線LAN機能も内蔵する。

 年間消費電力量と消費電力、外形寸法と重量は、9350Dの65型が295kWh/年、311W、170.6×9×87.1cm(幅×奥行き×高さ)、47.3kg。55型が264kWh/年、296W、148.4×9×74.4cm(同)、37.3kg。

 9300Dの65型が247kWh/年、225W、145.8×3.6×83.9cm(幅×奥行き×高さ)、28.9kg。55型が213kWh/年、209W、123.9×3.6×71.7cm(同)、22kg。

 8500Dの65型が182kWh/年、206W、145.4×4.4×84.2cm(幅×奥行き×高さ)、20.3kg。55型が148kWh/年、149W、123.1×4.4×71.7cm(同)、15.1kg。


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(山崎健太郎)