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シリコンスタジオとEIZO、Hybrid Log-GammaのHDRコンテンツ制作支援で協業

 シリコンスタジオとEIZOは4日、Hybrid Log-Gamma対応のHDRソリューションの開発において協業すると発表した。シリコンスタジオがコンテンツ開発を、EIZOがモニターの開発を担当し、両社の技術/製品を組み合わせることで、ソフト/ハード両面でコンテンツ制作をサポートするHDRソリューションの提案を可能にする。対象となる業界は、放送や、自動車など製造を中心に、ゲームや映像などの分野を含め幅広く想定するという。

 映像の輝度レンジを拡大するHDR(High Dynamic Range)は、現行のSDR(Standard Dynamic Range)では黒く潰れていた日陰の部分を視認できるように描写しながら、同時に日向の部分も白飛びさせず明瞭に表示することなどを可能にする。HDR記録の映像を対応モニターで表示することにより、肉眼に近い映像表現がモニター上で行なえる。

 両社の協業によるHDRソリューションをコンテンツ制作に活用することで、現実世界に近い光沢感を持つ金属のきらめきや、Adobe RGBの色域でも足りないとされる自動車などの塗装色を、高い再現度で表示できるという。これにより「デザイン時のCGと実物の色合いが異なる、といったギャップを解消できる」としている。

 Hybrid Log-Gamma(HLG)は、NHKとBBCが協同で推進しているHDR方式の1つ。生放送で使用できることや、従来のテレビ方式との高い互換性などが特徴。NHKが2016年から予定している、BSでの4K/8Kの試験放送への採用に向けて、放送方式の標準化や設備の整備が進められている。

 なお、シリコンスタジオでは、HLG以外のHDR方式として、ドルビーが推進するDolby Visionなどへの対応も積極的に進めるという。

HDR(左)とSDR(右)の比較イメージ。HDRは明るい部分や暗い部分もディテールを表現可能(SDRは、効果を分かりやすく紹介するために加工した参考画像)

 今回の協業による成果として、シリコンスタジオが制作したHLG対応のリアルタイムCGコンテンツを、EIZO製HDRモニターの試作機で表示するデモを、6月22日~24日に開催される「第24回3D & バーチャルリアリティ展」で初公開する予定。6月29日~7月1日の「第2回先端コンテンツ技術展」でも展示する。

(中林暁)