ミニレビュー
ディスプレイ付きAIグラス「RayNeo iO Smart Glasses」使ってみた
2026年9月7日 08:00
TCL傘下のARグラス特化ブランド・RayNeoは、AIとディスプレイ機能を搭載したスマートグラス「RayNeo iO Smart Glasses」を、9月4日16時より日本国内で発売した。実機を試すことができたので、その使い勝手を紹介する。
RayNeo iO Smart Glassesは、「世界最先端のAI基盤モデルと業界をリードするマイクロオプティクス技術を、ミニマルで普遍的なメガネフレームに融合した」というスマートグラス。
現在、スマートグラスというジャンルでは、主にディスプレイ、カメラ、マイク、スピーカーのいずれか、または複数を搭載した製品が登場している。例えばRokidの「Rokid スマートAIグラス」は全部入り、Metaの「Ray-Ban Meta」はディスプレイなし、カメラ・マイク・スピーカーありといった形だ。
今回のRayNeo iO Smart Glassesは、ディスプレイ・マイクあり、カメラ・スピーカーなしのモデルとなる。
ディスプレイはマイクロLEDと回折光導波路を組み合わせた独自の「Firefly光学エンジン Nano」を採用。緑色の単色表示にのみ対応し、最大輝度は1,200nitsで、明るい屋外でも情報を鮮明に表示する。
「業界最高水準の回折格子表示領域透過率」を謳っており、表示領域がほとんど目立たないのも特徴だという。
AI機能により、世界55言語に対応する字幕・翻訳機能、自動スクロールができるテレプロンプター機能、録音・文字起こし・AI要約などが利用可能で、ディスプレイ部分には翻訳文章などを表示。
そのほか、時刻や天気、カレンダーなどのウィジェットなどを集めたダッシュボード、ペアリングしたスマートフォンに届いた通知も表示できる。
操作は音声のほか、右テンプルにある竜頭型の「Smart Crown」も使用する。水平方向にクルクルと回転させられるほか、押し込み操作もでき、項目の移動・選択といった操作ができる。頭の動きを使った頭部ジェスチャー操作にも対応しており、頷いたり、首を横に振ることで簡単な操作ができるほか、上を向くと上述したダッシュボードを表示することも可能だ。
約33gと軽量。見た目は普通のメガネ
実機の重さは約33gとかなり軽量。メガネとしてはクラウンパント型フレームを採用しているほか、ディスプレイ部分の透明度も高いので、見た目は普通のメガネとほぼ変わらない。
筆者は普段スピーカーを内蔵したオーディオグラス「HUAWEI Eyewear(初代)」のウェリントン型フルリムを愛用しているが、その重さが約36.8gなので、RayNeo iO Smart Glassesのほうがさらに軽く、通常のメガネと変わらない装着感だ。
マグネシウム・アルミニウム合金製フロントフレームと2種類の航空宇宙グレードチタン合金製テンプルを組み合わせた構造で、IP54の防塵・防滴仕様も備えている。カラーはDune(ゴールド)とPolar Night(ダークグレー)の2色。今回はPolar Nightを借りている。
なお、RayNeo iO Smart Glassesは製作期間が約15~20日ほどかかるが、度付きレンズにカスタマイズすることも可能だという。
バッテリー駆動時間は標準使用時で48時間。最大18時間の連続録音、6.2時間の連続翻訳ができる。ブリッヂ部分に充電用の接点があり、付属の充電用クリップを装着、USB-Cケーブル経由で充電できる。
付属のケースに充電機能はないが、別売りアクセサリーとして充電ケースを用意。メガネを収納しながら充電できるもので、本体を最大5回フル充電できる。毎日使うアイテムなので、充電ケースは合ったほうが便利だろう。
また製品のテンプル部分にはシリコンカバーが装着されている。装着感とフィット感を高めるためのものだが、取り外して使っても問題ないので、自身の好みやフィット感に合わせて着脱できる。今回、基本的にはカバーは着けずに使ってみた。
スマホの通知を視界内でチェック
字幕や翻訳、テレプロンプター機能など、さまざまな機能を備えているが、日常使いでもっとも便利だったのは、スマホの通知を確認できること。
筆者は今回、iPhone 16 Proとペアリングしたのだが、このiPhoneとはApple Watchもペアリング済み。これまでスマホに届いた通知はApple Watchで確認していたのだが、いちいち腕を上げることなく、視界のなかに通知が表示されるのは、かなり便利。
特に通勤時の満員電車では、スマホはおろか、スマートウォッチの画面を確認することすら困難なことが多いが、RayNeo iO Smart Glassesなら視界のなかに自然と通知が表示されるので、スマホ/スマートウォッチのバイブレーションにいちいちヤキモキしなくて済む。
ディスプレイの視認性も高く、明るい室内でも問題なく視認可能。自動で明るさを調整してくれる機能も備わっているので、明るい屋外では輝度が自動で上がってくれるのも嬉しいポイントだった。
ただ、真夏の直射日光が降り注ぐ環境では、さすがに最大輝度でも画面が見にくいと感じることもあった。そういった場合は手のひらを壁代わりにしたりするなど、少し工夫が必要かもしれない。
ちょうどお盆休みだったこともあり、試用期間中に翻訳機能を頼る機会はなかったのだが、海外のYouTube動画で試してみたところ、比較的スムーズに日本語訳が表示されていく印象。テンポの早い日常会話では少し戸惑うかもしれないが、ビジネスシーンでのプレゼンテーションなどなら問題なく対応できそうなイメージだった。
竜頭型のSmart Crownの操作性もよく、タッチ操作よりも快適な印象。上を向くだけでダッシュボードを確認できる頭部ジェスチャーも便利だったが、大きめのスーパーなどで、上の棚を見たいときにダッシュボードが立ち上がってしまうことが何度かあり、最初は戸惑うことも。アプリを使えば“どの角度で見上げたときにダッシュボードを立ち上げるか”を設定できるので、気になる人は調整したほうが良いかもしれない。
また今回試用した段階では、ダッシュボードのカレンダーウィジェットで、明日が「明天」と中国語で表示されるなど、細かい部分で日本語への最適化はもう一歩という印象。このあたりは発売後のアップデートにも期待したいところだ。
筆者がディスプレイ付きのAIスマートグラスを使ったのは今回が初めてだったが、視界のなかに情報が浮かび上がってくるのは便利で、慣れてしまうと、スマートウォッチを見るために腕を上げるのが少し面倒に感じてしまうほど。
ただ、そのままだとSNSの推しの投稿や、活発なグループLINE/チャットなどの内容もすべて視界内に飛び込んできてしまう。専用アプリ「RayNeo AI」では、どのアプリの通知をグラスに表示するかを制御できるので、そのあたりの細かなカスタマイズは必須だ。
また普段オーディオグラスを使っているユーザーとしては、せめてスピーカー機能は搭載してほしかったところ。スピーカーを内蔵することで本体が重くなったり、バッテリー駆動時間が短くなるなどデメリットもあるが、音楽だけでなく通話用途にも活用の道が広がるので、バリエーションモデルの登場に期待したい。














