プレイバック2023
自家発電で天気に一喜一憂する人生を手に入れた2023年 by 小寺信良
2023年12月25日 08:30
昨年のブラックフライデーに小さなポータブルバッテリーとソーラーパネルから始めた自家発電。導入時の話は僚誌家電Watchで記事になっている。仕事用の機材をこの電力でまかっていたのだが、夜まで仕事が伸びると、発電した電力だけでは賄えないのが残念に思っていた。
それ以降、バッテリーやソーラーパネルの新製品が出るたびにふむふむと記事を読んでいたのだが、同じく家電Watchに掲載されていたALLPOWERSのソーラーパネルが早割キャンペーンで安いという情報を発見し、勢いで2枚発注した。これが8月ぐらいの話である。
2枚を並列つなぎにして、昼間は110Wぐらい発電できるようになった。とはいえ、最初に購入したECOFLOW「River 2」はソーラー入力が最大110Wしかないので、本当はもっと発電できている可能性がある。もしかしたらせっかく発電した電力が充電しきれず、捨てているのではないか。
そんな疑念が捨てきれなかったので、今年のブラックフライデーにもう少し大型のバッテリー、ECOFLOW「River 2 Max」を購入した。35% OFFで約6万円。容量はRiver 2の3倍で、ソーラー入力は2倍の220Wある。
どれどれとつなぎ換えてみると、常時175W、調子が良ければ200Wぐらい発電できているのが確認できた。これまで4割ぐらいの電力を無駄に捨ててきたことになる。これは勿体なかった。
200Wがどれぐらいかなかなかピンと来ないかもしれないが、43インチ4Kテレビなら2~3台は動かせる電力量である。そう考えると結構な発電量である。
現在ポータブルバッテリーが2台あるわけだが、ソーラー発電はRiver 2 Maxで受け、電力をRiver 2のほうに流す。River 2は常時電力残量が90%程度となるように自動調整し、仕事機材の電源をこちらから取っている。River 2 MaxからRvier 2へ受け渡すところで多少のロスが発生するが、言うなればRiver 2はUPSの代わりである。
系統電力は一応River 2 Maxに繋いであるが、これは雨天などで発電できなかったときのみ稼働する。晴れていればソーラー発電だけで完結する。晴れの日が続くと電気が使い切れなくなるので、ポータブルバッテリーや予備のMacBook Air、タブレットなどを充電している。
自家発電で元が取れるのか、とよく聞かれるのだが、系統電力の電気代をベースに計算すると、以前では10年使ってようやくトントンといった感じだった。だが昨今は電気代がどんどん値上がりしており、反対にソーラーパネルやポータブルバッテリーの価格はどんどん下がっているので、今の損益分岐点は6~7年ぐらいまで縮まったのではないだろうか。
ただソーラー発電の面白さは、元が取れた云々よりも、収穫できた喜びにあるのではないかと思う。筆者は近所に畑を借りて家庭菜園も営んでいるが、野菜は育ち始めたら基本的にはお日様任せである。水やりや雑草とりなどもあるが、基本は勝手に育つのを待って、その成果をありがたく頂戴する。ソーラー発電も基本的にはそんな感じで、お日様が与えてくれる恩恵を日々収穫するという感覚がある。
畑仕事はめんどくさいという方も、ソーラー発電なら基本的にほっとけば勝手に収穫されるのでお勧めだ。これまでの人生、天気ごときに一喜一憂することもなく生きてきたが、日々自然の恵みをありがたくいただける生活は、「儲かる儲からない」とはまた違った軸で生きている実感が味わえる。