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安くても高品質、オウルテックの完全ワイヤレス。あえてメーカーの音を“持たない”秘密
- 提供:
- オウルテック
2019年9月30日 08:00
国内外のオーディオメーカーはもとより、ファッションブランドから無名の中国メーカーまで数多くのメーカーが競うようにして完全ワイヤレスイヤフォンをリリース。巷には玉石混淆入り乱れ多数の製品が並ぶようになり、どれを選んだら良いのか大変分かりにくくなっている。
そんな最新事情のなか、こと完全ワイヤレスイヤフォンにおいて注目に値すべきブランドがある。それがオウルテックだ。
オウルテックといえば、多くの人がパソコン周辺機器パーツやスマートフォン・アクセサリーのメーカーとして認知しているかもしれない。実際に筆者も、ドライブケースやBluetoothキーボードなど、いくつかの製品を活用させてもらっている。そんなオウルテックが、実はイヤフォンをメインとするオーディオ製品を展開しており、その最新作にして集大成といえるのが、完全ワイヤレスイヤフォンだったりする。
“品質”が大事な完全ワイヤレスイヤフォン
何故、オウルテックの完全ワイヤレスイヤフォンは注目に値するのか。それは、音質や使い勝手はもとより、製品としての高い完成度を持ち合わせているからだ。
冒頭に述べたとおり、完全ワイヤレスイヤフォンはいま玉石混淆の状態で、最初のペアリングが上手くできなかったり接続安定性が悪かったり、耳からポロリとこぼれ落ちやすかったりと、弱点の多い製品が少なからず存在している。さらに低価格な製品では、音切ればかりか左右で遅延が発生しやすかったり、初期不良が多かったり、故障し易いものまである。
れっきとした日本のメーカーであるオウルテックが手掛ける完全ワイヤレスイヤフォンは、価格を抑えながらも、製品としてのクオリティがしっかりと確保されている。
オウルテックの完全ワイヤレスイヤフォンはどのように生まれているのか。発売が開始された「SE04」(実売10,980円前後)をメインに、クラウドファンディングから始まり現在一般発売中の「SE03」(実売7,980円前後)、今後発売予定のエントリーモデル「SE05」という3製品について、オウルテックの企画部 広報グループの安藤省吾氏と、グループ会社ライフエッグ 技術部の小川真マネージャーに話を聞いた。
充電ケースにまでこだわる
オウルテックの完全ワイヤレスイヤフォンについて、いちばんの注目といえるのがクオリティコントロール、製品としての完成の高さだろう。ペアリングのしやすさや操作系の使い易さに加え、音切れの少なさもかなり優秀と言えるし、音切れ後の復帰もスムーズだ。こういった製品品質とユーザビリティに関しては、かなり気を使っている部分だという。
「オウルテックでは、“Samu”(サミュ)ブランドとしてイヤフォンなどのオーディオ製品を展開していますが、音質はもちろんのこと、日本ブランドとしての品質の高さにも強いこだわりを持っています。自社で独自の品質基準があり、製品化するにはそれをクリアする必要があります。例えば『SE04』では、搭載バッテリーの中身まで分解してチェック、最終的な仕様を決定しました。そういったこだわりの物づくりを行なっているのがオウルテック製オーディオの特徴です」(小川氏)。
こだわりはイヤフォンだけではない。「ユーザビリティの面では、意外に思われるかもしれませんが、充電ケースにかなりのコストがかかっています。『SE04』のものは蓋のマグネットの強度からイヤフォン本体の取り出しのしやすさ、ポケットやカバンへの収納のしやすさなどあらゆる角度から徹底チェックしました。『SE03』のスティック型ケースも、手に収まるサイズ感や閉まり具合いを調整する為マグネットを変更するなど使い勝手にこだわりました」(小川氏)。
日本メーカーとして、品質にこだわる一方、ユーザビリティは、ユーザーの声を数多く集める事で、ニーズに合った製品作りを心がけているという。
「例えば『SE03』は、イヤフォン本体が大きい完全ワイヤレスイヤフォンが多い中で、“耳から大きくはみ出るモノを装着したくない”“大きな専用ケースを持ち歩きたくない”という女性の声を数多いただき、そこから生まれました」(安藤氏)。
「イヤフォン本体をできるだけ小さくし、ケースもそれに併せて小型のリップスティックタイプをデザインしています。この専用ケースは、ハンドバッグなどに入れやすいと大きな反響をいただきました。『SE04』はバッテリー寿命の長さや接続安定性などでアドバンテージを持つクアルコム製SoC『QCC3026』を採用しつつ、いかにオウルテックらしい、扱いやすくてコストパフォーマンスの良い製品にチャレンジしました。結果として、多くの人が満足できる製品に仕上がったと自負しています」(安藤氏)。
タッチ操作の製品も多い中、「SE03」はあえて2ボタン方式を採用。結果的に、操作がとてもしやすく、分かりやすいと、好評だそうだ。こうした物づくりに対するこだわりが、オウルテックならではのアドバンテージといえる部分だ。
メーカーとしてのサウンドキャラクターを“持たない”というこだわり
音質については、独自のポリシーを持って製品作りを行なっていることが注目ポイントだ。
それは、メーカーとしての確固たるサウンドキャラクターを“持たず”、あくまでもユーザーニーズに合わせて製品ごとに最適なサウンドチューニングを行なっている、ということだ。
「“あくまでユーザー目線で製品を作り、我々メーカーが好む音は二の次”、というのがオウルテック“Samu”の製品ポリシーです。実は、オウルテックではイヤフォン開発用に『M1』から『M9』まで、9種類の音色サンプルを用意しているんです」(小川氏)。
「この中から、モデル開発時にまずは“(M1~M9まで)どの傾向の音にするのがベストか”を選びます。そこから、さらにユーザーニーズに合わせたサウンドに、そして音質的にも良好なものへと作り上げていきます。イベント会場で試作機を聴いていただき、その意見も反映されます。その製品を手に取ってくれる人を想定し、“その人達が気に入ってくれるサウンド”を作り上げる、それがオウルテックの音作りなのです」(小川氏)。
9種類の音色サンプル(イヤフォン)が存在する事で、新製品にマッチした音の傾向を選び、開発をスタートした際に、開発陣など、製品に関わる人達が、目指す音の方向性を共有できる利点がある。もちろん、完成した製品が音色サンプルとまったく同じものになるわけではなく、あくまで方向性を決めるためのもの。実際の製品は、その音色サンプルを超えた場所を目指して作られる。
製品を聴いてみると、確かに「QCC3026」を採用し、aptXに対応した「SE04」は、音質にこだわる人でも満足できる、ハイクオリティなサウンドを作り上げている。「SE03」については、もう少しフラットというか、どんな音楽ジャンルでもそつなくこなしてくれそうな、クセのないサウンドキャラクターを持ち合わせている。
同じオウルテックの完全ワイヤレスでも、ひとつひとつコンセプトやサウンドポリシーが異なっていて、ユーザー目線に立った製品作りを行なっているのがわかる。このあたりも、オウルテックならではの良さといえるだろう。
ただ、こだわると開発には時間がかかる。「逆に、いつ発売できるんだと社内から突き上げられることもあります(笑)。とはいえ、オウルテックならではの音質、品質、そしてユーザビリティに対するこだわりは、今後も貫き通していきます」(安藤氏)。
楽曲を選ばない「SE04」、手頃かつケースもユニークな「SE05」も登場予定
さて、ここからは現在の最上位モデルといえる「SE04」について、詳細に見ていこう。
まず、専用ケースは表面にファブリック素材を使っており、シック、かつ上品な印象に纏められている。ケースのサイズも比較的コンパクトで、持ち運びはし易そう。バックスペースをとらないだけでなく、ポケットにもスマートに収まってくれる(スーツの胸ポケットはさすがに厳しいが)大きさだ。また、専用ケースからは約5回の充電が行なえるため、合計で最大54時間の再生が行なえるようになっている。充分どころか、いつ充電したのか忘れてしまうほどのロングライフといえる。
イヤフォン本体は、完全ワイヤレスイヤフォンとしてごく一般的な形状といえる。比較的コンパクトなので、装着感は軽快といえる。キチンと耳のサイズに合ったイヤーピースを選べば、多少強く首を振っても、耳からこぼれ落ちることはないだろう。
もうひとつ、ありがたいのが防水性能だ。「SE04」はIPX7の防水性能を備えているので、スポーツ時の汗も大丈夫なようになっているし、突然の雨に遭遇したとしても安心だ。
肝心のサウンドはいかがなものだろうか。
グラフェンコート振動板採用の6mm口径のダイナミック型ドライバーに、筐体内の音響特性を改善する「HDSS」技術、加えて「QCC3026」の音質的な優位性やaptXコーデック対応、全てが合わさった結果だろう、実売約1万円とは思えない、なかなかに上質なサウンドを聴かせてくれる。
基本的には、高域に凜としたハリのある、クリア志向のサウンドキャラクター。ピアノの音はとてもヌケが良く、タッチが軽やかに感じる。金管楽器は小さな音でもしっかりした存在感を示すし、ヴァイオリンの音も旋律がよく届くヌケの良さを感じる。
いっぽう低域は、かなりの量感を持ち合わせていて、それでいてボケたような緩い広がり感はないので、クラシックは普段より幾分ダイナミックさの増した、メリハリのしっかりした演奏に感じられる。ハードロックもドラムのキックがいつもよりパワフルに感じられ、ベースも力強い。迫力のある演奏だ。
音楽ジャンルとしては特に得手不得手はないが、特に挙げるとすると、JポップやEDMなどが良かった。MITH&ROID「VORACITY」を聴くと、分厚さ満点のディープなギター演奏にヌケの良い女性ヴォーカルが組み合わさって、とても印象的な楽曲に感じられた。
製品の質感、使い勝手の良さ、そして音質と、「SE04」はじっくり作り込んだだけのことはある、良質な製品に仕上がっている。価格を考えると、とても良質なコストパフォーマンスの持ち主、といえるだろう。
これから発売される「SE05」についても少々。こちらは、「SE03」よりもリーズナブルなエントリー~ミドルクラスの価格帯を想定して開発されているモデルということだが、オールラウンダーの「SE04」に対して、よりJポップ/EDMに向いたサウンドキャラクターを目指して開発中だという。
開発サンプルをこの取材の時に触らせてもらったが、音質的にはまだ最終ではない段階であったものの、装着感の良いイヤーモニター型の本体や、コンパクトで扱いやすそうで、首から下げても使えそうな専用ケースなど、さらにユーザビリティが追求されているポイントがいくつも見られた。今年の冬発売との事だがいまから楽しみなモデルだ。
「SE04」(10,980円前後)、「SE03」(7,980円前後)、さらに今後発売予定のエントリー「SE05」と、3つの製品をチェックした。いずれもリーズナブルな製品でありながら、オウルテックの完全ワイヤレスイヤフォンは製品作りに対するこだわりが盛り込まれた、キラリと光る魅力を持つ製品となっている。是非皆さんも、店頭やイベントなどで、実際に製品を手にし、音を聴いてみて欲しい。“オウルテックならでは”の魅力を感じ取って貰えるはずだ。