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持ち運べる4K大画面でアプリ&ゲームも! ViewSonic 4K短焦点プロジェクタ「X10-4K」フル活用
- 提供:
- ViewSonic
2020年1月30日 08:00
ビューソニックから昨年末に発売されたプロジェクター「X10-4K」。コンパクトな4K DLPモデルながら驚きの明るさで、実売16万円前後(税込)という価格も魅力だ。前回の記事では、UHD BD再生などを通じてプロジェクターとしての性能の高さや使い勝手について検証した。今回は、本機が“ただのプロジェクター”ではない、幅広い活用方法ができることに着目し、紹介していきたい。
シアタールームの専用スクリーンではなく、普通の部屋の白壁に映す!
X10-4Kは4K/HDRに対応する本格的なプロジェクターであり、さらに短焦点タイプのレンズによって短い距離で大画面を実現できることは既に紹介した。
加えて本機は小型軽量、かつハンドルさえ備えた「ポータブルプロジェクター」でもあるので、「どこにでも持ち運びでき、白い壁さえあれば充実した大画面体験が可能」という魅力が生じる。しかも、オートフォーカスや自動台形補正機能により、持ち運びのたびに画像調整でユーザーの手を煩わせずに済む。
今回、X10-4Kを持ち運んで筆者宅の別の部屋……で映そうと思ったのだが、あいにくそれなりに広い壁面を確保できる部屋がなかったため、シアタールームの側面の壁に投映することで、ポータブルプロジェクターとしての使用感を検証した。
X10-4Kはたとえ床置きであっても、折り畳み式のスタンドを使うことである程度映像を持ち上げられ、さらに自動台形補正が効いて適切な形状が保たれる。ここでユーザー側の手間は一切ない。もちろん、最適な映像を投射しようと思えばテーブル等の置台で高さを確保し、台形補正を使わないに越したことはない。それでも、やはりオートフォーカスと自動台形補正の合わせ技による設置の容易さは抜群で、本機のポータブル性に大きく寄与している。適当な場所に置いて電源さえ入れれば、しっかりとフォーカスの合った適切な画像が手間なく表示されるのは感動的ですらある。
表示品質の面では専用のスクリーンに投射した時に及ばないとはいえ、X10-4Kは元々じゅうぶんすぎるほど明るく色鮮やかな画のプロジェクターなので、部屋の壁に投射した状態でも「暗い」といった不満はまず感じないだろう。プロジェクターの導入は多くの場合スクリーンの導入がセットとなり、それがハードルとなっている感は否めないが、X10-4Kならば「まずは壁面投射から始める」という選択肢もおおいに考えられる。
部屋の明かりをつけた状態でも、X10-4Kの高輝度により投射映像はしっかりとメニュー画面を確認できるレベルの視認性はある。さすがにこの状態で映画などを鑑賞しようとは思わないものの、少なくとも部屋を暗くしなければ何もできない、というわけではない。後述するようなネット動画の“流し見”などには便利に使えそうだ。
ただの壁でも想像していた以上にしっかりとした表示になったので、ここからはスクリーンを使わない状態で検証を進めていく。
アプリの映像サービスをプロジェクター単体で楽しむことも
X10-4Kの大きな特徴として、内蔵OSとネットワーク機能により、様々な映像サービスを本機だけで楽しめるというものがある。
まずはホーム画面左側の「Aptoide」を選択し、表示されるアプリを選んでインストールを行なう。
インストールしたアプリは「アプリセンター」から起動できるほか、ホーム画面下の「アプリ追加」を選択してインストールしたアプリを選択することで、ホーム画面にショートカットが表示されるようになる。
ただ、搭載するAptoideストアに用意されているアプリ数は、Android公式のGoogle Playストアなどに比べると少ない。例えばYouTube公式アプリは見当たらず(他のアプリを使って見ることはできた)、利用できる映像ストリーミングサービスの種類も多くはなかった。本機だけで様々なサービスを網羅的に使うというのは、現状では少々難しいと感じた。
アプリによっては、使用中に映像が流れず音声だけが再生されたり、動作がフリーズ気味になったりと、相性の悪いものもあるようだ。今回試した時点では、本機で直接ダウンロードできるアプリ機能に関しては、補助的なものと捉えた方が良さそうだ。アプリがもっと充実していけば状況は変わると思うので、これからに期待したい。
そこで、今すぐ様々なサービスを楽しむためにお勧めしたいのが、他の映像ストリーミングデバイスとの併用。Fire TV Stick 4K(6,980円/税込)などスティック状の製品であれば、X10-4Kの機動性をほとんど損なうことなく、より広範な機能が得られる。
試しにAmazon Prime Videoから何作品か見てみたが、画質音質ともにじゅうぶん満足がいくものだった。別途BDプレーヤーやゲーム機を接続せず、あくまで持ち運べる状態のままこのレベルの映像を楽しめるとは、凄い時代になったと改めて思う。
映像だけでなくBluetoothスピーカーとしての活用も
X10-4KはHarman/Kardonの手掛けるスピーカーを搭載しており、映像を再生した際のクオリティの高さについては前編で触れたとおりだ。「プロジェクター一台で、映像だけでなく迫力ある音も楽しめる」というのは本機の大きな魅力だが、それに加えて、本機はBluetoothスピーカーとしても活用することができる。
接続はいたって簡単で、リモコンから本機のBluetoothスピーカー機能を有効にし、そのうえでデバイスと接続するだけ。なお、Bluetoothスピーカーモードでは映像投射がオフになり、結果的に冷却ファンの音もなくなるので、音楽に集中できる。
純粋なBluetoothスピーカーとして使った場合もX10-4Kは見事な性能を発揮し、ひとつひとつの音の輪郭が明瞭な、それでいて広がりのある再生音が楽しめた。低域の充実感や音量の余裕もじゅうぶんにあり、相当大きな部屋、あるいは屋外での音楽再生にも堪えられると思われる。単なるおまけ機能と割り切るにはもったいないクオリティなので、おおいに活用したいところだ。
スマホ画面をそのまま出せる、画面ミラーリングを試す
X10-4Kはスマートフォンなどの画面ミラーリング機能を持ち、iOS/Android端末の画面をそのまま表示できる。
ミラーリング機能の利用は極めて簡単だ。特別な設定等は必要なく、ホーム画面から「画面ミラーリング」を選択し、その状態で端末側からミラーリングを行なうだけでいい。
今回はiPhoneで画面ミラーリングを行なったが、画面だけでなく音声もX10-4Kに出力されるため、例えばYouTubeの動画をそのまま大画面&高音質で楽しむことも可能になる。先ほどFire TV Stick 4Kといったデバイスとの併用について書いたが、極端な話、画面ミラーリングを使えば大抵の場合それだけで事足りるようにも思える。また娯楽用途だけでなく、様々なプレゼンテーションの現場で活用することも可能だろう。こうした使い方でも、やはり本機のポータブル性や設置性の高さが活きる。
ゲームも超大画面で! 「スーパーファミコンミニ」を遊ぶ
最後に、どうしてもやりたかったことということで、X10-4Kを床置きした状態で「ニンテンドー クラシックミニ スーパーファミコン」(以下スーパーファミコンミニ)と繋げてみた。
今となっては20年以上も前、筆者はスーファミを家で余っていた精々10インチ程度のブラウン管テレビに繋いで遊んでいた。遊びながら、「もっと大きな画面が欲しい……」と夢見ていた。
X10-4Kはまさにその夢を叶えてくれる。こんなにも迫力ある大画面を、こんなにも簡単に、どこにでも持ち運んで映し出すことができる。ゲームを彩る音のクオリティも映像に負けない本格派。仰々しいホームシアターや据え置きのプロジェクターを用意する必要はなく、X10-4Kとそれなりに広い壁さえあれば、かつて夢見た「超大画面のゲーム」体験が実現する。「遊んだらしまう」のだって楽勝だ。X10-4K はBDや各種映像ストリーミングサービスだけでなく、ぜひゲームとの組み合わせでも活用してほしい。
プロジェクターのイメージを大きく変える進化を実感
現在では既に50インチ以上の大型テレビが当たり前になって久しいが、画面サイズが大きくなればなるほど、持ち運ぶことは事実上不可能になる。一方でX10-4Kは、テレビ以上の超大画面を、どこでも、抜群の設置性をもって実現できる。それでいて、昨今のテレビに負けない機能性も持ち合わせる。純粋なプロジェクターとしての性能も抜かりなく、傑出した輝度性能や4K/HDR対応により、UHD BDを筆頭に最新の高画質コンテンツも存分に楽しめる。これだけの製品が10万円台半ばで購入できるようになるのだから、技術の進歩というのは素晴らしい。
いちど置いたら滅多なことでは動かすことができず、操作が煩雑で、マニアにしか扱えない……そんなイメージとは正反対なのがX10-4Kである。プロジェクターに求められる超大画面や高画質といった要素をベースに、多機能かつユーザーフレンドリー。X10-4Kはまさに前編で述べたように、「プロジェクターの進化形」と呼ぶにふさわしい製品だ。