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EarFunの技術結集、同軸デュアルドライバーと強力ANCの最上位でも1万円台「Wave Pro X」

EarFun「Wave Pro X」

環境に適した高精度な独自ANC(アクティブノイズキャンセリング)や、活き活きとしたサウンド、機能性や音質からは想像できない手頃な価格設定などから、日本でも好評を博しているオーディオブランド、EarFun。その実力の高さは、優秀なオーディオ製品に贈られるVGPグランプリの金賞を10期連続で(様々な製品が)受賞していることもひとつの証明となっている。そんなEarFunから、新製品が登場した。それが今回紹介するワイヤレスANCヘッドフォン「Wave Pro X」だ。

EarFunといえば、TWS(完全ワイヤレスイヤフォン)を得意としているイメージが強いが、2024年にはワイヤレスANCヘッドフォン「Wave Pro」を発売、高精度なハイブリッド式ANCと、初のヘッドフォンとは思えない音質のよさを1万円以下の価格で実現したことから、大いに注目を集めることとなった。

その後2025年には、デュアルドライバー搭載など画期的なコンセプトを持つ「Tune Pro」を追加。現在も好評を博している。そして、3番目のワイヤレスANCヘッドフォンとして「Wave Pro X」が登場。名前から類推できるとおり、「Wave Pro」の上位に位置する、事実上の最上級モデル。だが、価格は16,990円と手に届きやすいのが嬉しい。それでありながら、これまでのヘッドフォン技術の集大成といえる製品に仕上がっている。

EarFun「Wave Pro X」

強力ANC、同軸デュアルドライバー搭載

たとえば、EarFunが得意とするANC機能は、新たに8基ものANC & 通話用マイクを採用。独自のAI環境認識アルゴリズムを組み合わせることで、周囲の騒音環境をリアルタイムで解析して、ノイズキャンセリングの強度を自動で最適化してくれる。

8基ものANC & 通話用マイクを搭載している

電車やバスの中、室内でのエアコンの音、街中での人のざわめきなど、ノイズは場所によって異なるが、そのどこでも、快適で静かな場所に変えてくれるという。

EarFunアプリ

アプリのANC設定にはAI聴覚適応型モードや風切り音低減など、いくつかの設定が用意されている。また、手動でANCの強さを4段階で調整できるようにもなっている。

ANCのモードは3つから選べる

そのなかでも、特に良好だったのがAI聴覚適応型モードだ。こちら、環境に応じて最適なANC設定を自動調整してくれるのだが、それがなかなかに優秀で、実際に試してみると、拍子抜けするほど簡単に最適な静けさが得られた。たとえば室内では、空調ノイズなど不快な音をしっかり抑えつつ、声などは多少聞こえてくる効かせ方で、テレワーク時には大いに役立ってくれる。

一方で、電車内などノイズが多い場所ではANCも強力になる。手動による4段階調整もありがたく、外音がある程度感じられるようにしたいシチュエーションや、逆に飛行機内など騒音レベルが高い場所ではこちらが重宝してくれそうだ。

外ではANCが強くなるなど、場所に合わせて効果を最適化してくれる

外観デザインに関しては、先の2モデルとは大きく変化した。全体的にはよりスマートに、かつ上質な印象となった。ヘッドバンド上部の布テクスチャ素材の採用なども心憎い。まわりの人の目に付きやすいヘッドフォンだけに、チープさとは無縁の上質さは嬉しいかぎりだ。

1万円台ながら、各部の質感は高く、高級感がある

加えて、3,000人以上の頭部寸法をもとにした人間工学設計を採用したという装着感もなかなかにいい。柔らかなプロテインレザーと通気性に優れた低反発ウレタンを組み合わせたイヤーパッドや、最大限まで幅を広げたというヘッドバンドクッションなどによって、とても軽快、とても良好な装着感を実現している。テレワーク時など長時間活用したいシチュエーションにはありがたい心遣いだ。

プロテインレザーと通気性に優れた低反発ウレタンを組み合わせたイヤーパッド
装着感も良好

ちなみに、バッテリーは最大90時間の連続再生を実現、ANCオン時でも最大50時間の音楽再生が可能となっているので、必要以上の充分なタフネスさといえる。急速充電にも対応しており、15分の充電で最大10時間再生可能というから、不満に思うことはないはずだ。

また、8マイク搭載は、通話のクリアさにも恩恵をもたらしてくれている。左右各ユニットに配置した小型マイクに、「AI cVcノイズ低減技術」を組み合わせており、周囲の環境音をリアルタイムに分析、騒がしい駅や街中でも、自分の声が埋もにくく、クリアで自然な通話ができるようになっていた。

2つのダイナミックドライバーを同軸配置。個人最適化にも注目

このように使い勝手の良さも魅力だが、「Wave Pro X」最大の注目ポイントといえばやはりサウンドだろう。

ドライバーユニットは、「Tune Pro」で好評だった40mm径DLC複合膜ドライバーと、10mm径LCP(液晶ポリマー)ドライバーによるデュアルドライバー構成を継承(ちなみにTune Proでは40mm径ユニットにPET複合膜振動板を採用していたので詳細は異なっている)。

さらに、この2つのユニットを同軸上に配置する独自開発システム「DCAA同軸デュアルドライバー構造」によって、音域ごとの到達差を抑えつつ、低域から高域まで自然につながる一体感あるサウンドを実現。加えて、世界各国の音響のプロに協力を仰ぎつつ、30カ月にわたる徹底した音質チューニングを行なうことで、正確な描写と高い臨場感をもつサウンドを作り上げたという。

2つのダイナミックドライバーを、同軸上に配置する「DCAA同軸デュアルドライバー構造」。応答性に優れた10mm径LCPドライバーが中高域を、口径が大きい40mm径DLC複合膜ドライバーが低音を担当する

本機はSnapDragon Soundもサポート。AptX AdaptiveやAptX LosslessやLDACなどの良音質コーデックにも対応しているので、ハイレゾ音源でも最適なサウンドで楽しむことができる。また、LE Audio、Auracastにも対応しているので、将来的にも安心。長く使い続けても不満に思うことはなさそう。

もうひとつ、アプリにも音質面で注目の機能が搭載されている。アプリでは、コーデック設定やボタン操作のカスタマイズ、USBオーディオ充電(充電時にUSB接続先からの音楽再生を可能にするもの)など機能系のものから、低遅延なゲームモードまで様々な設定が行なえるが、注目はイコライザー設定内にある「パーソナライズサウンド」だ。

こちら、EarFunの最新各モデルに採用され始めた機能で、こちらを設定することで、音楽を聴きながらチョイスするだけで、好みのサウンドを作り上げてくれるというもの。人間、それぞれ耳の聞こえ方や好みが異なっているので、手軽に合わせられるのはうれしい。

音楽を聴きながらチョイスするだけで、好みのサウンドを作り上げてくれる「パーソナライズサウンド」
「パーソナライズサウンド」で最適化しているところ。試聴コンテンツの中から、音の違いがわかりやすいものを選ぶ
最適化が完了すると、どのような補正をしたのかをグラフで見せてくれる。音楽を聴きながら、最適化のON/OFF切り替えも可能だ

いっぽう、より細かく音調整したいという人には「パラメトリックEQ」が新たに追加された。自由度が高く、しかも細かい設定が行なえるパラメトリック方式のEQは、サウンド調整にこだわる人にとってありがたい機能。こちらを利用し、細かく徹底的にサウンド調整をするのも楽しい。

新たに追加された「パラメトリックEQ」を操作しているところ。より細かい帯域で、ゲイン調整などが可能だ

もうひとつ、適応型イコライザーも積極的に活用したい機能といえる。こちら、個人個人の耳の特徴に合わせた最適なサウンドを作り上げることができるもの。人はそれぞれ、左右でさえも微妙に聞こえ方が異なっていたりするため、こちらを設定することで、脳内で無意識に調整することを低減してくれるのか、ストレスフリーなサウンドを作り上げてくれる。長時間聴き続けているときの“聴き疲れ”などがかなり低減されるので、積極的に活用したい機能といえる。もうひとつ、パラメトリックEQが搭載されているのも嬉しい。

遅延を抑えるゲームモードも搭載。スマホで映画などを見る時も活用できる

音楽ジャンルを選ばないHi-Fiサウンド。EarFunの技術が結集

実際に試聴してみると、音色の多彩さとメリハリのよさに驚く。

今回は水月雨/MOONDROPのスマートフォン「MIAD01」を使い、LDACで接続したが、EarFunらしいというべきか、スピード感があって低域の量感もしっかりしているサウンドが展開する。

低域のフォーカスが良く、中域もダイレクト。鮮度感の高いHiFi調ともいえるウェルバランスなサウンドに纏まっている。このあたりは多くの人が、長期間関わってチューニングされた結果なのだろう。幅広い音楽ジャンルに寄り添ってくれ、それぞれが存分に楽しめる懐の深さもいい。

たとえぱJポップでは、宇多田ヒカルは僅かにハスキーで深みのある歌声を聴かせてくれるし、米津玄師も伸びやかな表現が心地よく、魅力的なサウンドを楽しめる。

特にヨルシカとの相性が抜群で、独特の軽やかな歌声が魅力いっぱい、ギタードラムなどの演奏もキレがよく感じられ、思わず体を動かしたくなるようなノリのよさをある。ハイスピードなロック系Jポップとも相性がよく、tuki.などもグルーブ感溢れるサウンドが楽しい。男性ヴォーカルは歌声が総じてハスキー傾向で、大人っぽい歌声が魅力的に感じられた。

いっぽうクラシック、フルオーケストラ演奏では、各楽器の定位がしっかりとしているし、それぞれの表現が細やかに伝わってくれる。同時に、量感ある低域が壮大なスケール感を描きだしてくれるので、聴いていて楽しい。

このように、「Wave Pro X」はANCの高機能さや装着感の良好さなど、総合的な魅力をアップしつつも、サウンドがいちばんの魅力と感じられる製品に纏まっていた。EarFunならでは、この価格でこのサウンドが手に入るのは望外の魅力ともといえる。是非とも、そのサウンドを体験して欲しい製品だ。

AV Watch読者限定 Amazonで使える25% OFF割引クーポン

クーポンコード:EFWPROXAV
・クーポン使用期限:2026年11月30日23:59まで
・対象モデル:EarFun Wave Pro X
・通常価格:16,990円
・クーポン適用後:12,743円
・対象店舗:Amazon公式ストア・EarFun公式サイト

野村ケンジ

ヘッドフォンからホームシアター、カーオーディオまで、幅広いジャンルをフォローするAVライター。オーディオ専門誌からモノ誌、Web情報サイトまで、様々なメディアで執筆を行なうほか、レインボータウンFMの月イチ番組「ふわっと」にレギュラー出演、YouTube「ノムケンLabチャンネル」を運営するなど、様々なメディアで活躍している。最も得意とするのはヘッドホン&イヤホン系で、年間300モデル以上の製品を15年以上にわたって試聴し続け、常に100製品以上を個人所有している。一方で、仕事場には100インチスクリーンと4Kプロジェクタによる6畳間「ミニマムシアター」を構築し、ステレオ用のプロフェッショナル向けTADとマルチチャンネル用、2系統のスピーカーを無理矢理同居させている。