パイオニア株式会社は、最大24倍速ダビングが可能なHDDとDVD-R/RWのハイブリッドビデオレコーダ「DVR-77H」を11月下旬に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は14万円程度の見込み。
なお、HDDを省いたDVDレコーダ「DVR-55」も10月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は9万円程度。販売台数はDVR-77Hが2万台/月、DVR-55が1万台/月を予定している。また、6月に発売したDVDレコーダ「DVR-3000」は、最下位モデルの位置付けで販売を継続する。
DVR-77HとDVR-55は、24日に発表された4/2倍速書き込み対応DVD-R/RWドライブ「DVR-A05-J」相当のドライブを搭載したビデオレコーダ。DVR-55は、DVR-77HからHDDを省いた以外は、筐体デザインや外形寸法もほぼ同じで、地上波とBSアナログチューナを内蔵する。機能面でも、HDDを使用する機能を除いて、DVDレコーダとしての機能は変わらない。 最大の特徴は、4/2倍速書き込み対応DVD-R/RWドライブを搭載し、HDDからDVD-R/RWへのダビング速度が速くなったこと。 EPモード時で4倍速DVD-Rメディアに書き出す場合、最大24倍速となる。各モードの最大ダビング速度は右表の通り。
なお、DVDからHDDへのダビングも可能だが、その場合、再エンコードが発生し、等倍速でのダビングとなる。
従来のパイオニアのDVDレコーダは、VRモードと、DVDビデオとの互換性が高いビデオモードでは録画モードに違いがあった。しかし、DVR-77HとDVR-55では、VRモードと、ビデオモードの録画モードが統一された。さらに、VRモードに加え、ビデオモードでもVBR(可変ビットレート)録画が可能になった。 ただし、同社によれば「同じ録画モードでも、ビデオモードの方が解像度の変更などのマージンを大きくとっているので、VRモードの方が若干画質がよい」としている。なお、同社の従来機は、ビデオモードで録画する場合、30秒単位でしか録画できない仕様だったが、今回からビデオモード録画時にも停止ボタンで即停止できるようになった。 HDD内蔵するDVR-77Hでは、HDDを使った追いかけ再生が可能(DVD-R/RWでは非対応)。さらに、DVDを再生中にHDDに録画したり、HDDからDVDへ高速ダビング中でも、HDDの録画・再生ができる。ただし、MPEGエンコーダは1つのため、DVDへの録画や、高速ダビング以外のダビングを行なっているときは、HDDへの録画はできない。また、HDDに録画した1回だけ録画可能番組を、CPRM対応DVD-RWメディアへVRモードで移動することも可能となっている(HDD側は削除される)。 HDDからDVDへのダビングは、4種類のモードを装備。高速ダビングは、HDD再生中にワンタッチでDVDにダビングする「簡単高速ワンタッチダビング」、不要部分の削除や、複数タイトルから編集してダビングする「編集高速ダビング」の2種類。さらに、フレーム単位で編集してダビングする「フレーム編集ダビング」、DVDの空き容量に収まるように録画モードを自動調整する「ジャストダビング」も可能。再生時にも、編集したタイトルもスムーズに再生する「シームレス再生」が機能する。 また、DVD-R/RWともにファイナライズ後に、メニュー画面として各タイトルの静止画付き一覧が自動生成される。さらに新機能として、DVD-RWディスクにビデオモードで録画し、一旦ファイナライズした場合でも、「ファイナライズ解除」ができるようになった。これにより、ファイナライズしたメディアでも、初期化することなく追記が可能になった。
画質面では、DVDプレーヤー「DVD-S747A」にも搭載している、同社独自開発のLSI「VQE7」を採用し、プログレッシブ再生に対応。また、10bit/54MHz映像DACや、デジタルTBC、3次元Y/C分離を搭載するが、GRTは内蔵していない。同社では、「(GRT搭載の)要望はあるので、今後搭載を検討したい」としている。 なお、DVR-3000では、シャープと共同開発を行ないシャープからも同機能のレコーダが発売されたが、「DVR-77HとDVR-55は、独自開発した。シャープを含めOEM供給については、まだ話せる段階のものはない」とのこと。また、HDDの増量や増設サービスについては、「現在のところ考えていない」としている。
また同時に、ビデオ録画用の1~4倍速対応DVD-Rメディア、1~2倍速対応DVD-RWメディアも発売する。発売時期は10月下旬で、価格はオープンプライス。実売価格は現行メディアと同等になる見込み。 DVD-Rは、標準レーベル「DVS-R47B」、ホワイトプリンタブル「DVS-RP47B」(5枚パック:DVS-RP47BP5)、5枚パックのカラークリスタルプリント「DVS-RP47BCM5」の4種類。DVD-RWは、標準レーベル「DVS-RW47C」、5枚パックのカラークリスタルプリント「DVS-RWP47BCCM5」の2種類をラインナップする。 DVD-Rは、新開発の色素記録材を採用。「1~4倍速の安定した記録特性と高耐久性を実現した」としている。DVD-RWには、新開発の相変化記録材の採用により、「安定した低エラーレート記録特性を可能にした」という。
また、ホワイトプリンタブル、カラークリスタルプリントはインクジェットプリンタに対応し、印刷可能範囲を内周側(直径40mm→22mm)に拡大した。また、カラークリスタルプリントは5色が1セットとなっており、すべてのメディアで厚さ7mmの薄型ディスクケースを採用する。
□パイオニアのホームページ (2002年9月25日) [furukawa@impress.co.jp] |
I |
|
00 | ||
00 | AV Watchホームページ | 00 |
00 |
ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp