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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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株式会社東芝は、地上/BS/110度CSデジタルチューナやHDMI出力を搭載したハイブリッドレコーダのフラグシップモデル「RD-Z1」を3月中旬に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は24万円前後の見込み。 RD-Z1は、「X5の機能、使い勝手を継承した、最強のレコーダ、最強のハイビジョンレコーダ」(同社)。東芝デジタルメディアエンジニアリング株式会社 デジタルAVグループ デジタル機器開発技術担当DVDシステム第二チーム チームマネージャー 桑原光孝氏によれば、「従来のRDシリーズのハードウェアやソフトウェアにとらわれず、最高のものを自由に発想した。従来のX(一桁)シリーズは、下の機種からの積み上げだが、一番最初からZ1のためだけにすべてを完全新規に開発した」という。 600GB HDDと、「RD-X5」と同じDVDドライブを採用し、書き込み速度はDVD-Rが8倍速、DVD-RAMが5倍速、DVD-RWが4倍速。DVD-RAMのカートリッジにも対応している。 デジタル放送は、HDDにMPEG-TSをそのままストリーム記録できるほか、MEPG-2エンコーダにより圧縮してHDDや、DVDに録画することもできる。同社ではそれぞれを「TSモード」、「VRモード」と呼んでおり、この場合の「VRモード」にはDVDビデオモードでの録画も含まれている。 また、デジタル放送をTSモードで、アナログ放送をVRモードで同時録画も可能。ハイビジョン放送の追っかけ再生や、1.5倍速早見早聞再生にも対応している。 また、コピーワンス番組の編集機能も強化。コピーワンス番組でも、TS/VRともにチャプタ作成や、チャプタ分割が可能なほか、プレイリスト作成も行なえる。i.LINK経由でのムーブにも対応しており、高速ムーブ(VRモードからVRモード)に加え、レート変換ムーブにも対応。プレイリストで編集してムーブした場合のオリジナルは、ムーブした部分だけ削除される。 プレイリストは、フレーム単位で作成可能だが、DVDにムーブ時に、つなぎ目がフレーム単位で一瞬静止したり、黒画面が挿入される場合がある。D-VHSにムーブした場合は、つなぎ目はGOP単位となる。なお、TSとVRのタイトルが混在するプレイリストの作成や、ムーブをすることはできない。またRD-Z1をムーブ元にしかならないため、Blu-rayレコーダや、HDDレコーダ、D-VHSなどからRD-Z1にムーブすることはできない。対応するD-VHSデッキについては、同社のサイトなどで公開するとしている。 EPGは、「RD-X5」と同じく、Ethernet経由のEPG「iNET」と、地上アナログ放送波から受信した「ADAMS」を組み合わせた「WEPG」を採用。デジタル放送については、各放送局から放送されているEPGデータを使用するが、WEPGとデジタル放送のEPGは同一画面上に表示でき、ユーザー側で意識する必要はない。なお、同日発表の「RD-XV34/44」の様な「野球延長」などの放送延長機能は搭載していない。
チューナはデジタルチューナのほか、地上波チューナを1つ内蔵し、ゴーストリダクション機能も装備する。同社では、「歴代RDで受信画質はNo.1」としている。「スカパー !連動機能」も備えており、CSデータ端子を備えたチューナと接続することで、DEPGを利用した番組予約が行なえる。なお、BSアナログチューナは搭載していない。
入力端子は、D1、DVを各1系統、S映像、コンポジット、アナログ音声を各3系統、出力端子はD3、コンポーネント(BNC)、光デジタル音声、同軸デジタル音声を各1系統。S映像、コンポジット、アナログ音声を各2系統を装備。 HDMI端子は映像とPCM音声をデジタル伝送できるが、ドルビーデジタルやDTS、AACの伝送には対応していない。また、スケーラ(アップコンバータ)も内蔵しており、アナログ放送やDVDをハイビジョン解像度(D3フォーマット)に引き上げてHDMI出力することも可能。ただし、コピープロテクションの関係上、コンポーネント(D端子)出力ではアナログ放送やDVDは、D2までの出力となる。 そのほかにも、デジタルチューナ専用出力端子(S/コンポジット/アナログ音声)、i.LINK(TS)、スカパー!連動端子、LAN端子、電話回線端子なども搭載している。
デジタルチューナ専用出力にRD-X5などの外部入力を接続しておけば、デジタル放送をRD-Z1のHDDにはハイビジョンで、RD-X5などの外部機器にはSDで同時に録画することが可能となっている。 機能面でも「ネットdeナビ」が全面的なリニューアルされ、従来ウィンドウが異なっていたメイン画面と、ネットdeリモコンが一つの画面に統合。必要に応じてコンパクトに収納できるほか、編集リモコン時の操作領域を含む「編集リモコンモード」を追加した。さらに新機能として、一括で文字入力・設定ができる「フォルダ設定」、「キーワード設定」も加わっている。そのほか、「サムネイル一覧」と「リスト一覧」は、タイトルを選択しての再生、削除、フォルダの入れ換えに、「ライブラリ」機能では、3,000件の一括表示と、特定のタイトル名やディスク名を基準にした並べ替えや文字検索に対応している。加えて、ディスク番号やジャンル単位での絞り込みも実現。スカパー!連動のメール予約もサポートした。 リモコンもジョグダイヤルを新たに装備した新デザインとなった。消費電力は68W(BSアンテナ供給時75W)、本体の外形寸法は430×356×115mm(幅×奥行き×高さ)、重量10.8kg。
● SDフォーマット最強の機体を目指す また、「従来弱いとされていた、RDの記録回路にもメスを入れた」(同氏)。最大動作速度12bit/110MHzで、4倍オーバーサンプリング可能な専用ビデオデコーダ(S、コンポーネント専用)「ADV7402」を採用。さらに、オーディオについても、新搭載の高性能ADCにより24bit/192kHzにアップサンプリングし、後段の24bit処理のサンプリングレートコンバータで16bit/48kHzにダウンコンバートする。これらにより、外部入力録画の画質と音質を従来のRDシリーズより向上させている。 前段回路についても、従来はセレクタと電子ボリュームを1石で行なっていたが、Z1では専用のICを別途設け、特に電子ボリュームについては「ハイエンドプリアンプにも使用されているものを採用した」という。 キャビネットは完全新規で設計を起こし、シャーシは2重構造で1mm厚の鋼板製ベースフレームに電源とドライブを、同じ厚みのサブフレームに電子回路を搭載。剛性を向上させている。さらに電源部も、大型ツインコアチュークトランスによる力率改善回路を採用。電源コネクタもIEC規格3芯型となっており、「電源ケーブルを変えて違う音を楽しみたいという熱いユーザーにも応えた」(桑原氏)という。
そのほか、RD-Xシリーズでおなじみのステンレスリアパネルや、ステンレスビスを採用。0.5%級金属皮膜抵抗&PPSフィルムコンデンサ、低インピーダンス電解コンデンサを使用する。さらに、電源などについても、「聴感で選んだものを採用」(同氏)するほか、コンポーネント出力もBNCと、非常にこだわりを持って仕様になっている。
□東芝のホームページ
(2005年2月9日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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