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日本ビクター株式会社は、MPEG-2形式で録画を行なうビデオカメラ「Everio(エブリオ)」の新モデルとして、1.8インチのHDDを内蔵した3モデルを8月上旬より順次発売する。容量は30GBと20GBの2種類を用意。いずれのモデルも価格はオープンプライス。仕様と店頭予想価格は下表の通り。 MG40のみカラーバリエーションを用意しており、ミスティブルー(A)、パウダーピンク(P)、プレミアムシルバー(S)の3色をラインナップしている。
従来のEverioシリーズはCF Type IIスロットを装備し、製品には4GBのMicrodriveが付属していたが、GZ-MG70/50/40では日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)製の1.8インチHDDを内蔵した。同社は「DVDと同等の画質で7時間以上録画できる。メディア交換が不要な新世代のビデオカメラ」と説明している。
外形寸法と重量は、MG70が71×109×70mm(幅×奥行き×高さ)で約390g(撮影時は約450g)、MG50/40が67×109×70mm(同)で、約320g(同約380g)となっており、Microdrive採用の横型モデル「GZ-MC200」の74×94×56mm(同)と比べると幅が狭く、奥行きと高さが若干大きくなっている。また、電池を除いた重量もMC200の285gより重くなっている。
録画モードはウルトラファイン、ファイン、ノーマル、エコノミーの4種類を用意。各モードでの録画可能時間は下表の通り。なお、音声の記録方式はドルビーデジタルとなっている。
内蔵HDDを衝撃から保護するため、HDDの周囲にゲル状の衝撃吸収素材を配置した「フローティングダンパー機構」を採用。また、3次元加速度センサーを内蔵し、重力加速度を検知することで、落下状態を検出。電源を強制的にOFFにしてHDDを守る機能も備えている。
MG70とMG50/40ではCCDやレンズが異なり、MG70は1/3.6型の212万画素CCDを搭載。動画撮影時は123万画素、静止画時は200万画素を利用する。MG50/40は1/4.5型の133万画素CCDを搭載。動画時は69万画素、静止画時は100万画素となる。 レンズはMG70が光学10倍ズーム、35mm換算で48.7~487mm(F1.8~2.2)。MG50/40は光学15倍ズーム、35mm換算で43.3~649.5mm(F1.2~2.8)。16:9で高画質な撮影が行なえるという「高精細16:9ワイドTVモード」を搭載。輝度/カラー/エッジ処理回路からなる「メガブリッド」エンジンも搭載している。 液晶モニタは2.5型の11.2万画素。SDカードスロットを備えており、静止画撮影にも対応。MG70は1,600×1,200~640×480ドット、MG50/40は1,152×864~640×480ドットの撮影が行なえる。なお、静止画データはSDカードと内蔵HDD間で移動やコピーが行なえる。また、MG70は静止画撮影用のオートフラッシュ機能を、MG50/40はオートLEDライトを備えている。
撮影した動画を、サムネイル画像を使って一覧表示するインデックス機能を搭載。本体のみでシーンの削除や並び替えなどの簡易編集が行なえるプレイリスト編集機能も利用できる。また、液晶モニタを閉めると自動的に電源が切れるクイックパワーオフ機能や、残りの撮影時間、充電容量をチェックする「データバッテリー」などの機能も備えている。 パソコンとの接続はUSB 2.0を使用。ストレージクラスをサポートし、ドラッグ&ドロップでPCへ転送が可能。従来モデルより転送速度は向上しているという。対応OSはWindows 2000/XP。また、今回のモデルよりMacintoshもサポート。Mac OS Xに対応する。なお、既存のモデルでのMac対応は予定していない。 バンドルソフトは、Windows用に「フォト・ナビゲーター」、「PowerDirector Express NE」、「PowerProducer 2 Gold NE」、「PowerDVD 5 NE」を、Mac用には編集ソフトの「Capty MPEG Edit EX」。Windowsでは編集からDVDの作成までが行なえるが、オーサリングとライティングには別売の「Capty DVD/VCD Ver.2」が必要。ただし、Everio新モデルのユーザーを対象とした特別価格での販売も予定しているという。
付属のバッテリ「BN-VF707」を使用した際の連続撮影時間は、MG70が約50分(実撮影時間25分)、MG50/40が約1時間(同30分)。出力端子として、S映像出力とAV出力端子を備え、AVケーブルやUSBケーブル、リモコンなどが付属する。
■ PCレスでDVDライティングを行なうソリューションを提案 新モデルの発売に合わせて、PCを使わずにEverio内の動画ファイルをDVDビデオにライティングできる、On-The-Goに対応したDVDレコーダ「AD330」がアペイサー テクノロジーから発売される。ビクターの製品ではないが、「PCが苦手という人にも手軽にEverioを利用してもらうためのソリューションとして、売り場で並べて展示するなどの展開を想定している」という。AD330の発売は8月で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は37,900円前後の見込み。 USB 2.0をサポートし、Everioと接続。内部のMPEG-2ファイルを吸い出し、DVDビデオ形式でDVD-±R/RWにライティングできる。作成モードは全てのファイルを書き込む「All」と、書き込むものを選択する「File Select」、Everioで編集したプレイリストを利用する「PlayList」の3モードを用意する。ただし、DVDのメニュー作成機能は備えていない。
内蔵する液晶モニタを見ながら操作が行なえるほか、映像出力を備えており、テレビ画面にメニューを表示させながらの操作も可能。CF、メモリースティック/メモリースティックPro、SD、スマートメディアに対応したカードリーダも内蔵しており、液晶画面にJPEG画像の表示も可能。PictBridgeもサポートする。 メモリーカードから、データ形式のCD-R、DVD±R/RWをライティングすることも可能。USB接続を利用して、PCの外付けDVDドライブとしても利用できる。
■ 新メディア採用カメラの中で37%のシェアを目指す
A&Vマルチメディアカンパニー カムコーダーカテゴリー長の中沢隆平氏はDVDレコーダやポータブルオーディオなど、様々な機器にHDDが内蔵されている現状を説明し「一般の人にも大容量・ランダムアクセスというHDDのメリットが浸透している。こうした中で、ビクターでは2004年11月にMC100/200を発売し、HDDムービーという新たな市場を開拓した。世界中で大変好評を得ており、特に2005年6月に発売した3CCDのMC500は生産が追いつかない状態が続いている」という。
中沢氏は、MC100/200/50の成果として「HDDムービーの先駆けとして、新たなベネフィットをユーザーに提供した。また、イベント記録だけでなく、より手軽に日常記録に利用するという用途拡大にも貢献できた」と説明。その上で「新モデルはよりマスの市場に、DVなど、一般のビデオカメラユーザー向けのモデルとして製作した。これからがHDDムービーの本格立ち上げ期」と意気込みを語った。
市場的には、ビデオカメラの世界規模として2005年が約1,600万台と予想。その中で、HDDムービーは2004年8万台から、2005年は60万台を目指すという。国内市場では2004年の3万台から、2005年は12万台を目標に掲げた。ただし「既存のDVカメラとシェアを奪い合うつもりはなく、新たな市場としてHDDムービーを提案したい。2007年までにはDVDカムなどを含めた新メディアのビデオカメラの中で、37%のシェア獲得を目指している」という。
また、メディアとして取り外しができないHDD内蔵型を採用した理由については、「Everioを購入したユーザーのアンケートを重視した。その結果、4GB以上の容量を望む声が大きかった。また、PCへの動画ファイルの転送にはカードリーダなどを利用する人が多いと考えていたのだが、ほとんどの人がEverioとPCをUSBで接続しているという結果が出た。ここから、“ストレージメディアでなくても構わない”という結論を導いた」という。
□ビクターのホームページ
(2005年7月14日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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