|
冒頭、野中氏は「Think GAIA」のコアとして、「地球環境問題への挑戦」、「持続可能なクリーンエネルギー社会の開拓」、「愛あふれるゆたかな社会と心の創造」、「循環型プロダクトライフサイクルの実現」という4大プログラムを紹介。「これまでの総合家電メーカーではなく、冷熱機器や電池などのパワーソリューション、携帯電話などのパーソナルモバイル機器などのコア事業に注力し、環境・エナジー先進メーカーへと変化する」と説明。2005年11月に発表された中期経営計画を再確認した。
同社は2005年度上半期の連結業績で、純利益が2,330億円の赤字予想となり、事業の選択と集中を計画。TV事業では「アジアの世界的な電子機器メーカー」との提携など、大幅な再建を予定している。
デジタルカメラ事業の現状については、「三洋のデジカメは元気が無いという声も聞かれるが、三洋が生産しているデジカメの95%は他社にOEMとして提供しているもので、三洋ブランドとして出しているカメラは5%に過ぎない。また、半導体や白物家電も調子が悪いと言われているが、それらの売上げは全体の4分の1に過ぎず、残りの4分の3は事務機器などが支えている」と説明。 さらに、今後のデジカメの展開については「OEMの比率が多いままデジカメ事業を進めるかどうかは常に議論している課題。ただ、数値や経営面だけで考えるつもりはない。携帯電話も現在ではデジタルカメラとしての能力を搭載した。今回のXactiシリーズは、カメラでもムービーでもないという新しい市場を開拓した存在。それが市場に支持されれば、Xactiがリーダーとなって、まったく新しい“Xactiユニバース”が作れるのではないかと考えており、その実現のためには積極的に注力していきたい」と語り、今後も“動画デジカメ”を推進していく姿勢を明らかにした。
なお、「Think GAIA」ビジョンの中における、HD対応Xacti「DMX-HD1」の位置付けは「赤ちゃんの成長などを高画質で手軽に残せる。従来のビデオカメラ週1回以上利用している人が16%しかいなかったが、Xactiでは71%が週に1回以上使っているというデータもある。頻繁に利用することで家族間のコミュニケーションが豊かになり、4大ビジョンの中に挙げた“愛あふれるゆたかな社会と心の創造”に繋がる」と語る。
「126,000円という価格は、子供が生まれたばかりの親には高価過ぎるのではないか?」という質問には、「現在のところ低価格キャンペーンなどは予定していないが、今後はそういったキャンペーン的な展開も検討していきたい」とした。
デジタルカメラ以外の事業に関しての今後の予定については、「例えば、水の力を利用したまったく新しい洗濯機や、インフルエンザなどのウイルスを劇的に減らせる空気清浄機、使い捨てられていく電池を循環型サイクルに変えられる乾電池“eneloop”など、様々な製品が登場、もしくは開発している」とし、「“Think GAIA”がどんなものかイメージできなかった人達にも、もうすぐ“こういうことだったのか”と感じていただける製品を発表できるだろう」と語る。
しかし、詳しい事業計画や、リストラを含めた構造改革計画などに関しては「発表できる段階になったら、早急にしっかりと説明させていただきます」とし、現時点での回答を避けた。
□関連記事 ■ SDHCへの対応も予定
DMX-HD1は記録媒体としてSDカードを採用している。そのSDカードでは、2006 CESにて、従来のFAT16からFAT32に変更した上位規格「SDHC」が発表されている。SDHCはFAT32により2GB以上の容量を実現するもので、転送速度も高速化。最高6MB/Sec(48Mbps)での転送が可能になるという。SD Card Associationは2006年初頭の規格化を予定している。 DMX-HD1がSDHCをサポートするか否かに関しては「SDHC規格自体は提唱されて間もないものなので、検証がまだできていない」という。しかし、「製品としては2GB以上のメディアも想定して開発を進めていたので、発売時にSDCH正式対応となっていなくても、ファームウェアのアップデートなどで大容量カードには対応していく予定。それに関しての情報も今後Webサイトなどで公開したい」とした。
また、SDHC規格に準拠していない4GBのSDカードへの対応については「開発の方で入手していないので確認はしていない。今後2GB以上のカードをサポートする場合でも、正式なサポートはSDHCに準拠したカードのみになるだろう」という。
□関連記事
■ 有機ELディスプレイの寿命は5,000時間から2万時間へ
DMX-HD1は、2.2型で約21万画素の有機ELディスプレイ「プラチナビジョン」を採用している。同ディスプレイは新たに開発されたもので、従来の有機ELと比べ、消費電力を半分以下に低減しているという。さらに、有機ELで問題となる製品寿命を従来の5,000時間から2万時間まで延ばすことに成功したとしている。 詳しい技術内容については明らかにされなかったが、電源を投入するたびに、発光するドットを1個ずつずらしているという。これにより、隣り合う「ドットA」と「ドットB」が電源のON/OFFのたびに交互に使われることになり、寿命が延ばせるという。 さらに、発光体RGBの3色に、ホワイト(W)を加えた4色構成を採用。白色を表示する際はRGBの3色を使わず、ホワイトの発光体でカバーし、その際、白色部分のRGBは使わないことで劣化を防いでいるという。
□三洋電機のホームページ
(2006年1月11日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|