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11月8日に公開された、PLAYSTATION 3の最新ファームウェアVer.2.00。音楽/写真のプレイリスト再生機能や、PSPの「リモートプレイ」の強化による外部のネットワーク経由でのPS3の電源投入など、多くの機能追加/強化が図られている。 さらにもう一点、公式に発表はされていないものの、大きな機能追加が行なわれていた。それがSACDの光デジタル出力対応だ。 ただし、この機能が利用できるのは、2006年11月11日から発売されているHDD 20GBモデル「CECHB00」と、60GBモデル「CECHA00」のみ。40GB HDD搭載の最新モデル「CECHH00シリーズ」については、SACD再生機能そのものが省略されたため非対応だ。
PS3のSACDのデジタル音声出力は、従来HDMIのみに限定されており、HDMI対応のAVアンプやテレビとの接続が必須となっていた。著作権保護機能のない光/同軸デジタルについては、SACDの音声出力が認められておらず、PS3では、HDMI以外でデジタル音声出力ができなかったのだ。 しかし、その出力規制が緩和され、今回光デジタルからの音声出力が制限付きで許可されたという。そのため、最新ファームウェアのVer.2.00から、光デジタル音声出力端子からのSACD出力が可能となった。 とはいえ、SACDのDSD音声がそのまま光デジタル出力から出せるわけではなく、また、ステレオとマルチチャンネル楽曲では出力方法が異なっている。編集部で試したところ、ステレオのSACDディスクについては、44.1kHzのリニアPCMを出力されるが、5.1chなどマルチチャンネルのディスクについては、AVアンプの表示を見る限りではDTSで出力されているようだ。
つまり音質的には、SACDの能力を最大限に発揮できるものではない。スペック上は、ステレオ再生についてはCD相当に、マルチチャンネルはDVD相当にダウンコンバートしているわけだ。SACDの能力を本格的に体験するためには、やはり対応のアンプが必要となる。 しかし、対応アンプなどを所有していなくても、とりあえず聴けるようになっただけでもうれしい改善点といえるだろう。 なお、PS3では、音楽CDを88.2kHzや176.4kHzにアップコンバートして光デジタル出力できるのだが、SACD(ステレオ)については、規格上の制限から44.1kHz固定となり、アップコンバートは効かない。PS3側のサウンド設定などで、高サンプリングレートの出力設定を行なっても、出力される音声は、常に44.1kHzに固定されている。 今回の光デジタル音声出力対応は、ある意味「SACDお試し用」の機能ともいえるが、HDMI対応アンプを持っていない人にとってはうれしい機能強化になるだろう。もっとも、11日に発売した新40GBモデルの「CECHH00」では、SACDの再生機能が省略されており、今後、PS3におけるSACDの位置づけが後退していくことも考えられる。しかし、いち早くPS3を購入したユーザーに対する、地道なアップデートとして、今後の機能強化にも期待をつなげたい。 □SCEのホームページ ( 2007年11月13日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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