ニュース

薄型でもAtmos、DTS:X対応。アシスト機能充実のマランツAVアンプ「NR1607」

 ディーアンドエムホールディングスは、マランツブランドのAVアンプ新モデルとして、薄型筐体ながら、Dolby AtmosやDTS:Xに対応した「NR1607」を7月中旬に発売する。価格は85,000円。

NR1607

 最大出力100W(6Ω)の7chディスクリートパワーアンプを内蔵したAVアンプで、外形寸法440×376×105mm(幅×奥行き×高さ)の薄型デザインが特徴。従来モデルと比べ、セットアップアシスタント機能を強化するなど、ユーザーの利便性を向上させたほか、多機能ながらリビングでも使いやすいAVアンプとして改めて訴求している。

薄型なのでラックにも収納しやすいという

 定格出力は50W×7ch(8Ω)。4Ωのスピーカーにも対応する。チャンネル間の温度差に起因する特性のばらつきを抑えるために、パワーアンプをヒートシンクに一列にマウントするインライン配置を採用。HDMIは入力8系統、出力1系統で、いずれも著作権保護のHDCP 2.2に対応。4K/60p/4:4:4/24bit、4K/60p/4:2:0/30bit、4K/60p/4:2:2/36bitなどのパススルーも可能。

 オブジェクトオーディオのDolby Atmosに対応するほか、DTS:Xにも無償のオンラインファームウェアアップデートで対応予定。Atmosは5.1.2ch構成など5通りのスピーカー配置から選択可能。Dolby Atmos非対応コンテンツを視聴するときにもドルビーサラウンドのアップミックス機能が利用可能。フロントハイト、トップフロント、トップミドル、フロントドルビーイネーブルド、リアドルビーイネーブルドのいずれかをオーバーヘッド(天井)スピーカーとして使う事ができる。

NR1607

 ドルビーイネーブルドスピーカーを利用する際は、「Audyssey MultEQ」の自動補正に加えて、天井までの高さをAVアンプに入力する事で、補正の精度をさらに高める事ができる。Audyssey MultEQは、設置場所の音響特性を測定して補正するものだが、測定用のマイクも組立スタンド込みで付属する。

測定用のマイクだけでなく、組立スタンドも付属

 さらに、DTS:Xにも無償のオンラインファームウェアアップデートで対応予定。オブジェクト信号に記録されている音声情報と3次元の位置情報を再生環境に合わせてリアルタイムに演算して出力するため、どの再生環境にも最適化されたサウンドを楽しめるという。オブジェクトオーディオを含まないオーディオ信号は、「Neural:X」により、スピーカーの構成に応じてアップミックスを行なう。

 Dolby Atmosなどのレンダリングや、音場補正など高負荷な処理を同時に行なうために、32bit浮動小数点演算のクアッドコアDSPを搭載する。

リビングでの設置イメージ

アシスタント機能が充実

 セットアップアシスタント機能が充実しており、テレビ画面に表示されるガイドに沿って作業するだけで、誰でも簡単に初期設定ができるという。

 センタースピーカーやフロントスピーカーの位置、接続する端子の場所などといった情報を、イラストを交えて紹介するほか、スピーカーケーブルの剥き方まで図入りで解説する。ネットワークの接続、入力機器の接続などもガイドしてくれる。

セットアップアシスタント機能
イラストを豊富に使い、わかりやすく解説している
スピーカーケーブルの剥き方まで解説
付属の計測用マイクの組み立て方も

 HDMI映像にオーバーレイ表示する日本語対応GUIも装備。ボリュームや入力ソース、サウンドモードの選択メニューを映像に重ねて表示できる。

 リモコンには、4つのスマートセレクトボタンを搭載。入力ソース、音量レベル、サウンドモードの設定などをボタンに記憶できる。

リモコン

ネットワーク再生はDSD 5.6MHzをサポート

 Ethernetに加え、2.4/5GHzデュアルバンドのWi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n)にも対応。DLNA 1.5に対応し、ネットワークオーディオ機能も利用可能。DSDは新たに5.6MHzまで対応。WAV/FLAC/AIFFは192kHz/24bit、Apple Lossless(ALAC)は96kHz/24bitまでサポートする。FLACやWAVのほか、DSD、AIFF、ALACのギャップレス再生も可能。AirPlayにも対応。インターネットラジオにも対応する。

 フロントUSB端子から、USBメモリなどに保存した音楽ファイルの再生も可能。iOS機器とのデジタル接続・再生にも対応する。

 Bluetooth 2.1+EDRも備え、iOS/Androidスマートフォンなどの音楽をワイヤレスで受信して聴くことも可能。プロファイルはA2DP/AVRCPに対応し、アンプのリモコンでスマホの音楽などを操作できる。

 iOS/Android向けのリモコンアプリ「Marantz 2016 AVR Remote」も用意。無線LAN経由でスマートフォン/タブレットから、電源入力やサウンドモード切り替え、ボリューム操作、ネットワーク再生時の選曲、コンテンツ検索、再生キューの作成や保存、インターネットラジオ選局などの操作が行なえる。

 AM/FMラジオチューナも搭載。ワイドFMの受信もサポートする。

 入力端子は、コンポーネント×2、コンポジット×3、アナログ音声×3、光デジタル音声×1、同軸デジタル音声×1。出力はコンポーネント×1、コンポジット×1、2.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×1、ヘッドフォン×1。消費電力は250W。重量は8.3kg。

背面

センターやサブウーファが無くても楽しめる

 マランツの試聴室でデモを体験した。

 7chアンプであるため、通常ならば7.1chや、Atmosの5.1.2chなどの構成で試聴するが、リビングでの気軽な利用を提案するAVアンプでもあるため、趣向を変え、サブウーファを使わず、組み合わせるスピーカーもブックシェルフを基本に聴いた。マンションなどでは、サブウーファの低音が周囲に与える影響を考慮して導入しない人も多いためだ。

 Atmosのデモディスクや、アクション映画のワンシーンを再生すると、流石に地鳴りのような低音は無いが、2ウェイのブックシェルフでも十分迫力のある音が出せている。

 興味深いのは音像の移動感だ。Atmosは、従来のサラウンドと較べて音像の移動感が明瞭で、リスナーの真横や、背後を移動する際も、音像が一箇所で落ち込んだり、ワープするような不自然さが少ない。

 サブウーファが無い環境では、こうした移動感の明瞭さが、指向性の弱い低音に覆い隠されずによく聞こえるため、Atmosの利点が非常の良くわかる。音像の定位や分離も良いため、効果音やセリフも聴き取りやすく、控えめなボリュームであってもサラウンドデザインが把握できる。

 AtmosやDTS:Xというと、本格的なシアタールームで……という印象も強いが、サブウーファを置かないリビングで、イネーブルドスピーカーなども併用して手軽に導入しても、その恩恵は受けられると言えそうだ。