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Mark Levinson、カスコードアンプや初のヘッドフォン出力搭載プリアンプ。DAC搭載モデルも

 ハーマンインターナショナルは、Mark Levinsonブランドのデュアルモノラル・プリアンプ「No526」と「No523」を9月下旬に発売する。価格は、デジタル入力も備えた「No526」が215万円、アナログ入力のみの「No523」が175万円。

No526

 どちらのモデルもアナログ入力として、バランス(XLR)×2、アンバランス(RCA)×3、フォノ入力(RCA及びGND)×1を搭載する。No526にはDACも搭載しており、PC接続用のUSB×1、AES/EBU×1、同軸デジタル×2、光デジタル×2も搭載。USB DACとしては、192kHz/32bitのPCMと、5.6MHzまでのDSDがネイティブ再生できる。

No526の背面

 出力端子は2機種で共通。バランス(XLR)、アンバランス(RCA)、ヘッドフォンを各1系統備える。

No523

 真空管アンプの帯域拡張のために考案されたカスコード接続回路を発展させ、周波数帯域とリニアリティの両方を飛躍的に向上させる折り畳みカスコードアンプを開発。カスコード接続は2つのトランジスターを一つのトランジスターかのように機能させるもので、不要な成分を排除できるのが特徴。これをプリアンプの増幅段に、 デュアルJFETと組み合わせて搭載。高効率でノイズの少ない回路を開発したという。

 さらに、低入力インピーダンスで、高い出力インピーダンス特性を持つBJTをカスコード接続回路に組み込むことで、それぞれのトランジスタの利点を生かした回路としている。

No526の内部

 フォノ入力向けには、オペアンプを使用しないディスクリート設計によるA級動作フォノアンプを搭載。ミリタリーグレードの窒化タンタル薄膜チップ抵抗や、 低損失ポリプロピレンフィルムコンデンサなど高品質部品を投入。左右チャンネルの完全独立、 バランス設計も採用している。MMカートリッジは入力ゲインは固定、キャパシタ負荷は5種類から選択可能。MCでは、3段階の入力ゲイン調整に加え、10種類の抵抗負荷を選択できる。

 No526に搭載しているDACは、ESSのSABRE 32bitタイプで、これにマークレビンソン独自のジッターフリー回路を組み合わせている。 完全バランス設計のディスクリート構成I/Vサーキットも採用。非ハイレゾ音源に向けて、独自のClari-Fiシグナルプロセッシングも搭載。失われた情報や帯域幅を補いながら再生できる。

 どちらのモデルも、マークレビンソン初というヘッドフォン出力端子を搭載。標準ジャックを採用している。ヘッドフォンアンプは搭載せず、 プリアンプのメイン回路をそのまま使用。ヘッドフォンの接続を認識すると、背面の出力をカット。出力段にバイアスをかけ、A級動作する贅沢なヘッドフォンアンプとして利用できる。インピーダンス32Ωまでのヘッドフォンが利用可能。

 シングル、デュアルサブウーファとの組み合わせに最適という80Hzのハイパスフィルター(4thオーダー)も設定可能。サラウンドプロセッサとの接続時に入出力ゲインを固定して信号出力するSSPモードも備えている。

 消費電力は75W。外形寸法と重量は、438×457×102mm(幅×奥行き×高さ)で18.6kg。サイズも重さも2機種で共通している。