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DJI史上最も小型のドローン「Mavic Pro」日本公開。10月15日発送開始で約12万円

 DJIは29日、4K動画撮影に対応したドローン「Mavic Pro」を公開した。概要は28日に発表していたが、実機を日本で披露するのは初めて。価格は送信機込みで119,800円(税込)。直販サイトで既に販売を開始しており、発送は10月15日を予定。10月中旬から深セン、ソウル、香港のDJI旗艦店でも販売予定。Apple Storeでも11月初旬から販売する。高性能なカメラや撮影機能を備えたことから、DJIではドローン/マルチコプターではなく「フライングカメラ」と呼んでいる。

4K動画撮影に対応したドローン「Mavic Pro」

 最大の特徴は、折りたたんで小さく収納できる事。4本のアームを折り畳んだ際の外形寸法は83×198×83mm(幅×奥行き×高さ)、重量は743g。「DJI史上最もコンパクトな最先端のフライングカメラ」としている。

アームを折りたたんだところ
展開したところ。プロペラも収納できる

 搭載するカメラは最高4K/30fpsの動画撮影ができ、フルHDの場合は96fps撮影が可能。静止画は最高1,200万画素のRAW(DNG)撮影に対応する。レンズは広角85度。3軸のジンバルも備えており、ブレを抑えた安定した撮影が可能。2秒間の長時間露光などもサポートする。

カメラは最高4K/30fpsの動画撮影が可能

 安定した飛行、手軽な操作、安全性を高めるために、新たなFlightAutonomy(飛行自律性)システムを採用。周囲の状況を把握するための5台のカメラや、GPS、GLONASSへの対応、2台の超音波距離計、 冗長センサー、 それらから得た情報を処理する24個のプロセッサを搭載する。

 Stereo Sightセンサーを用いて、木など、進行方向最大15m先にある障害物を回避するシステムを搭載。自分の位置をGPSだけで把握するのではなく、底面に備えたカメラで離陸位置を撮影。その画像データを用いて、飛び立った場所に高精度に戻り、「cm単位の正確さで着陸できる」という。

 ActiveTrack機能も強化。「トレースモード」では画像認識機能を使い、人物や自動車、ボートなど、ユーザーが指定した被写体を自動的に追尾。ぐるりと周りを回るように飛んで被写体を撮影する事もできる。横に並んで一緒に移動する「プロフィールモード」なども用意する。

画像認識技術を使い、被写体を追尾
被写体のまわりをまわりながら撮影

 「Gesture mode」(ジェスチャーモード)を使うと、ユーザーからMavicへ「自撮りをして」などの指令をジェスチャーで出す事ができる。ジェスチャーを認識すると、Mavicはユーザーをフレームの中央に配置するアングルに動き、撮影。撮影時にはライトの点滅でカウントダウンもしてくれる。

このジェスチャーが「自撮り指令」

 新機能「Terrain Follow」(地形フォロー)モードでは、 地上3m~10mの間で被写体を後方から追尾可能。例えば、階段を登っている人物の撮影では、徐々に位置が高くなっていく人物に合わせ、ドローンも上昇しながら撮影する。

地上からの高さを一定に保ちながら撮影
底部にもカメラやセンサーを搭載

 「Tripod」(トライポッド)モードは、“まるで三脚に設置して撮影しているかのようなモード”と紹介されており、飛行速度を落とし、送信機の動きを基に位置と角度を精密に調整し、 正確な構図設定と安全な飛行を実現。速度が3.6km以下に制限される事で、狭いスペースや屋内でも飛行しやすいという。

 時速65kmの「スポーツモード」を利用すると、高速な飛行が楽しめる。

付属の送信機は、下部にスマホを固定できる

 OcuSync伝送技術を内蔵し、付属の送信機との間を、最大4kmまで通信可能。1080p動画のビデオストリーミングもできる。送信機は、下部のアームを展開し、スマホを固定可能。アプリの「DJI GO」を使い、Mavicの操作や、統計データのリアルタイム確認、行きたいところをタップしての飛行指示なども可能。アプリを介して、撮影している映像をFacebook LiveやYouTubeへのライブストリーミング配信する事もできる。

 なお、付属の送信機を使わず、スマホやタブレットのアプリを使って飛行操作をする事も可能。その場合は70m圏内での操作となる。最大飛行時間は27分間(通常は21分)。

 今後発売を予定しているアクセサリとして、専用HMD「DJI Goggle」も発表。一人称視点(FPV:First Person View)で飛行を仮想体験できるもので、周囲の全景を見るために85度の広視野角の2つの1080pディスプレイを両目の前に搭載。OcuSyncが直接Mavicに接続されるため、120ミリ秒の低遅延でMavicが飛行・撮影中の映像を楽しめる。

専用HMD「DJI Goggle」

 また、Mavic本体と送信機に加え、バッテリ2個、予備のプロペラ、充電ハブ、アダプタ、シガーソケットチャージャー、ショルダーバッグもセットにした「フライモアコンボ」も155,800円(税込)で販売する。

DJI Mavic Pro -AV Watch
Mavic Pro紹介映像

「ペットボトルと同程度のサイズになる」

 DJI JAPANの呉稲(ゴトウ)社長は、アームを収納すると「ペットボトルと同程度のサイズになる」とMavicのコンパクトさをアピール。

左から2番目がDJI JAPANの呉稲社長
Diggyさん

 安定した飛行や、ジェスチャーによる自撮りも可能な事を紹介し、「自撮り棒を使う人は、もう時代遅れじゃないかなと思う」とコメント。安全性の面では、定めた範囲の中で飛行する機能や、侵入が禁止されているゾーンには侵入できないプログラムがDJIの全製品に搭載されている事に触れ、「おそらく二度と首相官邸に訪問することはないと思う」と笑いを誘った。

 発表会ではInstagramで多くのファンを抱えるDiggyさんらが登壇したトークショーも実施。Mavicを持ち運ぶ時のスタイルを提案したり、旅先で多彩な撮影ができる事、撮影した写真や動画を手軽にSNSに投稿できる魅力などが語られた。

Mavicを持ち運ぶ時のスタイルなども提案された