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4/3センサーで4K/120p空撮ドローン「DJI Mavic 3」。飛行時間46分

DJI Mavic 3

DJIは、民生向けドローンのフラッグシップモデル「Mavic 3」を発表した。ハッセルブラッドと協業した新しいデュアルカメラシステムでは、2,000万画素の4/3インチCMOSセンサーと35mm判換算で24mmの広角レンズに加え、162mmの望遠レンズを搭載。さらに、飛行時間も46分まで拡大させた。価格はMavic 3 標準版が253,000円、アクセサリをセットにした「Fly More Combo」が341,000円、ドローン本体にProRes 422 HQ録画機能や1TB SSDを内蔵した「Mavic 3 Cine」と、ディスプレイ付きの新コントローラー「RC Pro」などをセットにした「Cine Premium Combo」が583,000円。

DJI Mavic 3 標準版(253,000円)。Mavic 3機体、インテリジェント フライトバッテリー、RC-N1送信機、RC-N1ケーブル×3、バッテリー充電器、ストレージカバー、プロペラ1組×3他
DJI Mavic 3 Fly Moreコンボ(341,000円)。Mavic 3 機体、インテリジェント フライトバッテリー×3、RC-N1送信機、RC-N1ケーブル×3、バッテリー充電器、バッテリー充電ハブ、ストレージカバー、プロペラ1組× 6、NDフィルターセット (ND4/8/16/32)、コンバーティブル キャリーバッグ他
DJI Mavic 3 Cine Premiumコンボ(583,000円)。Apple ProRes 422 HQ 動画撮影に対応し、1TB SSDが内蔵されたMavic 3 Cineが同梱されています。Mavic 3 Cine 機体、インテリジェント フライトバッテリー×3、DJI RC Pro、バッテリー充電器、バッテリー充電ハブ、ストレージカバー、プロペラ1組×6、NDフィルターセット (ND4/8/16/32)、NDフィルターセット (ND64/128/256/512)、コンバーティブル キャリーバッグ、DJI 10Gbps 高速データ転送ケーブル他

最大の特徴は、2,000万画素の4/3インチCMOSセンサーを採用した事。特別設計されたこの「L2D-20c空撮カメラ」には、焦点距離24mmのレンズを備え、12bit RAWフォーマットでの静止画撮影や、5.1K/50pと4K/120pでの動画撮影が可能。

大型イメージセンサーを採用した事で、高い動画解像度と幅広いダイナミックレンジを実現、低照度環境下で発生するノイズも低減させた。12.8ストップのネイティブダイナミックレンジを持ち、プロレベルの撮影品質を実現したとする。レンズはF2.8~F11の絞り調整が可能。

さらに、35mm判換算で焦点距離162mmの望遠レンズを搭載したカメラも内蔵。こちらは1/2インチCMOSセンサーだが、28倍ハイブリッドズーム(デジタル+光学)と絞りF4.4に対応。「遠くにある被写体もはっきりと確認でき、よりダイナミックでクリエティブな映像を離れたところからでも撮影できる」という。フォーカス速度を向上するため、新たにビジョン検知オートフォーカス技術(VDAF)を採用している。

35mm判換算で焦点距離162mmの望遠レンズを搭載したカメラも内蔵

ハッセルブラッド ナチュラルカラー ソリューション(HNCS)も採用し、忠実な色合いを再現。10bit D-Logカラープロファイルも使用できる。

「Cine Premium Combo」に含まれる「Mavic 3 Cine」は、Apple ProRes 422 HQコーデックに対応。最大ビットレート3,772Mbpsで撮影できる。さらに、1TB SSDを内蔵。DJI 10Gbps 高速データ転送ケーブルも同梱し、撮影データのパソコンなどへの転送がより効率的にできるという。

左からMavic 3、Mavic 3 Cine

132,000円で単品発売され、Cine Premium Comboにも同梱される新コントローラー「DJI RC Pro」は、アンテナ性能が向上しているほか、1,000nitの高輝度ディスプレイを採用し、視認性を高めている。送信機のバッテリー駆動も最大3時間まで伸びている。

Mavic 3 Cineと新コントローラー「DJI RC Pro」

ドローン本体の外形寸法は、折りたたみ時プロペラ無し状態で221×96.3×90.3mm(縦×横×厚さ)、展開時プロペラ無しで347.5×283×107.7mm(同)。重量はMavic 3が895g、Mavic 3 Cineが899g。

Mavic 3、Mavic 3 Cineのどちらも、飛行時間を改善。より効率的な推進システムと大容量バッテリーの併用により、飛行時間は46分まで拡大した。ドローンの骨組みや部品の重量も軽減している。アーム、ボディ、ジンバルの形状に航空力学の原理を取り入れ、合理的な設計を施した。風胴試験の結果では、風圧抵抗性能は前モデルと比較し35%向上、飛行速度も大幅に改善されている。

アップグレードした障害物検知機能や航行システムを搭載。「APAS 5.0」は、魚眼レンズを使った6つのビジョンセンサーと広角レンズを使用した2つのセンサーを組み合わせ、複雑な環境下でも全方向の障害物をスムーズかつ継続的に検知し、障害物を回避する安全な飛行ルートを計画する。

全方向障害物検知システムにより刷新された追尾機能「ActiveTrack 5.0」も用意。より直感的なトラッキングが可能になり、ノーマルモードの飛行でも障害物を検知。前バージョンのActiveTrackは、動いている被写体の前後から、もしくは、動いている被写体の側面を飛行しながらのトラッキングなど、ドローン自体は被写体の動きをフォローするだけだったが、ActiveTrack 5.0では、被写体の前後、左右、斜めの動きに合わせたトラッキングや、動いている被写体の側面や周りを飛行しながらのトラッキングも可能。

被写体が速く動き一時的にカメラからフレームアウトしてしまった場合でも、機体に搭載されたビジョンセンサーが被写体を捉え続け、被写体が再びフレーム内に収まるようトラッキングを継続。全方位検知機能が向上したことで、アクティブトラック中、パイロットはドローンやカメラをより滑らかに操作できる。

GPS、GLONASS、BeiDouの衛星信号を使ってホバリング精度を向上。今まで以上に速く複数の衛星から信号を受信でき、測位精度も向上。長時間露光での撮影やタイムラプス撮影中、空中でのドリフト飛行が減り、さらに高い安定性を実現したとする。

ドローンが自動でホームポイントまで帰還するReturn-To-Home (RTH)機能も進化。これまでのRTHでは、飛行経路に障害物がない高度まで上昇した後、直線でホームポイント上空まで飛行、その後ホームポイントまで下降し着陸していた。

Mavic 3では、最短で安全性とエネルギー効率が最も高い飛行ルートを機体が自動で計画。同時にその時点での風速も計測し、風速とRTH経路をもとに、帰還に必要となる電力をリアルタイムで計算。これにより、撮影により多くの時間を割くことができるという。

伝送システムは「DJI O3+」に進化。強い信号干渉がある環境など厳しい条件下でも、安定した滑らかでクリアな映像を伝送できるという。O3+の最大制御範囲は15km(障害物や電波干渉がなく、FCCに準拠している場合/日本国内では最大8km)。

より安定した信号伝送と低遅延の動画伝送を実現。ライブ映像は1080p/60fpsの高フレームレート伝送が可能。「カメラビューで表示される映像の画質が実際のカメラで録画している映像に近い」という。O3+により操作への応答性も向上した。

後日発売予定の「セルラー伝送ドングル」を使うと、O3+信号が建物や木々などによって遮られた場合に、O3+伝送システムから4Gネットワークへシームレスに切り替え、滑らかで安定した接続を継続できるという。

マスターショット、パノラマモードなどのインテリジェント撮影機能も用意する。その他のアクセサリーとして、約96分の高速充電に対応し、USB Type-C出力ポートを備え、ノートパソコンやスマートフォンの充電にも対応する「65W ポータブル充電器」や、「コンバーティブル キャリーバッグ」、「Mavic 3 広角レンズ」、ストレージカバー、NDフィルターセットなどを用意する。