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ELAC、同軸ユニット搭載の“新たなベンチマーク”スピーカー「Uni-Fi SLIM LINE」

 ユキムは、独ELACのスピーカー新シリーズ「Uni-Fi SLIM LINE」を11月10日に発売する。価格は、トールボーイ「FS U5 SLIM」が23万円(ペア)、ブックシェルフ「BS U5 SLIM」が12万円(同)、センター「CC U5 SLIM」が8万円。いずれも仕上げはサテン・ブラック。

ブックシェルフの「BS U5 SLIM」

 同軸ユニット「Uni-Fi COAX」など、使用パーツのほとんどを新設計したというシリーズ。米国向けに先行発表された「Uni-Fiシリーズ」を日本向けにブラッシュアップした特別バージョンで、かつてTADやKEFでスピーカー開発を行なったエンジニアのアンドリュー・ジョーンズ氏が手掛けた、「90周年を迎えたELACが新たに挑むベンチマーク・スピーカー」としている。なお、同時に発表されたELAC 90周年記念モデル「CONCENTORO」(ペア860万円)については、別記事で掲載している。

 シリーズ共通の同軸ユニットは、シルクドームツイータと、高剛性のアルミを用いたミッドレンジを組み合わせたもの。ツイータとミッドレンジをコイル内で同心円状に配置し、点音源化により、音像定位の正確さを追求している。強力なネオジウムマグネットも搭載し、「フラットな周波数特性と高いパワー・ハンドリングと相まって、Uni-Fiシリーズの高いイメージング能力を引き出す」としている。

同軸ユニットの構造

 ウーファは、リニアリティの高いアルミニウム素材を使用。動的性能を高めるために39mmのボイスコイルと大型のフェライトマグネットを採用し、正確なロングストロークを可能にしている。

ウーファユニットの構造

 クロスオーバー回路にもオーディオグレードの高品質パーツを使用し、ユニット間の滑らかなつながりを追求。音場感や3ウェイのメリットである下まで伸びた深い低域の再現を獲得したという。

 新たにカスタム設計されたスピーカーターミナルは、接続のしやすさと導電性に注目。安定した結線と信号伝送に最適化したという。マグネットを用いた着脱方式のサランネットを採用し、フロントパネルにピンや差し込み穴を持たないデザインとなっている。

スピーカーターミナル部

 筐体は、米国仕様のUni-Fi LINE(日本未発売)に比べて厚みのあるMDF材を使用。内部空間の強度を高め、エアーコントロールを改善。オリジナルUni-Fi LINEと同様の内部容積を確保するためのエンクロージャを新設計し、独自構造の専用ブレーシングを追加。上位機種の260LINEや400LINEにも採用されているもので、内部容量を確保しつつエンクロージャの鳴きによる不要な振動や再生音への色付けを大幅にカットしたという。

 横幅を抑えて奥行きを多めに取ったエンクロージャはは、300LINEなどと共通するもので、デザイン性だけでなく、定位感と空間表現の良さにも優位としている。

 オリジナルのUni-Fi LINEに採用されたブラック・ビニール・ブラッシュド仕上げとは異なり、以前の190LINEに使われていたサテン・ブラック仕上げを採用。コストパフォーマンスとデザインを両立した190LINEの正当な継承モデルとしている。

トールボーイ「FS U5 SLIM」

 シリーズのフラッグシップに位置づけられている3ウェイのトールボーイスピーカー。25mm径ツイータと100mm径ミッドレンジの同軸ユニット1基と、135mm径アルミウーファ3基で構成。

FS U5 SLIM

 同軸ドライバによって270Hz以上の帯域を点音源で再生可能としたことで、ウーファを低域再生に専念させ、定位感の良さと余裕のある低域再生を実現したという。

 バータイプのベースプレートを装備。既存モデルの400LINEにも使われていたもので、床面に対する強固な設置を可能にしている。バーに取り付けられたスパイク部は、専用キャップで保護。なお、スパイク受けは付属しない。

ベースプレート部

 周波数特性は42Hz~25kHz、クロスオーバー周波数は270Hz/2.7kHz。最大入力は140W、インピーダンスは4Ω(最低3.4Ω)。能率は85dB。エンクロージャはバスレフ型。外形寸法は178×293×980mm(幅×奥行き×高さ)。

ブックシェルフ「BS U5 SLIM」

 シリーズ共通のツイータ/ミッドレンジ同軸ユニット1基と、135mm径アルミウーファ1基を搭載する、ELACで初の小型ブックシェルフ3ウェイスピーカー。「ELACが得意としてきたクリーンでハイスピードなサウンド、スリムな設計による広大な空間表現、定位感はそのままに新たに余裕たっぷりの低域を獲得した」としている。

エンクロージャの内部構造

 周波数特性は46Hz~25kHz、クロスオーバー周波数は270Hz/2.7kHz。最大入力は140W、インピーダンスは4Ω(最低3.4Ω)。能率は85dB。エンクロージャはバスレフ型。外形寸法は178×293×340mm(幅×奥行き×高さ)。

センター「CC U5 SLIM」

 同軸ユニット1基と、135mmアルミウーファ2基を備えたセンタースピーカー。3ウェイ構成により、厚みのあるサウンドを実現したという。

CC U5 SLIM

 周波数特性は48Hz~25kHz、クロスオーバー周波数は270Hz/2.7kHz。最大入力は140W、インピーダンスは4Ω(最低3.4Ω)。能率は85dB。エンクロージャはバスレフ型。外形寸法は498×293×178mm(幅×奥行き×高さ)。