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DisplayPortやUSB Type-Cで8K伝送、VESA「HBR3」。製品の早期開発用に認定プログラム

 映像機器関連の規格化作業を行なうVESA(Video Electronics Standards Association)は、5K×3K(60Hz/4:4:4)や8K×4K(60Hz/4:2:0)の映像伝送を可能にする、DisplayPort規格バージョン1.4のハイビットレート3(HBR3)を使った映像ソースや、ディスプレイを対象とした早期認定プログラムをメーカー向けに発表した。

 サポートしている機能や性能を網羅した包括的なテストを行なうもので、DisplayPort適合性テストの主要実施機関であるアリオンラボや、グラナイトリバーラボ(GRL)などが、開発中の製品のテストサービスをVESA会員企業に提供。12月初旬には、230社を超える会員企業が台湾で開催されたテストイベントに参加したという。早期製品認定プログラムを活用して開発したメーカーは、製品に「DP Certified」ロゴを使用できる。

 HBR3では、DisplayPort、またはUSB Type-Cコネクタの4本のレーンすべてを使った場合の総帯域幅は32.4Gbps(各レーン8.1Gbps)をサポート。音声/映像のペイロードのデータレートは合わせて25.92Gbpsとなり、DisplayPortバージョン1.2で導入されたHBR2よりも、50%の帯域幅拡大を実現する。

 2本のレーンだけで、60fpsの4K映像をサポートでき、残りの2レーンで高速にUSBデータの伝送も可能。DisplayPortのMulti-Stream機能を使い、ドックに接続された複数のモニタで帯域幅を共有することもできる。

 DisplayPort 1.4では、HBR3のサポートに加え、Display Stream Compression(DSC)テクノロジーを活用し、USB Type-CからのHDRや8K映像の伝送にも対応。

 VESAでは、「認定は始まったばかりだが、VESAはすでに8K入出力への適合性を示している。現時点でAMD、NVIDIA、RealTek、MSTARの製品が認定を受けており、さらに多くのVESA会員企業の製品が認定手続きを実施中。多くのVESA会員企業がHBR3の機能開発に取り組んでいる。各社を刺激する一因となったのが、日本が2020年夏季オリンピックの競技進行を8K放送すると表明したこと。これには堅牢なHBR3のエコシステムが不可欠となるでしょう」とコメントしている。