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スマホ撮影用ミキサーや、遊べるキーボードがローランドから。音楽制作はクラウド化
2017年2月1日 18:36
ローランドは、2017年春発売予定のRoland/BOSSブランド新製品を発表。USBオーディオインターフェイスの「Rubix」シリーズや、スマートフォンに直結できるミキサー「GO:MIXER」、初心者にも楽しめるという新コンセプトのキーボード「GO:KEYS」などを披露した。
1月に行なわれた「2017 NAMM Show」や「CES 2017」で披露された製品を国内向けに発表したもので、ステージピアノやキーボードなどの楽器や、USBオーディオ、ギターアンプなどの機器を含め13製品をラインナップ。1月末から順次発売している。
この他にも、参考展示として、スウェーデンのギターメーカー「Strandberg(ストランドバーグ)」とBOSSブランドがコラボしたギターシンセサイザー「V-Guitar」のプロトタイプを参考展示。ヘッドレスデザインのギターを特徴とするStrandbergとBOSSによる共同プロジェクトで開発が進められており、詳細は今後発表予定としている。
スマホで演奏ビデオ撮影できる約1万円のミキサーなど
制作機器関連では、スマートフォンで簡単に本格的な楽器演奏ビデオを撮影できるという小型のオーディオミキサー「GO:MIXER」を展示。外形寸法は95×95×28mm(縦×横×厚さ)で、重量100gという手のひらサイズの本体をiPhoneのLightning端子やAndroidスマホのUSB端子に接続し、マイクやギター、キーボードなど最大5入力の本格的な録音ができるミキサー。スマホからのバスパワーで動作し、スマホの内蔵マイクによる撮影に比べて大幅に高音質化できる製品となっている。
ボーカルの自撮り向けにセンターキャンセル機能も備え、音楽プレーヤーのボーカル部分を消音して自分の歌を重ねることで、「歌ってみた」動画撮影の利用も提案している。3月発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は1万円前後。
USBオーディオインターフェイスは、既存のUAシリーズの使い勝手を見直し、ネット配信の利用も想定した「Rubix」を展示。店頭予想価格は4入力/4出力の「Rubix44」が33,000円前後、入力2/出力4の「Rubix24」が23,000円前後、入力2/出力2の「Rubix22」が18,000円前後。いずれも192kHz/24bit対応で、上位のRubix44/24ではハードウェアのコンプレッサやリミッターも搭載する。低ノイズのプリアンプも内蔵。なお、発売時期は当初2月下旬としていたが、延期によりRubix44とRubix24は5月、Rubix22は4月発売となった。
既報の通り、アクティブモニタースピーカーの新モデル「MA-22」とBluetooth搭載「MA-22BT」を4月に発売。幅111mm、高さ223mmの省スペースを特徴とし、DTMやPCゲーム、スマートフォン音楽再生などでの利用を見込んでいる。店頭予想価格は、MA-22が20,000円前後、MA-22BTが23,000円前後。
遊べるキーボード「GO:KEYS」、本格的な演奏の「GO:PIANO」
キーボードの注目は、初心者でも気軽に演奏が楽しめるという「GO:KEYS(ゴーキーズ)」と「GO:PIANO(ゴーピアノ)」。いずれも4月発売で、店頭予想価格は39,000円前後。本体がレッドカラーのGO:KEYSは、シンセサイザーの音色を含む500以上のサウンドを備え、鍵盤に割り当てられたドラムやベースなど各56パターンのフレーズを選んで重ねていくだけで1つの曲のように再生され、それを本体に保存したり、自分の演奏を合わせるといったことが可能。さらに、上部のタッチパッド部分を触って左右に動かすと、DJのスクラッチのようなエフェクトも楽しめる。スピーカー内蔵で、単3電池6本でも動作する。
ブラックのGO:PIANOは、グランドピアノの音色のほか、エレクトリックピアノ、オルガンなど40種類のサウンドを内蔵。アコースティックピアノと同じ鍵盤幅で、象牙調の加工を施している。Bluetoothも搭載し、スマホなどでミュージックビデオをGO:PIANOのスピーカーで再生しながらピアノ演奏をすることなどができる。
作/編曲家で、ピアニスト/キーボーディストの篠田元一氏がGO:PIANOとGO:KEYSをステージで演奏。「(GO:PIANOは)エントリークラスとのことだが、音がすごく良く、タッチもこのクラスとして抜群」とした。
楽曲制作もクラウド活用。「Roland Clud」始動
NAMMで発表された、クラウド活用の定額サービス「Roland Clud」も説明された。現在はベータ版が用意され、このサービスに登録すると定額料金でACB(Analog Circuit Behavior)プラグアウトシンセが利用可能なほか、8TBに及ぶ数多くの高解像度ソフトシンセ新シリーズを、ダウンロードする必要なく適用できるのが特徴。「RAINLINK」という通信技術を採用し、ユーザーが電子楽器で演奏したデータを高解像度のまま手元の端末に保存し、クラウドへアップロードすることで、クラウド上でレンダリングされ、手元にダウンロードできるという。
RAINLINK対応のハードウェアは今後登場予定で、クラウドレンダリングと組み合わせることで、作曲家やゲームクリエイターの音楽制作の幅を広げるという。