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22.2ch対応やビデオエンジン一新、ゲームオーディオ強化のDAW「Nuendo 8」

 ヤマハミュージックジャパンは、22.2ch音声やビデオエンジンを一新したスタインバーグの業務用DAWソフトウェア「Nuendo 8(ヌエンド8)」を6月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は19万円前後。

 Nuendo 7からのアップグレード版(UD7)は、2万5,000円前後、アカデミック版(E)は10万円前後、1年限定5ライセンスのマルチパック版(M)は14万円前後、マルチパックリアクティベーション版(MR)は11万円前後。学生版(S)は50,000円。

 映画やテレビ放送、CM、ゲームなどのマルチメディアコンテンツ制作向けの業務用DAW(Digital Audio Workstation)ソフトウェアで、ポストプロダクションやオーディオレコーディングに特化。映像変更点をEDL(Edit Decision List)ファイル比較により検出し、オーディオ修正作業の時間を大幅に短縮する「リコンフォームソリューション」や、チャンネルストリップ、オートメーション機能を備えたミキシング環境などにより、映画やテレビ放送の制作現場でプロが求める高度な作業に応えるという。

 ゲームオーディオ制作対応も強化。Audiokineticのミドルウェア「Wwise」へ音楽や効果音などのゲームオーディオの構成要素を転送できる「Game Audio Connect」をバージョン2.0に進化させ、マルチトラックのイベントやマーカー情報のやり取りにも対応。ゲームエンジンへのオーディオデータの実装を大幅に効率化できるという。バージョン管理ソフトウェア「Perforce」の統合や、無数のサウンドファイルを効果的に管理するデータベース「Media Bay」も搭載する。

 さらに、ADR(Automatic Dialog Replacement)、CSV対応のリネーム機能、「ダイレクトオフラインプロセッシング」などの新機能群により、アフレコやボイス収録などのレコーディングから編集、納品までの一連のワークフローを効率化。制作時間の大幅な短縮を図れるとする。

 ビデオエンジンも一新。対応する映像コーデックの自由度を上げるため、これまでのQuickTimeベースものから、新ビデオエンジンに変更。映像コーデックは、ProResをはじめとした業界標準のコーデックに加え、オプションとして有料のライセンス購入によりAVidのDNxHD/DNxHRにも対応予定。

 また、5.1chや7.1chなど、チャンネルベースのサラウンドフォーマットのほか、Ultra HD Blu-rayなどで採用されているDolby Atmosなどのオブジェクトオーディオ技術に対応。新たにAuro3Dや次世代フォーマットとして期待される22.2chなどの3Dサラウンドフォーマットに対応する「VST MultiPanner」を搭載した。音楽制作用DAWの「Cubaseシリーズ」との互換性も強化しており、上位ソフトとして「Nuendo」を利用可能としている。